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■■■ 「古事記」解釈 [2023.1.22] ■■■
[歌鑑賞111]大魚吉鮪突く海士よ
【即位前天皇】@歌垣経緯無礼千万と
意布袁余志おふをよし 斯毘都久阿麻余しびつくあまよ 斯賀阿禮婆しがあれば 宇良胡本斯祁牟うらこほしけむ 志毘都久志毘しびつくしび
㊄(5-7)-(5-7)-6

    爾 王子
    亦歌曰

大魚吉  大きい魚は素晴らしい
鮪突く海士よ  鮪を突く海人よ
しが有れば  それならば
心恋しけむ  心の底から恋しかろう
鮪突く志毘  鮪を突く志毘臣よ

シビがシビを突いているとは、面白いと言えばその通りではあるものの、諧謔表現としての質は低い。📖鮪と大魚と揶揄するしかなかった

勝手にシビ シビと呼び捨てにして喜んでいるだけなので、全く歌垣になっておらず、志毘臣は対応しない。しかも、臣下は礼儀をわきまえた用語を使っているから、極めて稚拙な表現と言わざるを得ない。しかし、対抗するには、天皇はそれしかできなかったことになる。相手が歌わなくなったので、「勝った、勝った」と空しく言うことしかできなかった訳である。

柴垣をタネに歌詠み内容を方向転換する技量に欠けることが一目瞭然。臣下がついてこないのはもっともなこと。
幼児の時から文化的な素養を身に着ける機会が無いと難しいのであろう。

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