表紙 目次 | ■■■■■ 2014.8.24 ■■■■■ 蚊撲滅作戦も悪くないのでは たまたま雑誌の見出しを眺めていて、最近掲載されたロイターのvideo記事に気付いた。 「OX513」という遺伝子組換えの不妊蚊を放つことで、蚊が媒介する伝染病を撲滅しようという取組がブラジルで進んでいるとのこと。 理屈はわかり易い。 狙い撃ちにして、オスの棲息数を激減させ、そこに繁殖させた不妊型オスを大量に放つという作業を繰り返すだけ。 しかし、絶滅に追いやるのは、そう簡単なことではなかろう。 とはいえ、他にたいした手はないから、現段階では一番有効であるのは間違いなさそう。 当然、お金もかかるが、問題はそれよりは反対運動だろう。もちろん蚊殺しを嫌うジャイナ教徒の方々とか、生物多様性を気にかける運動という話ではなく、遺伝子組換え手法は危険千万との主張を繰り広げる人達が猛烈に反撥するのではないかということ。 そんなこともあって、気になっていたが、どうやら順調に進んでいるようだ。 少額予算とはいかないが、日本も、試しに先島の小島で始めてみたらどうだろう。 → 「そろそろ蚊対策が必要では」[2014.8.1] グローバル化すれば、いやおうなしにウイルスは広がる。一番厄介なのは、健常者に見えるがウイルスを持っている人が入ってくること。初期は、数的には少ないから、人→蚊→人で発祥ということは滅多に発生することはないが、問題は、人→蚊→動物→蚊→動物という伝染ルートができた時。 ヒトの環境と違って、動物は刺され放題のこともあるから、気付かないうちに家畜や鳥にウイルスが広がってしまう可能性があろう。 そうなれば、そのうち、動物→蚊→人の伝染ルートが出来上がる。怖い話だが、杞憂とはいえまい。 ウエストナイル熱にしても、日本に棲む蚊にも相当な媒介能力があるらしいし。 赤家蚊[普通の蚊] 一筋縞蚊[普通の藪蚊] (フィラリア媒介の元凶) 地下家蚊[地下鉄等で棲息] もしもウイルスが入ってしまうとどうなるかわかったものではない。 リスクを過小評価すべきではなかろう。 問題は、日本脳炎を媒介する、西日本水田地帯に多い小型赤家蚊だけではないのである。 それに、日本の気象が急速に亜熱帯化しつつあるのは誰もが気付いていること。 奄美以南が生息地の熱帯家蚊や、熱帯地域で黄熱,デング熱といった厄介な疾病を伝染させている熱帯縞蚊も、そのうち日本全域に広がってくることになるかも。 そこまで行く前に、蚊の爆発的発生に見舞われるのでは。 そうなると、シナ羽斑蚊あたりも問題になる可能性もでてこよう。噂に近い可能性もあるが、北朝鮮ではこの蚊でマラリア罹患が出ているというし。 今年は蚊が格段に少ないようだが、そんな状態が続いている時が狙い目では。大量発生してからでは遅かりし。 (記事) Genetically modified mosquitoes to combat dengue in Brazil Tuesday, Aug 19, 2014 - 02:21 Reuters|Video Technology PRESS RELEASE: Oxitec do Brasil opens its first mosquito production unit to fight the dengue vector, Aedes aegypti Campinas, 29 July 2014 Oxitec Press Release: Moscamed prepares for next phase in the development of Oxitec’s transgenic mosquitoes in Brazil 9 July 2012 Oxitec Brazil tests GM mosquitoes to fight Dengue Males with offspring-killing genes are replacing wild insects, say researchers. Helen Mendes 11 April 2012 Nature (C) 2014 RandDManagement.com HOME INDEX |