表紙 目次 | ■■■■■ 2015.8.29 ■■■■■ 飲料水の安全性に対する姿勢について 黴臭い水道水対策は進んではいるが、毒性を持つアオコが入ってくる時代になったら対処できるのか大いに気になる。 [→] ただ、そのようなアオコの報告は見かけないから、今のところは、直面しているリスクではない。従って、マイナーな課題ということになるが、酷暑が当たり前になってくると状況が変わる可能性があるのでは、ということ。その時になって、泥縄的に藍藻や黴の毒素対策を始めても対応しきれないのでは。従って、要注意というにすぎない。 この辺りの時間軸的判断能力が求められている、ということ。もっとも、アオコ毒性化は科学的に見て杞憂ということなら、(小生はそれは有りえないと見るが、)それを確かめるだけで十分。 そんなことが心配になるのは、そもそも直面しているリスクに対する姿勢が歪んでいるように映るから。 "重箱の隅つつくの助"的な話が余りに多いからである。 日常的に晒される軽度なリスクと同等かそれ以下なのは明らかなのに、大騒ぎして対策を立てさせて大喜びする動きが盛んだということ。 これは、どう見ても、反科学の潮流を後押ししようという運動。情緒で大騒ぎさせ、科学的判断で重大と考えられるリスクを取り上げさせない動きにほかなるまい。宗教的原理主義というか、カルト的な流れが勃興している可能性もある。 よくあるのは、水道水は危険だから、ミネラルウオーターという主張。 しかし、そこに含まれている成分が水道水の品質基準から逸脱していない保証などない。(検索してみればその状況がわかろう。) この状態だと、「安全」を重視するなら、品質保証部署を抱えていそうな大手企業のミネラルウオーター製品になびくと思いきや、そうはならない。大企業製品ではなく、ローカルな地場製品の水を、理由なく「安全」と見なす主張だらけ。第三者機関の認証を求める運動はついぞみかけたことがないから、まさに、ナンダカネ〜、である。 多分、小規模業者に金銭的負担をかけさせたくないのであろう。安全よりは、反大企業運動を追求できることが、ことのほか嬉しい人達が多いのかも知れぬ。 それに、カルト勢力が強いこともあるかも。どの程度売れているのかは知らぬが、科学的に理解できぬ「効能」を謳った水や、宗教的ご利益満載の呪術水販売は大いに盛んなのだから。水質的にはどうなのかよくわからぬが、そんなことを気にする輩は目の敵にされ、大損するだけだから誰も言わない訳である。 だからこそ、政府機関がそこらを取り仕切る必要があるのが、日本はそのような機関への批判ばかり。要するに、政府のやることは信頼するなとの大合唱。少し考えればわかると思うが、話は逆で、質をあげるためにはどうすべきかこそが課題なのである。ともかくなにがなんでも反権力という勢力がいかに根強いかわかろうというもの。 と言っても、飲料水でそんなことに気をかける人は稀。 たいした問題ではないと考えているからだろう。 しかし、それで大丈夫かお考えになった方がよいのでは。 小生は、日本で生活するなら、ここらは十分注意した方がよいと思うが。 水に含まれている金属成分由来のリスクは決して小さなものではないと見るからだ。 山岳部の伏流水や、洞窟の水は、その辺りの土壌に含まれる金属が溶け出している訳で、ミネラル成分を求めて購入するといっても、重金属リッチの可能性が無いのか確かめる必要があろう。 水道水の場合、水質基準項目として、カドミウム、水銀、セレン、鉛、ヒ素、六価クロムの規定値が定められている。(アンチモンは目標値)小生は、この規定値をクリアしている確証なき水は常飲すべきでないと思うが。 そうそう、これは、水だけの問題ではないのは明らか。日本には、重金属リッチな土壌の地区があることは歴然としているからだ。しかし、その問題に触れようとする人を見かけたことがない。そもそも、一般人には、そんなデータが存在するのかさえわからない状況なのだから。 反科学「安全」運動とは、そういうもの。独裁統治を愛する政治屋が牛耳っている世界かも知れぬ。 放射能を大騒ぎする人が多いが、その割にミネラルウオーター製品については無関心なのも不可思議である。世界には、ウランリッチな岩盤はそこここにある筈だから。(日本の水道水にはウラン含有量の暫定目標値が設定されている。) もっとも、日本人が、放射能に神経質になったのは最近の話。昔から、ラドンの放射線を浴びると健康になるとの喧伝が許されてきたのだから。米国では遠の昔から、ラドンリッチな地域での住居規制があるほどだが、日本は真逆。今でも、ここらの話はタブーかも知れぬ。 この姿勢、どうみても反科学。 「人工的」な放射線は極めて危険だが、「自然」から出てくる放射線はそれとは違い、健康に寄与するという理屈らしいから。宗教カルトと言わざるを得まい。 ただ、日本の水道水は、海のような川から取水している訳ではないので、世界的に見て含有量は低い方だと思う。(ラドンをウリにする地域や、鉱山の残滓を抱える水域を除いての話。)しかし、海外の水はピンキリ。いかにもウランリッチそうな場所での取水もある訳で。 放射能が大いに気がかりなら、先ずは輸入水を調べたらよさそうに思うが。 (C) 2015 RandDManagement.com HOME INDEX |