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2004.6.22

   中小企業政策の抜本的見直し必至

空しい工業集積化策…

 政策担当者や学者は、経済繁栄を実現する上で、中小企業を中心とする工業集積が重要と言い続けてきた。

 しかし、現場の声は、賛意どころか、無視に近い。
 2004年4月に発表された大阪での調査結果では、事業を推進している方々の多くは、工業集積に「特に期待していない。」(1)
 もちろん、期待している企業もあるのだが、そのメリットとは、短納期、コスト・ダウン、単品や多品種ロット生産への対応といったところだ。近くに同業者が存在すると便利だ、という以上のものではない。工業集積によって、新製品開発が促進されるとか、知恵が生まれる、といった効果は、はなから期待していないのだ。
 工業集積が産業発展に繋がると考えている人は稀なようだ。

 このことは、中小企業の力を集めて経済振興を図ろうとの、地域政策がほとんど機能していないことを示しているのではなかろうか。

 ・・・と言った見方自体、生ぬるいかもしれない。

 現実は厳しく、工業集積どころではないからだ。

 この調査で対象とされた17,284社のうち、4,994社が「廃業する」つもりだという。これだけで14,000人の雇用を失うことになるそうだ。大阪市の製造業の7.8%に当る数値とされている。

 実態は、もっと悪いと思われる。2002年6〜12月の調査では、2000年度の工業統計リストから中小企業23,000社を抽出したが、その時点で、すでに休業・廃業が約3,000社見つかっている。つまり、23,000社のうち、消え去るのは8,000社、ということなのである。(2)

 このことは、中小企業政策の抜本的見直しが必要であることを示している。
 → (2004年6月23日)
 --- 参照 ---
(1) http://www.city.osaka.jp/keizaikyoku/info/pdf/04may_14_data.pdf
(2) http://www.city.osaka.jp/keizaikyoku/info/pdf/info_h76_04.pdf

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