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    ■■■ 超日本語大研究 2015.9.22 ■■■

   覚えるべき漢字の大幅改定が必要

小学〜中学/高等〜大学と段階を踏んで様々の漢字を知ることになる。その第一歩は教育漢字で。1006字あり、1〜6年で少しづつ覚えることになっている。英語なら基礎単語1006で会話が可能で、それなりに文章も作れるかも知れぬが、漢字1006文字を覚えても同じような威力を発揮できる訳ではない。
この程度の語彙では生活上ではどうにもならぬ。

しかし、漢字を覚えて書けるようにするのは、アルファベットとは訳が違い、えらく大変である。ただ、6年間も努力すると漢字表記の恩恵がどういうものか体が覚えてしまい、完全な日本語体質に陥ることになる。
タブーなのか、誰も指摘しないようだが、この体質が染み付いて逃れられなくなると、英会話習得の高いバリアができてしまう。これは致し方ない。
何故かと言えば、日本語の単語は同音多義であり、文脈から意味を推定することになるのだが、その場合、頭のなかで聞いた「音」を「漢字」に変換することで意味を確定しがち。そのため、英単語の場合も、一個一個を頭のなかで文字にしたりする。この無駄な作業のため、情報処理スピードがガクッと落ちてしまい、スムースな会話にならない。

だが、これこそが、日本語のユニークさの根源でもある。・・・永久をエイキュウと読むか、"とわ"、あるいは、"とこしえ"と読むかは自由自在。まるっきり同じ意味ではなく、そこはかとなきニュアンスがついて回る。これこそが機微と呼ばれる日本語の情緒言葉。[→] 漢語には、情緒的な単語が決定的に欠けているせいでもあるが、文字を表音のカナと表意の漢字に分離した方式を採用したせいでもある。従って、その表現力はとんでもなく豊かな筈である。
今や、いかに難しい文字であっても、入出力電子化で子供でもそれを駆使できる時代に入った。これを利用できることの嬉しさを味わえるような教育が必要なのではあるまいか。
誤解を気にせず語れば、書けない文字が沢山あってもなんらこまらないということ。覚え易くて書きやすいだけの簡体字などゴミ以外のなにものでもなくなりつつある。一目見て意味が把握できいるような文字が一番良い。ゴチャゴチャした画数の覆い繁体字大建迎ということ。
つまり、どうしても手書きにしたい文字は厳選し、見ればわかる文字を大量に教えること。今迄の文字丸暗記だけの教育から早く足をあるうべし。

児童能力からすれば、難しいかろうという文字も、電子化でかえって一番簡単な文字に変身しつつあるものも増えるということ。日本はケータイ絵文字の発信地だそうだが、そんな新文字でなく、使われなくなった漢字の復活を考えてもよいのである。コミュニケーションツールとしての漢字表記は極めて優れているのだから、その力を活かす方法をもっと考えるべきである。
イメージ記憶は極めて深いレベルで残ることが知られており、イメージ類似性の判断作業は創造性を喚起する可能性が極めて高いのだから、早く、その路線に進むべきである。そんなことができるのは、限られた民族しかないのだから。

ご参考に、大陸での漢字学習初等篇たる「千字文」と日本の教育漢字の差違をお示ししよう。
これを見れば、感じるところがあろう。例えば、雨冠を学ぶということで、雨、雪、雲(云)位は書けないと。しかし、千字文に入っていても教育漢字では欠けている、露、霜は読めるようにしたら良いのでは。それなら、ついでに、両者に欠けている、雫や雷、霞も加えたらよかろう。トンデモ雷雨はと書くとの冗談を加えてもさしつかえないのである。

以下の文字は「千字文」記載であり、小学生には学んで欲しい。繰り返すが、すべてを手書きで書ける必要など更々無い。
髮 獣 鷄 岡 茂 淡 甘 薄 荒 微 陶 舍 跡 巧 床 垣 虚 端 沈 尽 既 聴 坐 逐 吹 覆 薄 磨 履 逐 封 振 傾 更 充 捕 獲 恐 詳 彼 御

