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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.11.7 ■■■

Hibiscus類

佛桑樹は沖縄では好まれる花だが。・・・

處士鄭又玄雲:
 “中多佛桑樹,
樹枝葉如桑,唯條上勾。
花房如桐,花含長一寸余,似重臺状。
花亦有淺紅者。”
  [續集卷十 支植下]
處士の鄭又玄によると、
の地域には、"佛桑樹"が多いという。
この樹木の枝葉は桑の如し。
唯、細かく言えば、
細枝が上を向いてかぎ形に曲がっている。
一方、花房は桐の如し。
花弁ろ包の長さを合わせると一寸ちょっと。
その形は複弁的。
花色には、浅紅も。


古典的な図鑑でよくみかけそうな植物の特徴記載である。

この佛桑だが、日本では、仏桑華のこと。琉球木槿とも呼ばれることがあるらしい。沖縄は、仏教が盛んだった頃の中華帝国の影響を受けており、その時代の感覚を大事にしていることがよくわかる。

唐代、成式が植物栽培で半ば師事したとも言えそうな李徳裕が愛していたのは、朱槿[=仏桑花/ブッソウゲ/(Chinese) Hibiscus or 扶桑]、芙蓉 or 錦葵/フヨウ/Cotton rose、木槿 or 槿樹/ムクゲ/Rose of Sharonだったようだ。ただ、優劣ということではなく、どれも同じように扱われたのではないか。一種の園芸品種的に。[→]
 ○ 公莊上舊有同心蒂木芙蓉。
 ○ 重臺朱槿,似桑,南中呼為桑槿。


後世になればなるほど、品種に関してはなにがなんだか状態だろう。もともと変種が多かったのに加え、矢鱈と園芸品種が作出されたからだ。
「本草綱目」木之三 (灌木類五十一種)扶桑ではこうなっている。・・・
[釋名]
佛桑(《霏雪録》) 朱槿(《草木状》)
時珍曰:
 東海日出處有扶桑樹。
 此花光艷照日,其葉似桑,因以比之。
 後人訛為佛桑,乃木槿別種,
 故日及諸名亦與之同。


ご参考に。・・・「蓮花木」[2014.1.12]

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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