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観光業を考える 2005年12月19日
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品川のビル街探訪…

 南青山と銀座の風土の違いを思わず語ってしまったが、オフィスビルでも同じようなことがいえそうだ。
  → 「表参道のビル探訪 」 (2005年12月12日)

 それがわかるのが、品川のビル群である。

 ここは、2群からなる。

 最初に完成したのが「品川インターシティ」(1)
 そして次にできたのが、「品川グランドコモンズ」(2)

 「品川インターシティ」は3つのオフィスビルが建ち並ぶ、はっきりコンセプトを感じる一群である。いかにも、効率的なビジネスを進めていこうという感じを与えるビル群だった。
 一方「品川グランドコモンズ」は5つのオフィスビルと2つの高層住宅群である。こちらは、どう見てもマチマチ。
 とはいえ壮観である。

 品川も変わった。
 駅の通路も広く、新幹線の乗降も東京駅から品川駅利用に変えた人も多いだろう。ゴタゴタしている東京駅より楽だからである。

 しかし、それだけ。

 「品川インターシティ」が見えなくなり、雑然とビルが並ぶだけの景色になってしまった。
 駅至便な場所で、単に住むだけ、単に働くだけ、という感じである。

 南青山のクリエーティブと銀座の商業一途を比べると、ビジネスビル街でも同じような対比をしたくなる。

 汐留は明らかに、知的生産工場を狙うビル群だった。
 ところが、ここ品川にはそんな息吹は無い。と言うより、あったのだが、消し去る勢力の方が優勢だ、と貶すのは余りにも失礼だろう。

 「品川グランドコモンズ」を訪れればわかるが、そこには驚くような緑の空間がある。「品川インターシティ」との間の“谷間”に、突如、林が出現したのである(3)
 品川駅前に林を作るという発想には恐れ入る。
 しかも、人の流れにそった配置になっており、考え抜かれた設計であることが一目瞭然である。
 ビルそのものより、こちらに力が入っているようだ。

 品川地区を見るなら、ここだけで終わる訳にはいかない。田町よりの方に立っている「アレア品川」(4)は一見に値する。
 ブラック一色の端正なガラスビルで、唯一のアクセントは上層部のロゴ。
 遠くから上の方だけ見ていると、ふ〜ん、なかなか美しいで終わりかねないが、下の方を眺めると目が点になる。行かなければこの感覚は味あえまい。
 真四角なビルから、一部が飛び出している。正真正銘の“アバンギャルド”の世界である。

 企業が考えていることが、伝わってくるような気がする。端正な佇まいのなかに、異端の息吹が同居する風土を是とする訳である。
 そうなら大賛成である。

 日本の企業に必要なのは、知的生産環境であるが、それが寛ぐ林か、異端イメージか、思わず考えさせられるビルデザインである。

 --- 参照 ---
(1) http://www.sicity.co.jp/
(2) http://www.grandcommons.com/outline.html
(3) http://www.grandcommons.com/hspace.html
(4) http://www.area-shinagawa.com/overview/index.html


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