■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[愛]■■■ ≪心≫[#408]🅱㊎ 愛は心が目立つから、3つのコンポーネンツ⿳{爪+冖}心夊で形成されている様に見える。しかし、現代中国の簡体字(爱)では、心が省略されていることでもわかる様に、中核部分は最下部の、「說文解字」の部首たる夊の可能性がある。こうなると、⿱という合字タイプということになる。 現代の漢字暗記用の創作成り立ちなら、心と受/爱からなる文字とするのも手だろうが、"構"とは違うから、心を文字内に挿入していると安易に判断するのは考えもの。 と言っても、「字統」は心との合字としており、その手の見方も通用しているようだ。 わざわざ白川甲骨論に触れるのは、甲骨文字には<心>が存在していなかった可能性が高いから。それは当たり前のこと。東アジアでは心臓摘出の慣習も無いし、气との関連性が無いから霊的扱いをして来たことも無いからだ。しかも、呪的祭祀では、心臓は無視され、ただただ血液を重視していたことが判明している。 歴史年代で文字創成時期を想定すればこんな具合。・・・ (ご注意)甲骨→金文→小篆の連続性を当然と考えるべきではない。創成官僚の地位も役割も全く異なる上に、文字の使い道が異なるから。特に甲骨は、コミュニケーションが~と呪術者間の可能性があり、白川論の様な独断的見方がなされて当然。「說文解字」は朝廷公式文書を記す小篆を創成した官僚達の文字体系思想を推定したものであり、両者の字義が一致するとは限らない。 🅱甲骨@殷… (稀) ㊎金文@西周… 心 ㊎金文@春秋戦国…㤅 左向開口姿+心 𬅟 右向開口姿+心 🆂小篆@秦… 愛 (≒㤅+夊) (≠旡+𢖻) (≠爱/𡕠+心) 楷書… 旡心夊⇒爫+冖心夊 「說文解字」の愛の語義は現代人にとっては何が何やら感を覚えるが、文字創成を考えると妥当性が高い。ここらは辞書を読んでも多分わからない。 どう見ても、倭語〜和語に、西洋的な愛という概念は存在していないし、現代日本人の愛とは開国以後の渡来概念でしかないから、検討すればするほど訳がわからなくなってしまうことになろう。・・・ 【語義@倭語〜日本語】 "於心思愛而寢" "「愛兄」"@「古事記」 ①いとしい後顧[元義] ②おもふ思慕[引伸]⇒したしむ(愛情/戀) ③めでる愛好 ④おしむ憐惜≒哀 ⑤ほのか(ぼんやり)僾 ⑥いつくしむ仁@家父長制[反博愛/類愛護][原義] 恕:仁 【語義@外来漢語】 ⑦アイ渡来ママ漢語"愛無過子"(母性愛)@「萬葉集」 ⑧アイ漢訳佛語"愛"@「今昔物語集」 【語義@印度亜大陸古代語】 ⑨カーマkama愛欲 etc.多種(解脱の障害) ⑩マイトリーmitra友愛 ⑪カルナーkaruna慈悲 【語義@欧州渡来概念翻訳創出語(避仏教語)】 ⑫アガペーAgape(慈悲)大切神の祝福@共同体 ⑬エロースEros性愛 ⑭アムールAmor求愛 ⑮リーベleubh→Liebe親愛 (C) 2026 RandDManagement.com →HOME |