■■■ 分類の考え方 2014.2.16 ■■■


梅の分類

花見前線と言えば、普通は梅と桜。いかにも、季節感を重視する、南北に長い国ならではの風習。(花ではないが、紅葉や銀杏も。)
桜の花はその気になれば、一年中見ることができそうだが、シーズンになるとどこの名所も大賑わい。人込み嫌いにとてはつらいものがあるが、それでも出かけたりする訳である。
これに比し、梅は場所を選べば、それなりの静けさも味わえる。先ずは、そんな分類から。
もちろん、小生の個人的なものだが、一般化もできそう。

かなりの回数の見物
○一枝に、季節のうつろいを感じ、楽しめる。
  博物館のついで。大陸の一本とニホンの梅。
   "緑萼梅"はパンダ級の珍種。香りは林檎。
  ・・・国学院大学(常盤松)歩道沿い
○「アッ咲いている」的感興。寄り道して、楽しめる。
  桜と違って、他の見物人ゼロがよい。
  ・・・青山墓地
○僅かな本数でも、人が少なく、小庭風情を楽しめる。
  図書館帰りについでに立ち寄る。
  ・・・有栖川公園
○多品種だと、人出でも、一本づつ眺めて楽しめる。
  温泉地宿泊の際。時間が有り余って。
  ・・・熱海梅園
それなりの姿勢での鑑賞三昧
○百本以上あるから、好みの樹形を楽しめる。
  管理よき老木があり、行く価値あり。
  ・・・神代植物公園
○万本級梅林のなかを歩けば、雰囲気を楽しめる。
  沢井の酒蔵での利き酒がメインだが。
  ・・・吉野梅郷
○静かでこじんまりした梅林の美を楽しめる。
  管理が抜群。都心での梅見は贅沢そのもの。
  ・・・皇居東御苑
○絵葉書写真のような風景を楽しめる。
  これぞお庭という感じ。遠いので躊躇してしまう。
  ・・・三溪園
梅見以外の意味も
○数10本程度の眺望期待。他の樹木も楽しめる。
  写真撮影者が多いのが欠点。
  ・・・新宿御苑
○軽ハイキング的に楽しめる。
  白梅が多いのがよい。
  ・・・高尾駅(北口)から小仏川沿いに峠方向へ。
歴史的情緒に浸るつもりで
○狭いが密集しているので、それなりに楽しめる。
  混む。下町歩きと組み合わせないと。
  ・・・湯島天神
○200本はあり、池もあるので、楽しめる。
  混む。葛餅を食べに行くためかも。
  ・・・亀戸天神

ハハハ。
こんなものは、分類には、入らないか。

まあ、梅は余りに園芸品種が多くて、なにがなにやら。花の写真を撮る気はない人種だからかも知れぬが。わかるのは、せいぜいが、一重か八重かと、色の違いである。
そもそも、梅をどのように分類しているのかが、よくわからない。代表品種でいえば、こんなところかネ。
   香立白色小花・・・"甲州野梅"
    軸ガク花薄緑色化・・・"月影"
    矮小化・・・"蓬莱"
    蕾先端紅化・・・"紅筆"
    薄紅中輪八重・・・"内裏"
   明紅色花一重・・・"大盃"
    濃緋色花一重・・・"緋梅"
    濃緋色花八重・・・"鹿児島紅"
    桃色後褪色花・・・"唐梅"
   低香花[杏雑種]
    (花葉枝大きめ)・・・"楊貴妃"
    (花葉枝小さめ)・・・"記念"
   実採りタイプ
     ・・・"豊後""白加賀""南高""甲州最小"
   中国渡来の珍品
     ・・・"緑萼梅""臥竜梅"

残念なことに、この程度の品種名を覚えても、梅園で見つけることができることは稀である。五万と品種があり、お洒落な名前だらけだから。
その昔は、小さく可憐で、香りが立つ、白梅が嬉しかったのだと思うが、世の中はそうは問屋が卸さない。それに、実も欲しいから杏系とかけ合わせて、色々な品種が生まれただろうし。
  → 愛でる花の色が変わってしまった木 [2012.10.2]

ただ、梅ってどういう概念なの?、という疑問はフツフツと湧きあがってくるのは確か。
など典型で、造花のような花弁だし、独特の黄色なのに、何故「梅」なのか合点がいかない。まあ、「先咲梅」ということなのだろうが。

ということで、以下にまとめてみた。
およそ似ても似つかぬ花のものも「梅」なのにはまいる。

<真の「梅」類>
  ・ウメ//Japanese apricot

<近縁の、非「梅」類>
  ・スモモ/李/apanese plum
  ・セイヨウスモモ/西洋李/Prune
  ・アンズ/杏/Apricot
  ・スピノサスモモ/Blackthorn
<遠縁の、「梅」と名付けられた花木>
  ・ユスラウメ/桃/Nanking cherry
  ・ニワウメ/庭/Oriental bush cherry
<遠縁とされる非「梅」類>
  ・モモ/桃/Peach アーモンド/扁桃/Almond
  ・サクラ/桜/Cherry blossom
  ・ウワミズザクラ/上溝桜/Japanese Bird Cherry
  ・バクチノキ/博打の木[→] リンボク/
<さらに遠縁の「梅」と名付けられた花木>
  ・シャリンバイ/車輪/Japanese hawthorn (梨系)
  ・テンノウメ/天の/Hawaiian Rose (梨系)
  ・リキュウバイ/利久/Pearlbush (下野-柳桜系)
<かなり遠縁の「梅」的と呼ばれる花木>
  ・バイカウツギ/梅花空木 (紫陽花系)

<縁戚とはみなせない花木>
 (そのなかでは系譜的に近い部類)
  ・ウメモドキ/梅擬/Japanese winterberry (黐の木系)
  ・ギョリュウバイ//Tea tree or "Manuka" (蒲桃系)
  ・ギンバイカ/銀梅花/Myrtle (蒲桃系)
 (そのなかでは系譜的に遠い部類)
  ・ロウバイ//Witer sweat (楠系)
  ・ダンコウバイ/檀香/Japanese Spicebush (楠系)
  ・バイカオウレン/梅花黄蓮 (金鳳花系)
  ・オウバイ/黄/Winter Jasmine (木犀系)
  ・キンシバイ/金糸/St. John's Wort (弟切草系)


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