■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[11e釋山]■■■
<詳しい記載の釈丘⇒取りあえず記載的な釋山>いう篇建ては面白い。
「古事記」には丘は使われず岡なので、どうして丘を重視するのかよくわからないせいもあるが。

この辺りの文化的障壁は結構強靭なようで、理解がなかなか進まない要因でもある。
日本での山のイメージは、どうしても、富士山的孤高の姿🏔か、緑の里山的な額縁画🖼的なモノになってしまう。これは大陸の感覚とは全く異なっているが、それを認識したくはないということでもあろう。

「爾雅」の記載状況を鑑みると、丘には祖霊の魄が棲む盛り土世界イメージがありそうなので、物理的なhill v.s. mountainとは違っていて、相当に離れている概念と見てよさそう。そうでなければ、<岳>(嶽)/岴(嶇)/𡶓…疊疊的山嶺 or 山神など生まれまい。

山は字体的には∧∧∧であるから、「山海經」の山系的概念が元だと思われるが、日本列島の山脈イメージとは違うと思う。天に高く聳える岩石、つまり、その超巨大構造物の崩壊後の残存物という考え方がありそうだから。つまり、山は険しい地であることが当たり前。倭の神奈備の地の様な鬱蒼とした、隠れ棲んでいる地というよりは、物理的に人が行けそうにもない地と見た方がよさげ。

折角だから、想像を巡らして書いてみようか。・・・

以下の、比較的似ている記載部分も、土が積みあがって行く丘と
📖、岩石が崩壊して行き生じた山という特徴を踏まえている可能性が高く、全く逆の展開を記述していると考えた方が理解し易そう。
【丘】
 一成爲敦丘
  再成爲陶丘
   再成鋭上爲融丘
    三成爲崑崙丘@釋丘
【山】
 三襲 陟    …3重連"陟"[登]
  再成 英   …複"英"[艸榮而不實者]
   一成 坯@釋山…乗単丘"坯"[n.a.] ⇒ 坏[丘再成者]

坏が用いられているところから見て、超岩石山の崩壊は土(⬯+_)moundに帰すということかも。
   <坏>[土+不/壞]spoiled
   <坯>[土+丕]unburnt pottery/bricks
   <_>soil to fill a crack or changed to a low hill/wall
  
     

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