→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2022.12.25] ■■■ [歌鑑賞83]天だむ軽の乙女甚泣かば ㊆(4-6)-(5-7)-(3-6)-7 故 大前小前宿禰 捕其輕太子 率參出以貢進 其太子 被捕歌曰 天だむ あまだむ 📖枕詞「あまだむ」は"軽"専用 軽の乙女 軽のお嬢さん 甚泣かば あんまり泣いていると 人知りぬ可し 人に知られてしまうでしょうよ 波佐の 波佐の[場所不明] 山の鳩の 山の(雉)鳩(鳴き)のように 下泣きに泣く 忍び泣きしましょうよ 配流の身となり、恋人との別離の状況で詠む歌としては、深い思いやりを感じさせる素晴らしい歌である。 同じように忍ぶと云っても、許されぬ恋に堕ちたと人々に指弾される状況にあうのだから、意味は全く異なる。泣いていれば、まだ関係が続いているとみなされ糾弾されかねないから穏やかに過ごしてネということになろう。 一人一人になったけれど、山の鳩のように、二人は番なのだヨ、と愛を語っている訳で。・・・ どうでもよさそうなことを書いているが、流石、皇子、鳥についてよくご存じと思ったから。 鳩と言えば群れを成して飛ぶものというイメージが強いが雉鳩は孤独な鳥だからだ。番で見かけることもないではないが、繁殖時期は一年中というに、そう多くないのである。 もちろんのことだが、鳴く目的は求愛である。 もっとも、この歌は皇子の出身地で歌われていたのかも知れないが。 (C) 2022 RandDManagement.com →HOME |