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■■■ 「古事記」解釈 [2022.12.27] ■■■
[歌鑑賞85]天飛ぶ鳥も使人そ
【木梨之輕太子】天田振伊予配流時愛しの同母妹を想って
阿麻登夫あまとぶ 登理母都加比曾とりもつかひそ 多豆賀泥能たづかねの 岐許延牟登岐波きこえむときは 和賀那斗波佐泥わかなとはさね
㊄(4-7)-(5-7)-7

    故 其輕太子者流於伊余湯也 亦 將流之時
    歌曰

天飛ぶ  天空を飛ぶ 📖枕詞「あまだむ」は"軽"専用
鳥も使人そ  鳥も使です
鶴が鳴の  鶴の鳴き声が
聞こえむ時は  聴こえて来る時は
我が名問はさね  吾の(消息)をお尋ね下さいね

伊予に流された木梨之輕太子はなかなかにお洒落な歌を歌う。

鳥だって二人の仲を取り持ってくれるのだから、世界から排除されたのではないよ、と元気付け、元気でいるのか心配になったら鳥に尋ねてくれたまえと言うのだから。
歌が口誦で届けられると、その場に太子が訪問してきたかのような気分になったに違いあるまい。

鶴の鳴き声は甲高く遠くまでよく聞こえるから、その声を耳にするだけでも力づけられた筈である。

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