■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2013.8.20 ■■■

 日本人が考えた沙羅双樹擬の木

「仏教の三聖木」の一つ沙羅双樹を見たのは新宿御苑でのこと。なるほど、こういう木なのかという感慨以上は湧か無かった。仏教の素養に欠けるからかも。
日本では、温室でなければ育てられないから、実物を知らない方は、ココがお勧め。立派な施設だが、入園料がことのほか安価だし。
但し、いつ行っても花は咲いていないようだ。

沙羅双樹といえば、花がハラハラと落ちるイメージが強いが、実態はお供物用の葉皿用の木ではないか。
そういうことで、夏椿が「シャラの木」となったのかも。
  → 葉が食事用品として使われた木 [2012.9.25]

まあ、お釈迦様入滅話に欠かせない沙羅双樹を、熱帯雨林に生える木と見なすと、イメージが合わない。夏椿にしておこうではないかというのはわかる。そうでもしなければ、こんな詩も生まれまい。
 −森林太郎「沙羅の木」−
  褐色の根府川石に
  白き花はたと落ちたり、
  ありとしも葉がくれに
  見えざりしさらの木の花。

    [http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/954191]

箱根神社には、神奈川県指定天然記念物の姫シャラの純林があるが、神仏習合時代に必要とされたのではなかろうか。ここら辺りは結構冷涼だから、ぎりぎりでヒメシャラを育てあげたのだと思われる。
モドキであっても、どうしても沙羅双樹が欲しかったということなのだろう。ただ、もともとはヒメシャラ林だったところに、杉を植え込んで神社的雰囲気を醸し出した可能性もありうる。伊豆一帯にはお寺社がない場所でも結構ヒメシャラが生えているからだ。小生は、半島から箱根まで全域をカバーする修験道の路があったと睨んでいるのだが。

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