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■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2014.6.6 ■■■

神宮外苑じゃ木

明治神宮外苑に「なんじゃもんじゃの木」の解説板がある。
   明治神宮に「なんじゃもんじゃ」の木があると聞きましたがどんな木ですか
    @明治神宮

水戸黄門様がご下問に答えてその場で名付けたとされる。江戸では極く珍しい樹木だった訳である。
どこまで本当の話かわからないが、将軍に樹木の知識が豊富だったことを示す逸話でもあり、昔は、それぞれの木を眺めた瞬間にその名前が思い浮かぶのは当たり前のことだったようだ。

ちなみに、今は外苑ではちっとも珍しくない木だそうだ。

植物学上の名称は「一葉(ひとつば)タゴ」で、この「タゴ」とは「トネリコ」の別名だそうである。・・・そんな話のどこが面白いのか理解できぬが、ウエブを見るとそんな話の繰り返しばかり。

トネリコは複葉だが、それとそっくりなのに単葉だということで名付けられたそうである。
いかにも図鑑的な解説であるから、学者の命名なのだろう。珍しい木らしいから、どこが特徴かわかるという点では至極真面目な表現と言えよう。
しかし、それなら「一葉トネリコ」にすべきではないのか。トネリコはバットの材料としてよく知られている訳だし。もっとも、そんな時代より前の命名か。
ともあれ、「タゴ」とは、おそらく、田圃のハザ木のこと。トネリコは稲架として用いるのに適当というだけの呼び名。珍しい木に対し、わざわざそんな名称で呼ぶ必要がどこにあるのかはなはだ疑問である。
と言うことは、ナンダカネの風合いを残したかったと言うことかナ。

ただし、滅多に見かけないとは言うものの、限られた地域にはまとまって生えているという。おそらく、過去形表現が妥当だとは思うが。
こちらの現象の不可思議さの方が命名話より余程面白いと思うが、この社会では、そんなことを語る輩は異端扱いされるのかも知れぬ。クワバラクワバラ。
それでも、仮説例をいくつかあげてくれる人もいそうな気はするが、コピー情報の海のなかからその手の情報を探す気にはなれない。

こんな話をついついしたくなるのは、トネリコとは、「戸に塗る木(ト-ニ-ヌル-キ)」という意味との解説がされていたから。これ又実に胡散臭い話だ。
そう言えばご想像がつくと思うが、イボタロウムシの分泌物がこの木でも得られるというだけのことだから。しかも、そんな木の代表は明らかにトネリコではない。
トネリコを「戸に塗る」ための木として特別扱いする訳が無いのである。
   虫蝋木 [2014.6.4 ]


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