■■■ 多摩動物公園の見所 2013.5.1 ■■■

   イタチ

アナグマやラッコを飼っている動物園は結構多い。両者は人気者だし、体躯がそれなりの大きいさだから見世物展示に向くからだろう。子供が抱く両者のイメージは日本的ではないが、両者は日本土着の動物でもある。

この2種と類縁なのはイタチ。もちろん、こちらも日本土着の動物だ。
ところが、イタチを飼う動物園は少ないようなのである。体が小さいし、夜行性のようだから、集客力が弱そうということか。それに、誰でも名前を知っている日本土着の動物だから、珍しさにもかけるし。日本のミンクと呼ばれる毛皮と地元動物としての剥製展示はどこにでもと言うと御幣があるが。それに似た動物として、欧州毛長鼬ことフェレット君がペットショップやホームセンターで動き回っているから、わざわざイタチを見にくる人もいまいというところか。・・・ということで、動物園が敬遠しがちなのはわかる気がする。イタチを展示する位なら、海外からスカンクを呼んだ方方が面白かろうとなりそう。スカンクとはどんな輩か、一度、そのお顔と尾っぽを拝見したいと考える人は少ないなさそうだし。
なにせ、イタチが有名なのは、「鼬の最後っ屁」でもあるし。

にもかかわらず、多摩動物園では、絶滅したニホンカワウソの代理としてのコツメカワウソ[2013.4.5]>>>、そのすぐお隣にはアナグマ、そしてなんとイタチまで飼っている。ここはなんとしても筋を通したいとの気持ちがあるのかも知れぬ。ただ、展示場所が、ノネズミとノウサギの間というのが、玉に瑕。

実は、イタチを取り上げたのは、そんなことからではない。小生、生きているイタチ君の顔を初めて眺めることができたので、書いておかねばというだけの話。そんなことが可能とは全く予期していなかったから驚いたのである。
なにせ、展示施設は貧弱なのである。いくら体躯が小さい動物とはいえ、ネズミ並み展示ケースではそこで活動する気にもなるまいと見た訳。それに、穴の中に入りっぱなしの印象がある。その穴だが、ガラス貼りとはいえ、半透明状態なので、そこに茶色の毛皮動物がいるだけの印象しかない。それに、通常は夜行性と思っていたせいもある。活動時間帯は特に定まっておらず、昼夜活動するようだ。

それがたまたま餌やりの時間帯にぶつかったのである。観客は小生一人。横穴がある場所の天井部に餌が置かれたにすぎないのだが、早速、イタチ君登場である。

穴から半身を出し、唯一の観客に一瞥くれた上、素早く餌場に移動。まさに目前の出来事。後ろ向きなので餌場でどうしているのかはわからなかったが、餌をしっかりと銜える作業をしていたのだと思われる。それが完了するや否や瞬時に穴に戻ってくる。とてつもなく敏捷。
鼠を銜えて入ったから、もう暫く出てこないと思いきや、鼠以外の餌を対象に、再び、さらに三度と、同じ行動の繰り返し。おそらく満足するまで、餌の取り込みを続ける体質のようだ。余り、前後のことを考慮して対応するタイプではなさそうな感じがする。

もっとも、こんな話をすると、イタチなど別に珍しい動物でもなく、身近でうろちょろしているのに何考えているのだろうと言われそう。
堺市では鳥獣保護法に基づいて捕獲許可証を交付し、イタチ捕獲器を貸し出したりしているようだ。なにせ、苦情だらけ。
 ・天井裏を走り回ってうるさくて眠られない。
 ・天井裏で子育てをしてふんや尿の臭いがひどい。
 ・台所や店の中へ侵入し、食器や商品を荒らす。

イタチ君も都会化している訳だ。普通は家畜の被害で問題になるのだが。なにせ、兎や鶏の小屋を発見すれば、襲う手立てをなんとしても編み出す手の動物。しかも、食べる量だけなどと考えることはないから、襲撃されたら必ず全滅。
そうそう、大人向きコースに加えるべきだったか。
   国内で躍進中の"野獣"を見て回る [2013.4.18] >>>
まあ、どうみても害獣ですな。

大牟田市にお住まいの方のお宅など、すでに3回もイタチの一発を喰らった模様。もっとも、ご自宅から歩いて大間山[230m]-三池山[388m]ハイキングコースに行けるのだから、東京で言えば多摩動物公園の丘陵地域に当たりそう。
 1回目 愛猫が、台所を荒らしまわるいたちを発見。
     追い掛け回し、ついには風呂場に追い込んでしまう。
     そこで、一発。猫は被害を逃れたとのこと。流石。
     お風呂場が数日間臭くって使えなくなりました。
 2回目 お茶の間に仕掛けたゴキブリホイホイにいたちがつかまる。
     ベタベタになったうえにもがきあがいて一発。
     最悪な状態で茶の間はしばらく使えませんでした。
 3回目 朝、愛犬の食餌の時間、ガラス戸を開けると臭気。
     当然ながら、即時、扉を閉めた。
     愛犬いじける。御飯だよと告げてもしばらくソッポ。

そんなことを愉しみながら生活するというのも、なかなかできるものではなかろう。
これを考えると、多摩動物公園にも、イタチが出没していてもおかしくなさそう。
サイ舎の脇斜面で2m近い青大将が動いているようなところだし。

(堺市) イタチでお困りの方へ 2012年12月19日
(Blog) 白露残日記 いたちの最後っ屁 2006-07-17



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