■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2014.1.27 ■■■

     苦き味が尊ばれる木

「苦木」とはずいぶんと直截的な命名だことヨ。苦味成分を利用する以外に魅力が無いのかも。
もっとも、小生がこの名前を知ったのは箱根細工のお店で、黄色の材はニガキかウルシ[→2012.9.30]だと聞いた時。漆の木はわかるが、なんだニガキとはと思ったら苦木だというので強烈な印象がある。

しかし、都会の住人だと、実物にはなかなかお目にかかれない。公園用樹木としては敬遠されていそうだからだ。ちなみに、2001年に淡交社から刊行された、身近な樹木170種の本では、選から漏れている。樹形はお勧めだと思うが、名前が気に喰わぬということか。(白金の自然教育園には存在するが、皇居東御苑には植わっていないようである。)
と言っても、滅多に生えていない訳ではないらしいが、コレといった特徴もないし、銘板表示しようと考える人も皆無だから気付かないということか。
そういう点では、若干赤っぽく、タラノメを小さくしたような冬芽がある木に目星をつけるとよいかも。・・・素人考えだからハズレかも知れぬのでそのまま受け取らぬように。単に、枝を噛んで苦さの確認をしたくないだけ。

苦いと言えば、小生の馴染みは塩化ベルベリン製剤。オウバク/黄柏(キハダ/黄檗)の樹皮に含まれる抗菌作用成分だが、抗生物質ではない。従って、体内での作用機作はどうなっているのか気になるところ。
まあ、そんなこと気にせず、経験的に下痢を抑える効果があるから、期待せよということか。小生の場合、直接的薬効よりは、黄色と苦さのインパクトを愉しんで服用することにしているが、糖衣錠でないと無理という人が多いようだ。

ということもあり、ニガキもキハダ同様に、黄色だから、ベルベリンが含まれていると想像したら、これ又見事にハズレ。苦い健胃成分を含有しているだけなのだそうだ。
そのため、数々の胃腸薬にニガキ末が配合されているという。小生は胃腸薬愛用者ではないが、太田胃散や新タナベ胃腸薬は服用した覚えがある。言われてみると、確かにほのかな苦さを感じたような気がする。どうしてかわからぬが、そこが、えらく心地よい訳だ。
胃もたれ感を忘れさせてしまうということなのかも知れぬ。作用機作のほどは調べていないが、飲むと効いた感じがするならそれで十分だろう。

これらは、ニガキの乾燥樹皮粉末を使用していると思いきや、又々ハズレ。
皮は殺虫剤に使うというから、毒物が含まれているに違いなく、その内側の辺材部分だけ用いている模様。

フーム、そういうことか。妙に納得。
色々と勉強させて頂いた。

(source) 廣野郁夫:木の雑記帳 http://www.geocities.jp/kinomemocho/zatu_title.html
[55] 黄色い材 2010.4
[85] ニガキはどの部分がどのように利用されているのか 2013.8

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