  「千字文」  周興嗣 (470-521年)
 天地黄 宇宙洪荒 日月盈昃 辰宿列張
 寒來(来)暑往 秋收(収)冬藏(蔵) 閏餘(余)成 調陽
 
騰致 露為霜 金生水 玉出崑岡
 
劍(剣)號(号)闕 珠稱(称)夜光 珍李奈 菜重芥薑
 
淡 鱗潛翔 龍師火帝 鳥官人皇
 
始制文字 乃服衣裳 推位國(国) 有虞陶唐
 弔
罪 周發(発) 坐朝問道 垂平章
 
愛育首 臣伏戎羌 遐邇壹(一)體(体) 率歸(帰)王
 
在樹 白食場 草木 ョ及萬(万)方
 蓋此髮 四大五常 恭惟鞠養 豈敢毀
 
慕貞求@才良 知過必改 得能
 罔短 靡恃己長 信使可覆 欲難量
 悲絲(糸)染 詩讃羔羊 景行維賢 克念作聖
 コ建名立 形表正 空谷傳(伝)聲(声) 堂習聽(聴)
 禍
因惡(悪)積 福慶 非寶(宝) 寸陰是
 
資父事君 嚴(厳)敬 孝當(当)力 忠則盡(尽)
 
臨深履薄 夙興温 蘭斯馨 如
 
川流不息 淵澄取映 容止若思 言辭(辞)安定
 篤
初誠美  榮業所基 籍甚
 
學(学)優登仕 攝(摂)職從(従)政 存以甘棠 
 
樂(楽)賤 禮(礼)別尊卑 上和下睦 夫唱婦
 
外受傅(-)訓 入儀 姑伯叔 猶子比兒(児)
 孔懷
兄弟 同氣(気)連枝 交友分 切磨箴
 
慈隱(隠)惻 造次弗離 節義退 顛沛匪虧
 
性靜(静)情逸 心動神疲 守真志滿(満) 物意移
 堅操 好縻 邑華夏 東西二京
 
洛 浮渭據 殿盤鬱 樓觀(観)飛
 
圖(図)寫(写)禽獸(獣) 畫(画)綵仙靈 丙舍傍啓 甲帳對(対)
 肆筵
設席 鼓瑟吹笙 升階納陛 弁轉(転)疑星
 
右通廣(広)内 左達承明 既典 亦聚羣
 
杜稾鍾隸 漆經(経) 將(将)相 路侠槐卿
 
縣 千兵 冠陪輦 驅轂振纓
 
祿(禄)侈富 車肥輕(軽) 策功實(実) 勒碑刻銘
 
溪伊尹 佐阿衡 奄宅曲阜 微旦孰營(営)
 桓合 濟(済)弱扶傾 綺迴惠 説感武丁
 俊乂勿 多士寔寧 晉楚更(更)霸 趙魏困(横)
 假途滅 踐土會(会)盟 約法 韓弊煩刑
 
翦頗牧 用軍最精 威沙漠 馳譽丹
 
九州禹跡 百郡秦并(-) 嶽恆岱 禪(禅)云(-)亭
 雁
紫塞 鷄()田赤城 昆石 
 曠
遠緜(綿) 巖(岩)岫杳冥 治本農 務茲稼穡
 俶載
畝 我藝(芸)黍稷 税熟新 勸(勧)黜陟
 孟軻敦素 
史魚 庶幾庸 勞(労)謙謹敕
 聆
音察理 鑑貌辨(-)色 貽厥嘉猷 其祗
 
躬譏誡 寵(増) 殆辱恥 
 
兩(両)機 解組誰逼 索處(処) 沈默寂寥
 
求古論 散慮逍遙 欣累遣 
 渠荷的 莽抽條 枇杷翠 梧桐
 陳
根委翳 落葉 獨(独)運 凌摩絳霄
 耽
讀(読)市 箱 攸畏 屬(属)耳垣墻
 
膳餐()飯 適口 飽飫烹宰 飢厭糟糠
 
故舊(旧) 老少異糧 妾御紡 侍巾帷房
 扇圓潔 銀煌 晝(昼)寐 藍笋
 絃
歌酒讌 盃舉觴 矯 ス豫(預)
 嫡
嗣續 祀烝嘗 稽再拜(拝) 悚懼恐惶
 牋牒
簡要 審詳 骸垢想浴 執熱願涼
 驢騾犢
特 駭躍超驤 誅斬賊盜 捕獲叛
 
布射丸 琴阮嘯 恬紙 鈞巧
 釋紛
俗 皆佳妙 施淑姿 工顰妍
 
年矢毎催 曦暉朗耀 懸斡 晦魄環
 
 永綏吉劭 矩歩引領 俯仰廊廟
 
束帶(帯)矜莊(荘) 徘徊瞻眺 孤陋寡聞 愚蒙
 謂
語助者 焉哉乎也

上記(赤文字)に入っていない教育漢字:
円 花 貝 休 犬 校 三 山 七 十 小 森 先 村 竹 虫 町 六 科 回 絵 角 活 間 顔 汽 記 弓 牛 強 教 計 元 原 午 考 黒 今 細 算 姉 寺 室 社 週 春 数 晴 雪 船 線 前 走 太 台 茶 店 点 電 刀 頭 肉 馬 売 買 麦 半 番 風 米 北 妹 明 曜 里 話 暗 医 員 院 飲 泳 駅 央 屋 界 開 館 岸 期 客 究 急 級 球 橋 局 区 苦 係 血 決 研 県 庫 湖 向 港 皿 死 歯 式 拾 住 昭 消 商 勝 乗 申 進 整 昔 全 送 速 族 他 打 待 代 第 題 炭 着 注 柱 追 笛 鉄 度 豆 島 童 波 配 倍 畑 反 坂 板 皮 鼻 氷 秒 病 品 負 部 返 放 味 薬 由 油 予 洋 様 旅 緑 練 案 囲 胃 印 栄 塩 億 加 貨 課 芽 械 害 街 各 覚 完 官 径 型 欠 健 験 固 候 航 告 差 材 昨 札 刷 殺 参 産 残 氏 司 試 失 借 種 祝 順 焼 清 折 浅 戦 選 然 争 倉 巣 側 続 卒 孫 隊 単 置 仲 貯 兆 低 底 停 徒 努 灯 働 毒 敗 梅 博 費 票 標 付 副 粉 辺 変 便 包 望 末 未 脈 勇 陸 料 輪 類 冷 例 歴 録 圧 衛 液 演 応 桜 恩 仮 価 賀 快 格 確 額 刊 幹 慣 眼 寄 技 逆 久 許 境 均 禁 句 群 件 券 険 検 限 現 減 個 護 効 厚 耕 鉱 構 講 混 査 災 妻 採 際 財 雑 酸 賛 支 飼 示 識 質 舎 授 述 術 準 序 証 条 状 織 勢 製 責 舌 絶 銭 祖 総 像 測 損 貸 態 団 断 築 提 程 敵 統 銅 導 徳 燃 破 犯 判 版 備 俵 評 貧 復 複 仏 編 保 墓 報 豊 防 貿 暴 夢 迷 輸 略 留 遺 域 延 沿 灰 拡 革 閣 割 株 干 巻 看 危 机 揮 吸 供 胸 郷 勤 筋 系 警 劇 激 穴 絹 権 憲 源 呼 誤 后 紅 降 鋼 穀 骨 砂 座 裁 冊 蚕 至 私 視 詞 誌 磁 捨 就 衆 縦 縮 純 署 除 障 蒸 針 専 泉 洗 窓 創 装 層 臓 担 探 誕 段 暖 値 著 庁 頂 潮 賃 痛 展 討 党 糖 届 乳 認 脳 派 肺 俳 班 否 批 秘 腹 奮 閉 片 補 暮 訪 棒 枚 幕 模 訳 郵 幼 翌 乱 卵 覧 裏


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