表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.10.16 ■■■ 柿根甚固「柿の七絶」[→]ということで、柿の良さの俗説を収載しているが、それだけではつまらぬと思ったのか、その理由も示唆しておきたかったようだ。・・・木中根固柿為最,俗謂之柿盤。 柿の木は折れやすいので知られるが、地上部に力を注がない代わりに、根はこれとは全く違って丈夫であると指摘している訳だ。 おそらく、大庭園の整備で一部の柿の木を伐採したにもかかわらず、芽がでてきて、その強さを知ったからだろう。そういう観点では確かに最強の根と言ってよかろう。 それだけではない。 鬚根が少ないのも特徴の一つであり、土との密着表面積が少なくても機能が発揮できるということであろう。そのためか、挿し木ならぬ、挿し根栽培が可能である。その様な樹木はそうそうなかろう。 マ、その代わり、柿8年なのである。 尚、「本草綱目」果之二(山果類三十四種)にも、七絶と根固が書かれている。出典は書いていないから、「酉陽雑俎」であろう。・・・ 有七絶:… 時珍曰: 柿高樹大葉,圓而光澤。四月開小花,黄白色。 結實青告F,八、九月乃熟。 生柿置器中自紅者謂之烘柿, 晒乾者謂之白柿,火乾者謂之烏柿,水浸藏者謂之 柿。 其核形扁,状如木鱉子仁而硬堅。 其根甚固,謂之柿盤。 柿のモチーフの詩にご関心がある向きは、こちらを。 → 「日本的果実の木」[2015.9.4] (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |