■■■ 多摩動物公園大人向きコース 2013.4.20 ■■■

   草食獣の同居シーンを眺めに行く

東京都の動物園は都市型と言えよう。ただ、都市型が何を意味するかは定かではないから、勝手な解釈で済ましていそう。それに、上野、井の頭、多摩では、ずいぶん雰囲気が違うし。
ボケーとして、動物を眺めたりしながら、しばしのんびりと過ごすという目的からすると、どれも都会性を感じるとしても、魅力度は相当な差。・・・

 ○上野
博物館、美術館、コンサートホールのような文化施設と隣り合わせ。こうした地域の雰囲気もあるが、日本のフラッグシップとしての自負心が強くでていそう。そんなこともあるし、それほど広い施設でもないから、ここでボケーとしてのんびり過ごすという気分にはなれそうにない。
展示がぎゅうぎゅう詰めなので、どうしてもせわしなさを感じるのである。
 ○井の頭
吉祥寺の繁華街から入った住宅地域立地というイメージが強いせいもあり、大型児童公園的な雰囲気濃厚。かなりの数の人が散策している公園に併設されている小さな展示場といった感じ。ボケーとしたいだけなら、わざわざ入園する必要もなさそう。
 ○多摩
丘陵立地なので、緑が豊富な空間が広がっており、開放感がある。都会人なら、入園するだけで、気分が安らぐのではないか。しかも、百貨店型展示ではないから、まばらにある専門店を気分で選んで一寸立ち寄るといった趣がある。落ち着いた雰囲気が生まれており、のんびりするには最適では。(ただ、坂がきついから、階段の上り下りを嫌う方々には不適。)

言うまでもないが、土日祝日に入園する話ではないし、子供と一緒に動物を見に行く訳でもない。平日に、時間ができたから、どこかでのんびり過ごしたいという時に、動物園も有力な選択肢の一つでは、ということ。そうは言っても、多摩丘陵の施設だと遠くて面倒と考えるかも。しかし、現実には、公共交通が発達しており、どうということはない。例えば、渋谷のハチ公前から動物園の正門入口までの所要時間は1時間弱。(片道運賃:¥330)乗り換えはあるが、座って行けるし、時刻表を見て、いつ出発し、どこでどう乗り継ぐか予め検討する必要もない。思い立ったら出発でなんの問題もない。それに、上野への所要時間と比べて大差なし。お住まいの場所にもよるが、ドア・ツー・ドアで考えれば日々の通勤・通学時間とたいしてかわらないのでは。
この交通至便さを生かすつもりなら、1回だけの入園券(¥600)でなく、年間パスポート(¥2,400)を利用すべきだろう。(その場で購入し入園可能。名前・年齢記入のみ。帰宅後に写真を貼る。)あと、できれば、弁当と飲み物持参。入園してから、自由度がきくからである。

さて、それではのんびり過ごすにはどこがお勧めか。これは人それぞれ。
小生は、<サバンナ>の運動場の様子を遠くから眺めるのが、動物園らしくてよいのではないかと思う。草食動物のトリオがそれぞれ広い運動場の一画に集まってなにをするでもなく、平和共存で過ごしている様子は絵になる情景だからだ。そうそう、気が強そうな飛べない鳥も参加していることを忘れるところだった。
  キリン >>> (2013.3.28)  
  グレービーシマウマ
  シロオリックス >>> (2013.4.10)
  ダチョウ
まあ、アフリカらしさが醸し出されるのは、縞馬と網目麒麟が対比的であるからだろう。他は、オマケといえなくも無いが、角が目立つシロオリックスが両者を引き立たせているのは確か。
この情景を眺めるなら、アフリカ園レストラン(無料休憩所)の横道に設置されている旧園内バスのベンチがお勧め。屋根を付けたトラックの荷台に低いベンチを取付けたようなものだから狭いし、子供を喜ばせるためのものなので大人が利用するのは気がひけるが、どうせここら辺りには誰も来ない。団体だと人数的に無理だし、親子連れだと休憩施設内のテーブル席を選ぶから。そして、なによりも、遠くから動物達を見ようとする人が滅多にいないことがあげられよう。ほとんどの人はサバンナ園の脇の道路から眺めるからだ。動物を間近で見たいのは当たり前で、わざわざ遠くの道を通ろうという奇特な人は少ない。
と言うことで、この旧バス車中で、お茶でも飲みながら、のんびりと全景を眺めるのはどうか。
(実は、小雨に降られたので、ここで塗れそぼれる動物を見ていたのである。キリン君達は厩舎に入りたいとの意思表示。でも、臍曲がりもいることを知った。別に雨中を狙ったのではなく、快晴の日と思いきや、電車を降りたら天候急変。入口で無料で傘をお借りして、サバンナ観察と決め込んだ訳。)

そうそう、このサバンナ運動場の反対側道路を歩いて、柵で囲われた狭い区画に入れられたシマウマやダチョウさんにもご挨拶しておくのも悪くない。こちらの存在を意識しているのは間違いなく、気が向けば見返してくれる。喜んでいるのか、五月蝿いから早くどっか行けという信号なのかは判断ができないが。
そんなことをしていると、それを目ざとく見つけ、興味を示すキリン君も出てくる。運動場中央からのそのそとこの辺りにやってくるのだ。当然なら、それに敬意を表してご挨拶することになるが、そうするとこちらの方に首を伸ばしたりする。なんだかね。

こんなことをしていると、それぞれの動物の格好や性格がだんだんと頭に入ってくる。皆で同居しているから、絵になる美しい情景だが、シマウマ一頭だけだと、そうともいえぬなと感じてくるから不思議だ。シマウマ君には申し訳ないが、コリャかなり不恰好な動物である。
日本人が美形と考える馬の体型とはおよそかけ離れているからだ。頭でっかちで、ずんぐりむっくり。体つきは、ロバを思わせる。スマートさを全く感じさせないのである。

と言うことで、ご挨拶がすんだら、寄り道せずにとっとと返ろう。多摩動物公園のよさを味わうならこの手に限る。デパートに行って、地下から屋上まですべての売り場を眺めたい性格の方は別だが。

おっと、ボーナスイベントのご紹介を忘れていた。折角だから、そのイベントを楽しんだ方がよい。キリンへの餌やりである。眺めている場所辺りから、ロープで餌のバスケットが運ばれ、丁度サバンナ園内のキリンの首の高さに到着するのである。当然ながら、この機というか、この木を逃す訳にはいかないから、全員総集である。やはり、草よりは、木の葉が好みと見え、それを狙う訳である。首が届かないおチビちゃんは参加している気分だけしか味わえないが。もっとも、それはそれ、親がさりげなく、枝を取りそこねて落としているのかも。

ついでといっては何だが、ペリカン君への魚投げ込みイベントも同じ頃に行われるようだから、そちらの見物もどうか。
  モモイロペリカン、コシベニペリカン
    (尚、前者はどう見ても白色である。多分、特別な時期のみ桃色になるのだろう。)
大勢さんいるのだが、食餌のマナーを躾られているらしい。サバンナ園のライオンバス乗り場近くだから、土日祝日は人だらけの筈。歓声の渦が見えるよう。
まあ、このシーンだけ取り上げれば、見世物以上ではないのだが、サバンナ園のメンバーでもあるから、その挙動にはどうしても関心が向く。これらのペリカン君だが、食餌をする決められた居場所(池)にずっといるのかと思いきや、大挙してサバンナ園の反対側の水場にもわざわざやってくるのである。しかも、その手前の赤土が盛り上がった場所で群れていることも。水場の鳥が、赤土の運動場で寛ぐ図というのも、なんだかネ。
この大型鳥が占拠し続けているから、シマウマ君もシロオリックス君もそこら辺りの散歩を控えているご様子。草食獣にとっては餌の取り合いをする相手ではないから、無駄な争いは御免ということかね。体躯の大きな四足動物に対して威嚇の真似事のような態度まで示すようで、ここの運動場の主は我々といわんばかり。それにしても、どうやって、そして何しに、常駐場所の池から、こんなところにやってくるのだろう。暇つぶしの遊びなのだろうか。あるいは、池掃除で追い出され、それならシマウマの場所を頂くかということかも。
なにせ、餌には不自由しないから、自然の鳥とはずいぶんと文化が違う。正規のメンバーではない野鳥が傍らにやってきて餌を食べたところで、なんの反応も示さず、鷹揚そのもの。いつもの魚も食い飽きたから、今日はシマウマでもからかってみるかということかも。

(東京ズーネット ニュース) グレビーシマウマ「ノバータ」の日常 2012/03/02


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