表紙 目次 | 魚の話 2018年1月31日 ひげはぜ の話(๑˙灬˙๑) 粋狙い それともアンテナ 鬚効果鬚に、はたして味覚があるのだろうか。 今回はヒゲの話。 それに先だって、分類の話。 ハゼとは、条鰭綱スズキ目のハゼ亜目{Gobioidei}の魚群とされる。「目」の先は「科」である。今後、どう変っていくかわからぬが、8科からなる説が一般的なようで、小生はそれを勝手に大きく3つにに分けた。 【ハゼの古流】…無吸盤(左右胸鰭分離型)の淡水棲息系[Sleeper] * 翼鯊科 * 鈍甲科 * 川穴子科 【ハゼの現行主流】 * 鯊科 【擬似ハゼ】 * 砂鯊科…チンアナゴ的[半身砂穴露出]体質類 * 柳鯊科…リグラー[ぼうふら/wriggler]的体質類 * (2亜科群からなる科) 大目藁素坊 亜科…蠕虫体型類[wormfish] 黒百合鯊 亜科…ダーツ体型類[dartfish] * 白子魚科…幼魚体型類[Infantfish] 上記のハゼ科だが、これを6つの亜科に分けることになりつつあるようだ。 しかし、そうすると、全体がわかりにくくなるので5つのグループにしてみた。 ●藁素坊、等が所属する<掘穴志向>グループ ●鬚鯊、等が所属する<熱帯域棲分志向>"本流"グループ (別亜科扱いの"捻じ錀棒"のグループを入れた。) ●真鯊、等が所属する<北方淡水進出志向>グループ ●跳鯊、等が所属する<陸棲志向>グループ ●坊主鯊、等が所属する<急流挑戦志向>グループ つまり、ハゼ一族の現行主流派の本流の代表を"鬚鯊"と見なした訳である。 その特徴は言うまでもなく、鬚である。ハゼの出自は熱帯海底だろうから、感覚器官として鬚を持つのは至極当然な感じがするではないか。 しかし、別なグループに属し、かなりの遠縁ではないかと思われる種にも鬚は存在するので、それを一大特徴とするのは難しいものがある。ただ、見かけは同じヒゲであっても、その機能は同じとは限らないから、注意が必要であろう。と言っても、ご本人に尋ねない限りどのように使っているのかそう簡単にはわからないだろうが。 尚、学門の世界では、卑近なヒゲなる用語は使わないようで「皮弁」と呼ぶようだ。わざわざ読み換えるのは面倒なことたが、考えてみればその方が自然である。あくまでもこのヒゲは皮膚の突起物でしかないからだ。 と言うか、頭にヒゲがあったりするが、口鬚、顎鬚、頬鬚、に並べて頭鬚と呼ぶ訳にもいくまいし。 そんな頭に生えるタイプの代表は、<掘穴志向>グループに存在する。 😸マ、穴に入るのなら、猫のヒゲのようなもので、上にも欲しくなるだろう。 鬚鬚藁素坊 <北方淡水進出志向>グループにも、正真正銘、下顎から口元にかけて沢山の白いヒゲを持つ種がいる。相模湾までやってきたタイプである。浅い岩礁地近くの砂底や転石砂底で見られるから、ヒゲが欲しくなるのはわかる気がする。 錆鯊[→] そうそう、このグループに、泥鰌的な円筒形の紐のような体躯で、穴に入り込む手の種[→]が所属しているが、鬚鬚藁素坊のような頭鬚があったりする。 鬚背白鯊 下顎鬚が目立つ種はこのグループには少なさそうだが、浮鮴の仲間の写真には写っているようだ。 筑前鯊 ということで、傍系の話を終わりにして、<熱帯域棲分志向>の"本流"たる「ハゼ亜科」に属していて、ヒゲがバッチリ写真に写っている種をご紹介しよう。 先ずは、下顎の3対の白っぽいヒゲが目立つタイプ。 これは前座。 赤鯊[→] 子持雑子…赤鯊同属の種。名称から見て蝦穴共生タイプかも。 続いて、真打。下顎に鬚多数。 鬚鯊 インド洋〜西太平洋の岸から離れた砂底棲らしい。底曳網にかかるタイプ。 トリを務めるのは、コリャなんなんだという鬚を生やしている種。顔一面と言ってもよいほど。しかもその鬚がどうも分岐しているようで、文字通りモジャモジャ。 糸鬚モジャ鯊 【鬚鯊、等が所属する《Gobiinae》グループ】(ハゼ本流) → 「はぜ 全体像」 ○Barbuligobius・・・ヒゲモジャハゼ類 鬚モジャ鯊/Bearded goby(-) 糸鬚モジャ鯊/鬚鰕虎魚/Cryptic bearded goby(boehlkei) ○Parachaeturichthys・・・ヒゲハゼ類 鬚鯊/多鬚擬矛尾鰕虎魚/Taileyed goby(polynema) 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |