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オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2009.11.4 |
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西洋茸料理…トリフには 流石に薀蓄 傾けず フレンチ好みでも、トリフの良し悪しについては余り語ってくれない。評価が難しいのだろうか。 ↑ (C) 素材ギャラリー i-caffe 茸飯の話をしたら、洋風茸料理も考えねばなるまい。 → 「茸の炊き込みご飯 」 (2009年10月27日) 一年中様々な茸を食べるから、日本人こそが一番茸好きと思っている人が多そうだが、フランス人も茸大好き体質。ただ、天然ものが多そうで、旬以外は意外と消費していないかも。 米国でもキノコは沢山食べられているが、“マッシュルーム”と呼ばれる種類一辺倒なのでは。中国は袋茸ばかり好む感じがする。ただ、中国の場合、日本の茸栽培技術が入ったから、そのうち世界一の生産消費国になるかも。 → 「知られざるシイタケ栽培技術発祥元 」 (2003年7月6日) と言うより、すでにそうかも。誰でもが作れる状態だから、まともな統計がとれそうにないし。 とりあえず、洋モノにどんな種類があるか見ておこうか。(尚、和名の漢字は小生が勝手に想像したもので、調べた訳ではないから、ご注意されたし。) 【Mushroom マッシュルーム / Champignon de Paris (作り茸)】 マッシュルームとはキノコ全般を意味する単語だが、ここではそのうちのひとつの種類を指す。和名が、「作り茸」というのは言いえて妙。そんな言い方をする人はいないと思うが。和名があるのだから、日本でも取れるということかな。 生がサラダに入っていることも多いが、拙宅では加熱調理のみ。工場生産だから清浄だが、茸には生理活性物質が色々含まれているので、大量で生を食べる気にならないのである。米国では大量に食べているから、非合理的な感覚だが。 牛窓にある国内最大の生産工場の出荷実績は、1,200t(1)。おそらく、この規模では、米国ではビジネスは難しかろう。色々のキノコが多すぎ、わざわざそんなキノコでもなかろうということなのだろうか。パターで炒めるだけでも美味しいから、もう少し消費されてもよさそうに思うが。 一方、米国では、このキノコばかり。外食でもふんだんに使っているし、様々な料理に使えるから、(2)他の茸に関心が払われないのだろう。 アングロサクソン系のこだわりなのか、このキノコばかり追求するせいか、よくわらぬが、結構、種類を選ぶようだ。小丸型(幼少)、丸々型(傘閉め)、典型キノコ型(傘開き)、平型(全開)と、育ち状況で選んだりしている。まあ、子牛、若牛、成牛、老牛という違いのようなものかな。特別な超特大もあるが、それは変種かも。もちろん、色の選択も。ホワイト、クリーム、ブラウン。基本は白かな。 【Cepe セーブ (山採り茸)】 わざと聞きなれない茸の名称にしてみた。時々、フレンチレストランでセーブという名称がメニューに登場するが覚えている人は稀だろう。要するに、イタリアのPorcini(ポルチーニ)のこと。こちらの名称はよく知られているのでは。 ポルチーニ乾燥品は定番化しつつあるが、出汁がなんともいえず美味しいから、当然だろう。西洋の、干椎茸といったところか。 椎茸の天然採れたては、味が全く違うから、セーブも同じことが言えそうだが、日本では、残念ながら簡単には手に入らないようだ。 【Truffe トリフ (西洋松露)】 ずいぶん昔の話だが、とある有名なレストランで、白トリフのスパゲッティを食べたことがある。まだそのお店の名前が知られていなかった頃のこと。グラスワインも特に高価でもないし、滅多に使われないトリフ入りなのに料理も高価ではなかったかのでよく覚えている。 もちろん美味しかった。今、そんなことをすれば大散財。そこまでする気にはならない。 黒トリフにしても、珍しいものではないが、その扱いは金箔的で、入っているというだけにすぎないが、人気があるようだ。 仏人気質からすれば、嬉しい香りのようで、薀蓄を傾けたくなる食材なのだろうが、(3)食材の味を楽しむ体質からすれば、価値あるものとも思えないが。 極く少量でもよいから、今年の松茸の香りを是非に嗅ぎたいという人は憤慨するかも知れぬが。 【Girolle ジロール / Chanterelle シャンテレル (杏茸)】 油漬にしたりするほど、フランスでは好かれているようだ。日本でも結構ある筈だが、都会のスーパーではお目にかかれない。フランスなら、この香りがたまらぬとなるようだ。ジビエにでも合わせるということか。 日本では、逆にそれが料理に合わない原因だろう。 類似キノコが色々あるようだ。要するにトランペット茸族ということ。(4) 【Portabella(ta→toも) ポータベロ (残念ながら不明)】 マッシュルームなのだろうが、形が巨大“どんこ”。日本人感覚なら、キノコステーキ用となろう。なんとなく、米国西海岸の高所得層相手に作ったキノコ臭さがただようが、調べていないのでよくわからない。ベジタリアンが関心を持ちそう。(5)カリフォルニア・キノコスシもありかな。フレッシュ輸入品を見かけたりするが、どうも手がでない。 【Moreles モレル/モリーユ (編笠茸)】 野生的というか、なんとなく毒キノコにありがちな風体なので、どうしても食べるのを躊躇してしまう。輸入乾燥品が売られているので、そのうち試そうと思いつつそのまま。 ただ、野趣好きな人にはたまらぬ茸のようだ。(6) 【Pied de Mouton ピエ・ド・ムトン (鹿の舌)】 「ムートンの足」とくれば、日本のレストランが話題作りに使うのは間違いなかろう。 写真を見ると、見かけはキノコキノコしているし。ただ、小生は、「カノシタ」という名前は初耳。“分布は広く世界的で、各地で食用にされている”(7)そうだが。マニアなら誰でも知っている類のキノコかも。しかし、一度も見かけたことがないから、日本では、食用にできる程度の評価では。そういった類の食材は、特定の地元や、キノコ愛好者の垂涎ものだったりすることがあるが、どうなのかよくわからぬ。多分、オムレツにでも入れると、それなりに美味しいのだろうが。 【Saffron Milk-cap (乳茸)】 Milk-capの名称は全く知らなかったが、そこそこ食べられているようだ。一方、「チチタケ」の方は、高分子科学を学んだ人のなかにはご存知の方がいるかも。傷をつけると出てくる液体がイソプレン。米国本土向けに日本から風船爆弾を飛ばした時代に、軍用ゴムに使ったとか。どこまで本当かは呑み屋話だからわからない。 那須辺りで、食べた覚えがあるが、なんの印象も残っていない。ローカルより、遠くからわざわざやって来るキノコ好きが喜ぶもののようだ。(8) 【ピンクとか紫色のキノコ】 ここに至ると、なんだかネ。偏見もあり、調べる気がしない。 もっとも、ピンクのキノコをスーパーで見かけることがあるから、日本でもその手のキノコを流行させようと頑張っている企業家がいるのは間違いない。 さて、料理だが、先ずはマッシュルーム。 そうなると、スープだろうか。良く知られているのは、濃縮缶詰の“Camprell's Cream of Mushroom Soup(R)”だ。もちろん自作もできるが、手はかかる。(9) ただ、これだけだと、キノコらしさが薄い感じがしないでもない。さっぱり感のある簡単朝食メニューにしてみたらどうだろう。 ■■マッシュルームのコンソメスープとオムレツの朝食■■ (1) スープを作る。 ・薄切り玉葱をオリーブオイルで炒める。 ・薄切りマッシュルームを加えてさらに炒める。 ・水を加え、コンソメスープの素を加えて軽く煮る。 ・塩・胡椒で味を調整する。 (2) オムレツを作る。 ・薄切りマッシュルームをパターで炒める。 ・牛乳と粉パルメザンチーズを少々加えた割り卵を入れ軽く混ぜる。 ・固まってきたら両端を折り入れ、裏返しして表面が焼けたら皿にとる。 ・クレソンも盛る。 (3) トーストをつける。 ついでに、出汁が出る乾燥ポルチーニの料理も作ってみたら如何かな。こちらは、お昼に向いているのでは。キノコの味に集中するためにブイヨンの旨みを入れないのだが、人によっては、もの足りない味に感じるかも。そうなりそうと思う人は、鶏モモ肉を加えたらよい。キノコは添え物になってしまうが。 ■■ポルチーニソースかけライス■■ (1-a) バターライスらしきものを作る。 ・弱火でバターを完全に溶かす。 ・無洗米をそのまま入れる。 ・軽く炒める。 ・炊飯器に入れ、分量の水を加える。 ・上質の塩一つまみとベイ・リーフを入れ、「早炊」で炊く。 (ブイヨンは入れない。) (1-b) サフランライスらしきものを作る。 ・サフランを入れてお米を炊く。 (ブイヨンは入れない。) (2) 炒めポルチーニを作る。 ・乾燥ポルチーニを水で戻す。 ・柔らかくなったら、バターで炒める。 ・塩・胡椒で味を調整する。 (3) ソースを作る。 ・玉葱薄切りをバターで炒める。 (大蒜は使わない。) ・玉葱が軟くなってきたら小麦粉を振る。 (色が変わらないように注意する。) ・ポルチーニの戻し水を加え煮立たせる。 ・煮立ったら、生クリームを適当量加える。 (牛乳でもよい。) (好みで卵黄を加える。) ・塩・胡椒で味を調整する。 ・炒めたポルチーニを入れ軽く混ぜる。 (4) 深皿に盛る。 ・ライスにソースをかける。(雑炊的なものになる。) これ以外のキノコは試す必要はなかろう。 --- 参照 --- (1) (有)三蔵農林 http://mitukura-nourin.com/ (2) “Common Store Mushroom” Louise Freedman and the Mycological Society of San Francisco http://www.mssf.org/cookbook/button.html (3) “de la truffe” http://www.truffe-passion.fr/ (4) “Cantharellacees et craterellacees : chanterelles et trompettes des morts” http://mycorance.free.fr/valchamp/cantharellacees.htm (5) “RECIPE: Portabella Mushroom” GardenWeb http://ths.gardenweb.com/forums/load/vegex/msg1118420811911.html (6) T. Susan Chang: “Morel Satisfaction: Stalking the Wild Mushroom” NPR [May 24, 2006] http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=5423153 (7) 「野生きのこの世界 カノシタ」 農林水産技術情報協会 http://www.afftis.or.jp/kinoko/0207/08.htm (8) “チチタケとなすのみそ炒め”「川の流れ、人のつながり 鮫川流域の食と暮らし再発見」 http://www.pref.fukushima.jp/norin-iwaki/kawano/tabito_s/chitake/chitake.htm (9) [一目でわかる表と写真が秀逸なレシピ] Michael Chu: “Cream of Mushroom Soup” http://www.cookingforengineers.com/recipe/194/Cream-of-Mushroom-Soup (参考サイト) 花笠薫: 「きのこ図鑑」 http://www.a8k.jp/hanagasa/kinoko/ “Mushrooms guide” http://www.dikorosi.lv/en/336 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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