■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[10d釋丘]■■■
<畢 堂牆>は何故に釋宮でなく、釋丘の岸に関係する箇所で記述する必要があるのか、浅学の身には理解を越えるところ。畢は<二十八宿>西方でもあることだし、寝所と関係していそうな文字というイメージも被るから。📖

その"牆"だが、珍しくもない文字であるとはいえ、その偏がわかっているようなわかっていないような状況であるため、どうも今一歩しっくりこない。
と云うのは、部首ではないから。
それは「說文解字」の論理では当然の展開。・・・文字引き用の辞書ではないから、合字がいくらあったところで、爿だけでの用例が見つからないのなら。(これは540部首にするためのカットとは関係ない。)

どうも、そこらの方針をどう評価するかで、見方が大きく分かれているようだ。
≪爿≫非収録  ⇔≪片≫:判木[半木]…爿左側-片右側(合併すると逆配置)
   (1)…寝台型長椅子"𤕪" (𤕷:坐板 𤕿:マット用床板 𤖇:供物台)
   (2)…黄土での版築用両側で固めるための両側の当て木
     (牅:城の土塁)
     (𤖙:ペースト状発酵食品[醤])
   (3)…十二支#4"𤕰"[=卯]
   (4)…量詞(a chopped-part@江蘇←half of tree trunk)
 壯:大[士]
 牂:牡羊[羊] ( @釋畜)
 𧢼:角長皃[角]
 牆:垣蔽[嗇]
 牄:鳥獸來食聲[倉]
 牀:安身之坐者[木]
 戕:搶 他國臣來弑君曰戕[戈]
 斨:方銎斧[斤]
 𢪇:扶[手]
 狀:犬形[犬]
(後世の官僚は、狀を状に替えたりしたものの、小篆における原義上、爿偏を残さざるを得ないと判断したようだ。但し、ここらも様々な見方があるようだ。日本では「康熙字典」への絶大なる信頼性を示すことが辞書作りの大原則となっているのは間違いないから、そこらには十分注意した方がよいと思う。)

しかしながら、部首文字裁定基準はよくわからない。例えば、"佐"は「爾雅」にも登場しないが、用例が無い訳ではない。540に絞るには要カットということで選ばれた文字があるということと見たが。
≪佐≫非収録
   ⇒左
 𪘓:齒差跌皃[齒]

"佐"はそれで一応の説明ということで済ますことになるが、"蠆"は厄介である。論理的には部首文字として掲載せざるを得ない筈だからだ。・・・
≪蠆≫非収録 䖯:蠆[虫+圭]
   …山蠆/水蠆[やご(ヤンマ幼虫)]
  彼都人士 垂帶而氏@彼君子女 卷髮如蠆 我不見兮 言從之邁
     [「詩經」小雅 魚藻之什 都人士]
 𡿋:巍高[山]
  邁:遠行[辵+蠆省]
  癘:惡疾[疒+蠆省]
  噧:高气多言[口+蠆省]聲
  
     

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