トップ頁へ>>> | オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2013.6.1 | 「料理講座」の目次へ>>> |
| 「わが家のみそ汁」の意味するもの…最新号の「暮しの手帖」 [第4世紀64号 2013年4-5月号/5月25日]の冒頭に、「わが家のみそ汁」と題して4名の方々のレシピが掲載されていた。母親が読者だったので馴染みはあるのだが、手に取ろうという気にはなりにくい雑誌である。電車の時刻まで時間があったのでお茶を飲んでいたら、傍らに読書用雑誌があり、このタイトルが目に付き読んでみただけ。 だいぶ昔に、味噌汁の話を書いたことを思い出させてもらった。 →お味噌汁作りの学び方(20080611)、お味噌汁の具の選定方法(20080618)、味噌汁哲学批判(20080910) まあ、それだけのことだが、家に戻って大いに気になったので、どんな方々なのか調べてみた。この分野はほとんど無知だからである。と言うのは、だいぶ前のことだが、図書館にとある料理を調べにいって途方に暮れた覚えがあるから。 実は、パンを加えたおかず料理を知りたかったのだが、パンはお菓子と一緒くたの分類。それでも、パンの本はずいぶんと賑わっているのだが、パン利用料理が掲載されていそうな本を見分けるのはほとんど無理。フレンチトーストさえ掲載されていない本が主流なのである。 と言って、料理本の方は各種料理のごった混ぜ状態で探すどころでない。分類は、著者名のアイウエオ順で、小生が耳にしたことのない方だらけ。コリャ、場違いなところに来てしまったとすぐに気付かされる訳である。料理本は本屋でみつけるしかないと悟った一瞬。 という、どうでもよい話はさておき、料理家の方々だが、以下のような特徴とお見受けした。暮らしの手帳をお読みになるような方でなくても、この程度は常識かも知れぬが、オジサンにはえらく敷居が高い。 (W) ウー・ウェン 日本で北京料理を紹介している有名人 なにが伝統技の肝なのかわかり易く解説 (S) 瀬尾幸子 ムダや飾りを省いた大衆食やおつまみレシピが大人気 シンプルで失敗がなく、簡単そう (K) 河合真理 料理研究家の阿部なをさんの孫かつ助手として著名 丁寧で、心がこもった手作りへのこだわり (U) 内田悟 築地御厨「やさい塾」で評判 旬の野菜を使った料理 どの方のレシピに感じ入ったかといえば、そりゃ、Wに決まっている。日本料理において、みそ汁はご飯とおかずを引き立たせるためにあると、北京料理の達人に指摘されないとわからないまでに、日本人の料理感覚は変わってしまったのである。 北京の味で育っていても、ジャガイモだけの具で、美味しい出汁なら、薬味の葱を散らせば、絶品の味噌汁になることをご存知なのは流石。具のごった煮や、味噌が強くて出汁の旨みを味わえないものは、味噌汁ではなく小鍋のお数の一種。 それを100%理解していそうなレシピがS。そう、Wの正反対。 沖縄で魚料理を頼んでから、それにみそ汁ご飯をつけてネなどと注文したことがあれば、おかず味噌汁の典型とはどんなものかすぐにわかる筈。大衆料理の粋といってよいだろう。なにせ、一人ではとても食べきれないような量の、豚肉、島豆腐、かまぼこ、卵、海藻、野菜がぎっしりと丼に入っているのだ。出汁は鰹節と昆布の濃い旨みを感じさせ、塩味も濃厚。 みそ汁は丼で出されるが、ご飯は皿に盛り付けていたり、文化の違いを感じさせる点はあれど、まごうかたなき「みそ汁」文化といえよう。 ちなみに、Kは高度すぎて、素養を欠くオジサンが作るような料理の範疇にはとてもではないが入ってこない。レシピ通りに一所懸命に作ってもまともな作品に仕上がるものかはなんとも。 Uはなんとも評価しがたし。旬の香りがする新鮮な野菜の味噌汁はソリャ誰だろうが抜群の魅力。でも、地場の採りたて旬野菜は、一般的スーパーでそうそう手に入るものではなかろう。従って、入手できた時には、先ずはその食感を生かせる料理を考えたくなる。 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
| (C) 2013 RandDManagement.com |