■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[民]■■■ この箇所の字体系譜は、単なる純部品の繋がりでしかないものの、部族社会的観念が止揚され、国家の概念として<規定言葉⇔制定文字>が創成されたことを表現しているように見える。 換言すれば、政治思想濃厚な文字ということ。従って、その現代解釈も、又、イデオロギーで大きく左右されることにならざるを得まい。 #445【民】㊎ [𠄌+コ+𫠠] folk 金文はどう見てもEyeの眼球に†形の針状物を刺そうとする形状。しかし小篆はその形を彷彿させるとは言い難いものの、古文之象としているだけで、その由来を"眾萌"から想定するのは無理である。従って、字源不詳とするのが自然。 「古事記」的には、"民"(衆)≒青草としたいところだが、そこに目が関係してくるとは思えない。(但し、甲骨には草に対応する形状の文字もあるらしいが、比定妥当性で意見が割れているらしい。) ただ白川論では、眼を針で突き刺す様子と言い切っており、それはそれで一理あるものの、説得力は今一歩。目を潰された奴隷の存在を示す証拠や、その手の刑罰規定を示す文書が欠落している上に、視力喪失させた奴隷を抱える目的が自明とは言い難いからだ。と言うか、「奴隷制」イデオローグの主張(民とは、盲目化させられた存在と表現した文字との主張)も同類なので、信用度が低いと言った方がよいかも。 しかしながら、素人からすれば、目を潰したことを意味する甲骨文字は存在して当然ということになろう。・・・神に捧げる生贄祭祀の為に膨大な数の捕囚を抱えていたのであるから、逃亡防止と反抗阻止の手立ては不可欠なのは当たり前だから。こうした祭祀次第が撤廃されれば、表現も自ずと変わっていくだけのこと。 「說文解字」で目を引くのは、その点ではなく、文字創成の基本原則を示唆していそうな文字系譜が示されていること。 突然、文字表記に用いる部品類が、部首"民"の繋がりとして登場してくること。このことは、甲骨や金文的な絵画的イメージの部品を廃して、純粋な線描部品で文字を形成するとの原則がこの文字の創成から始まったことを指摘しているとも読めるからだ。 #446【丿】:右戾[象左引之形] 📖爻 乀:左戾[反丿 讀與弗同] #447【𠂆】:抴 明[象抴引之形 虒字此] #448【乁】:流[反𠂆]…cliff ≒及[㇋+丿+乀] or [人+又]reach こうした部品だけからなる文字の代表として"氏"があげられていることになろう。・・・ #449【氏】🅱 氏崩 聞數百里 [丿+𠄌+𫠠][象形 乁] clan…親族的形成集団 ・・・とはいうものの、字体の由来については様々な見方があるが。 📖氏 #450【氐】㊎ [氏+一][氏下箸一 一…地] ethnic group "cliff"の如き、親族の聖地として鎮護地が設定されると、部族観念が形成されるようになり、その権力の根源として、レガリアが創成されるという流れということか。 #451【戈】🅱㊎ [弋+丿][弋 一之 象形] dagger-axe"ほこ"…両刃の穂先と長い柄から成る武器 #452【戉】🅱㊎ [𠄌+戈] battle-axe"まさかり"…大斧形の武器 「說文解字」はここらが見える様に字体系譜が作られていることになろう。 (C) 2026 RandDManagement.com →HOME |