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■■■ 「日本外の樹木」出鱈目解説 2015.10.16 ■■■

釈迦頭美味しとは大胆な

アングロ=サンクソン系文化だと、果物といえばApple&Oranageで、なかでも林檎には偏執愛的な感情がありそう。小生など、これはいくらなんでも全く違う類と思われるものも、入ってしまうのである。
   "It's apples and RINGOs."[2014.3.3]

その代表が「チェリモヤ」。

<モクレン-バンレイシ系>
Custard-apple
 牛心梨
 チェリモヤ/Cherimoya
 サワーソップ/Soursop
Sugar apple
 バンレイシ/蕃茘枝 or 釈迦頭
Pineapple or sugar apple
 アテモヤ[@台湾鳳梨釋迦]=チェリモヤ+バンレイシ

原産地は、多少高温の常春気候地である南米高地。インカの歴史以前から存在していたとされている。暑さ寒さには弱そうだが、そのような土地柄なら、どこにで育つ樹木らしい。
人気があるようで、「森のアイスクリームと称されるほど美味しい」との話を至るところで見かける。しかし、上記の名称を見れば、それは勝手な解釈ということになろう。"Cherimoya=Cheri+moya"だからだ。つまり、もともと、現地で、"冷たい[Cheri]"と形容されていたのである。米国型の猛烈に甘いアイスクリーム同様に、果実にしては甘さが際立つから、そう呼ばれたにすぎまい。

と言うことで、その実は美味しいから、世界中で栽培が進んでいる。当然ながら、日本の園芸農業専門家が看過する筈がない。
   「魅惑のくだものチェリモヤ」(C)山下重良

大分前に、紀の川市では商品化済。(採果時期は10月〜12月とされているが、温室栽培だろうから苺同様にこの時期を狙っているということでは。)しかしながら、小生は国産品を見かけたことがない。もっぱら高級品流通ルートなのだろうか。
まあ、柑橘だろうが、桃だろうが、芸術的な果実に仕立て上げる地域である。ニッチ的な地位を確保する高収益ビジネスに徹していそうだから、余りに手に入り易くなるのも考えモノということか。
それに、チェリモヤは、現実にコストもえらく嵩みそう。低木とはいえ、樹木を手作業で受粉させたりすれば、人件費は半端なものでは収まらないだろうから。(蜜蜂君は興味をそそられない花らしい。)

チェリモヤを取り上げたのは、円安のせいか、スーパーが売る気を削がれているように見えるから。以前は、結構、入ってきているように見えたが、最近は限定品的な扱いである。その代わりということか、ドラゴンフルーツが矢鱈と目立つ。こちらは種を気にせず食べられるということで喧伝している訳でもないとは思うが。
チェリモヤが下火になるのは、まことに残念。

追熟果物だから、傷んだものが輸入される恐れがないし、海外産地をかんがえれば、年中出回っていておかしくないからである。
 カリフォルニア産:12月〜6月
 チリ産:6月〜11月
そして、沢山輸入できさえすれば、コストが嵩むことも考えにくいから、高価な果実になる訳がなかろいうし。
日本の消費者にとって、これほど嬉しい果物は滅多に無いと思うが。

それにしても、台湾の人々のセンスには大笑い。
「釈迦頭」と名付けたのだから。
確かに、仏像の肉髻的な形状と見ることもできそうだし、表皮は螺髪的ではあるが、恐れ多くも信仰対象ある。まあ、道教の国だからたいして気にならないと言えないでもないが、道観には菩薩像も同居していたりする訳だし。
もっとも、「頭」とするのは流石に気になるのか取るようだ。縁起担ぎ大好きな人達だから、そこでアテモヤを「鳳梨釋迦」と呼んだりする。ソリャ、そうすれば売れるわ。この果実を食べれば、釈尊の力を得ることができると暗示しているのだから。
なんでも、台東県太麻里地区産が最上級品らしい。おそらく、栽培に最適な気候の地なのだろう。ただ、台湾全体としては亜熱帯地域なので流通に難ありだろう。しかし、採果後冷蔵し、低温で流通さえすれば、当然ながら鮮度品質最佳の筈。ということで、鳳梨釋迦産業快速発展のようだ。
もっとも、懐具合がよろしくない日本市場への関心は薄れる一方かも知れぬが。
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