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2006.5.8 |
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鳥インフルエンザ蔓延に進むのか…
→ 「鳥インフルエンザ情報を眺めて 」 (2005年11月15日) そんな時、突如、真贋不明の、中国の鳥インフルエンザ罹患情報が流された。(1) 死亡者約300人、感染者約850人、隔離者約5,500人といった数字が記載されている。 信頼できるような情報ではないが、気になる数字である。 中国は、公的には、大発生抑制に成功し、2004年に収束宣言を出した。その後は、ポツポツ発生、ということになっている。とは言え、2006年4月20日、ついに12人目の死者が発生した。(2) WHOの統計(3)は、中国政府の発表をそのまま受け入れているが、こうした数字を信用しないビジネスマンは多い。 この数字をベースに政策を検討すべきではないと思うが、そうした柔軟性を許さないリーダーが多いようだ。 2006年4月に入り、黄砂が騒がれ、鳥インフルエンザの話題は目立たないが、要注意である。原因不明の呼吸器系疾患による集団発熱のニュースが同時に流れているからだ。 情報規制が敷かれているから、罹患の実態は相変わらずよくわからないが、2006年4月に伝わってきたニュースを眺めていると、質的変化の兆候を感じる。 典型は、河南省洛陽の河南科技大学でSARS類似の症状の集団発熱が発生したという話である。(4) 農村部ではなく、都会型の生活のなかで、呼吸器系疾患の感染の話が伝わってきたことに注意を払う必要があろう。 農村での発生ならわかるが、都会で発生し始めたとすると、これは大事件である。病源は、農村にあるにもかかわらず、都会で発症し始めたということは、感染防止体制ができていないことを意味するのではないか。 鳥インフルエンザの場合、病源と濃密に接しない限り、そう簡単には感染しないとされている。しかし、中国の都会には、農村のウイルス感染物が持ち込まれてる可能性は否定できない。 よく考えると、さもありなん、である。 鳥インフルエンザやSARSについては、罹患情報から感染防止まで、全面的に軍が管理しているからだ。 昔なら、権力行使ができる組織が管理すれば、プラスに働く可能性もなきにしもあらずだった。しかし、今は全く逆だ。 すでに、人民解放軍は農民との一体感を失っている。そのため、感染可能性がある鶏は、軍に知られないないよう、早く売り捌くことになる。都会に感染が疑われる鶏が大量に流れ込んで来る。 しかも、独立採算的に動いている軍が、お金のかかる鶏の処分をまっとうに行うとは限らない。罹患地域での鶏の大量処分の発表もあるが、その内容はお寒いものかも知れぬ。 解放軍のトップにとっては、五里霧中といったところだろう。 今のままなら、そのうち、突然にして、鳥インフルエンザ蔓延という事態もあり得る。 しかも、これが抗ウイルス剤型だったりしたら悲惨である。 ただただ、抗ウイルス剤研究の進展を願うしかないのかもしれない。 → 「インフルエンザ研究への期待 」 (2003年12月19日) その道は遠い。 蛋白質突起(ノイラミニダーゼ)の立体構造データベース公開が発表されたのが、この2006年1月20日。1,603種類あるそうだが、おそらく、ヒトに感染するタイプが過半を占める。そのうち、今まで検討されたのは、おそらく100に満たないだろう。亜種が含まれているとはいえ、膨大な数である。 このデータベースを生かして、どう狙うとよいのか、新しいアイデアが生まれるとよいのだが。(5) --- 参照 --- (1) http://peacehall.com/news/gb/china/2005/11/200511142123.shtml (2) [北京 20日 ロイター]中国、鳥インフルエンザで12人目の死者確認 http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=worldNews&storyid=2006-04-21T085358Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-210736-1.xml (3) http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/country/cases_table_2006_04_12/en/index.html (4) http://j1.people.com.cn/2006/04/04/jp20060404_58720.html (5) http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2006/060120/detail.html (6) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6#2006.E5.B9.B4 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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