表紙 目次 | 海胆の話 2017年8月30日 まんじゅううに の話饅頭 うにまんを 殻割り気分で 食べ尽くしどういう訳か饅頭は愛される。 饅頭海星、滑々饅頭蟹、紅饅頭水母のように、特徴的な足が目立っているにもかかわらず、饅頭と呼ばせたい理由はわからないが、饅頭海胆の場合は足が見えないから、納得がいく。もちろん生きていれば棘の存在が多少は気にはなるものの、殻だけ見れば、全体の格好がいかにも饅頭という風情だからだ。 と言っても、化石種。 [中生代化石種]吉原饅頭海胆 拙宅ではかなりガラス工芸の饅頭型文鎮をチラシ押さえに使っているが、磨き込んだ饅頭海胆の化石も欲しくなってきた。 饅頭海胆については、他と比べると情報が少ない。現生生物の種の数が少ないからかも知れない。そのため、残念ながら、実像はよくわからない。 饅頭海胆 南饅頭海胆 大饅頭海胆 ネオ饅頭海胆 さて、この饅頭型体形の海胆だが、すでに見て来た4部門の海胆との位置関係はどうなっているか、素人的見地から考えてみたい。 まず、卵型海胆だが、饅頭海胆はその大型化けではない。 饅頭を少し潰せば、中央がより脹らんだ円盤のような菓子パン型と見れないでもないが、それも拙い。 見る人によっては、心臓型の分福の類縁にすぎないと考えることになるかも。 素人的"自然"分類では、下記に【異形】饅頭型を加えることになる。・・・ → 「たまごうに の話」[2017.8.15] …【異形】卵型 → 「かしパン の話」[2017.8.20] …【異形】菓子パン型 → 「ぶんぶくちゃがま の話」[2017.8.25] …【異形】ハート型 → 「うに の話」[2005.7.1] …【通常形】栗毬型 系統図的に、多少補って全体を描けばこんなところか。 ┼┌────【通常概念の体形】中生代繁栄絶滅群 ┌┤トンデモ造形派(古生代型) │└────【通常概念の体形】異常形状棘擬似的海胆群 ┤ │┼┼┌──【異形】放射対称饅頭型 │┌─┤ランタン歯無し系 ││┼└──【異形】左右対称ハート型 └┤正統造形派 ┼│┼┼┼┌【異形】放射対称卵型 ┼│┼┌─┤ ┼│┼│┼└【異形】放射&崩れ左右対称の扁平菓子パン型 ┼└─┤ランタン歯有り系 ┼┼┼└──【通常概念の体形】お馴染み棘栗毬型 上記では、"ランタン歯”という用語を用いているが、下面に一つしかない口にある、極めて丈夫な歯を指す。アリストテレス曰くの、ランタン形状の組歯である。歯で全力投球するタイプとそうでないタイプがあるということになろう。 歯と身体の形状でグ ループ分けする訳になれば、生態上の棲み分けと考えることもできよう。 【饅頭型】海底上棲息種であり、普通に移動するタイプ。 【ハート型】海底の堆積物中に潜って棲息する種。 両者とも口の構造は、動く都合上、食一辺倒のデザインにはならないということだろう。 【卵型】珊瑚礁や礫底で棲息する種。海底の状況に合わせた擬態的存在。 【菓子パン型】海底で砂を被って棲息する種。砂地から急に登場し、迅速に動く偏分福のような種もいるが、動きは限定的ではないか。 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |