■■■■■ 2013.12.6 ■■■■■

漢語圏生徒の成績を見て

PISAの成績が発表となった。
気になっていたのである。・・・
  → 「そろそろ、生徒の成績発表の時期か」 (2013.11.4)

想像の通り、数学の平均点1位は上海がキープ。日本より上位は、他には、シンガポール、香港、台湾、韓国。前回までの1位は以下の通り。
 2000年 日本
 2003年 香港 (日本は 6位)
 2006年 台湾 (日本は10位)
 2009年 上海 (日本は 9位)

まあ、後述するが、順位はもう無意味なのである。

これも想像通りと言うより、予想をはるかに越したのが、成績分布の方である。以下は前回。最優秀層の割合で26.6% v.s. 6.2%で、その力量差はちょっとやそっとのものではなかろう。今回、それがどういう方向に進むかだ。
---数学リテラシー [2009年PISA]---
【"特にハイレベル"な層の厚さ】
  上海26.6% シンガポール15.6% 香港10.8% 台湾11.3% 日本6.2%
【"特にローレベル"な層の薄さ】
  上海1.4% シンガポール3.0% 香港2.6% 台湾4.2% 日本4.0%

どうなったかといえば、両者ともによくなっただけ。
そうそう、上海のローレベルの層はさらに薄くなり、ついに1%を切った。凄すぎ。

「優秀」の定義を少々拡大すると、上海が飛びぬけていることがさらによくわかる。なんと、55.4%なのである。これに対して、日本も、平均的層が入ってくるのでかなり増えるがそれでも23.6%でしかない。要するに、上海では、優秀で当たり前の社会ができあがっている訳だ。日本は、差し詰め、2割強の生徒が君達は「頭イイネ」と褒められる世界と言えよう。

ということで、今回の生データを引用しておこう。
(左端はレベル1未満で、右端が最優秀のレベル6)
***Percentage of students at each proficiency level in mathematics***
○Shanghai  ─0.8%─2.9%─7.5%─13.1%─20.2%─24.6%─30.8%
○Singapore ─2.2%─6.1%─12.2%─17.5%─22.0%─21.0%─19.0%
○Taipei   ─4.5%─8.3%─13.1%─17.1%─19.7%─19.2%─18.0%
○Hong Kong─2.6%─5.9%─12.0%─19.7%─26.1%─21.4%─12.3%
○Japan   ─3.2%─7.9%─16.9%─24.7%─23.7%─16.0%─7.6%

日本も若干ではあるが、成績は良くなっており喜ばしいこと。ようやく、ゆとり教育の副作用から抜け出たと見てよさそう。しかし、アジアの漢語圏はさらに鍛え抜くべく頑張っている訳である。
教育こと宝と皆が考えているから、この先は創造性でもトップを走ろうと工夫に工夫を重ねている訳だ。なかなかしんどい競争だが、ここで下手っては駄目である。

(PISAテスト「日本の結果」-日本語解説) http://www.oecd.org/pisa/keyfindings/PISA-2012-results-japan-JPN.pdf

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