■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[幵@系譜]■■■
巻十四冒頭"幵"は、前巻≪土≫からの巻頭文字≪金≫から始まるブロックの最初の文字。部首所属合字は収録されていないが、≪金≫には合字"銒"があるから、系譜スキームがすぐ見える仕掛け。†

ただ、部首文字が単独なので、部首の定義には矛盾しているが、他部首所属文字が存在するからかまわないのだろう。
マ、系譜スキームも収録文字以外を想定するしかない箇所だらけだから、気にする必要なしではあるものの。
≪干≫[#47]
 ↓[重畳]
≪幵/开≫[#491]
 │[他部首合字]
 │趼詽䀘𦐧鳽鳽刑笄枅𢆞郉形研豣䵵麉𤜵䶬汧𢏗姸開銒
 └≪从≫[#290]幷:相從

こんなことが気にかかるのは、この最終巻は数詞系ブロックが並ぶからでもある。部首文字単独が多く、それが目立ち過ぎ。(数詞系は、小篆創成官僚の立場からすれば、思想性濃厚な<一二三八十>を除けば、イメージではなく単なる数として定義したかった筈。そうなれば俗的合字化は自由使用として当然では。もちろん公定化文字が必要な場合も結構あるものの。自動的に、それは他部首所属文字に。)
 ①三
 ②凵
 ⑤𠙴
 ⑥才乇𠌶
 ⑦克彔耑
 ⑨丏冄𤉡易
 ⑩萈能
 ⑪𡿨燕
 ⑬率它
 ⑭幵 四五六七 甲丙丁庚癸 寅卯未戌亥

例えば、移入概念と思われる五行に関係する、渡来12進法の十二支との合字は早くから設定されていた可能性があろう。(≪土≫所属文字は地坤垓で始まるし。)
≪土≫坤垓圯
≪水≫沬汻演汓
≪火≫𤇳
≪金≫鈕
≪木≫桺(酉との合字)
≪ - ≫(辰卯の合字)
但し、十干は生命体の一生暦的な出自なので、それに見合っているかは別として、草木との合字が収録されている。どうして、すべてカバーしないのか不可思議。
[十干] 甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
≪木≫柙札柄朾 杞 𣓀 楑
≪艸≫   艼茂芑   葵
≪水≫   汀    ��湀  �房川在一下 一…地 壬省]
≪火≫  炳
≪金≫   釘
≪土≫     圮

†系譜スキームを考慮すれば、<幵〜戈>は<金>系(銒 釣 釠 鉏 釿 鈄 𨥨/𰦑 鈛)。
しかし、これより後の文字は系譜的につながっているものの、関連性が薄い。ほとんど用例が見当たらない<鈛→𫏳→𨋱>を想定することになりかねず、この巻は一体ナンナンダということになりかねない。
📖車𨸏厽 📖𠂤𨸏𨺅

そうなるとこの巻の主幹文字は、部首文字ではないものの、≪車≫"軍"が似つかわしいのでは。<金>はそういう観点での金属器関連軍事用語類発祥で、㠯系は土嚢的造成丘に映るが、戦争の観点で生まれた概念の可能性もありそう、と言うことで。


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