表紙 目次 | ■■■ 2017年12月6日 ■■■ オタビア…耳目を集める化石とそうでない化石がある。前者として、「25大化石の選定眼(うちカンブリア迄)@「本を読んで」」[→2016.2.8]では以下を取り上げた。・・・ 【0】 グラファイト超微量化石・・・群体単細胞 【1】 藍藻「クリプトゾーン」(Cryptozoon)・・・群体単細胞 【2】 大型海草似「チャルニア」(Charnia)・・・機能分化多細胞 【3】 重ねたコップ型「クロウディナ」(Cloudina)・・・環形動物 多毛類 【4】 最初期「三葉虫」(Olenellus)・・・節足動物 大型シェル 【5】 「ハルキゲニア」(Hallucigenia)・・・葉足動物 【6】 「ピリナ」(Pilina)・・・軟体動物 単板 現生生物"Neopilina"ありき。 【7】 「クックソニア」(Cooksonia)・・・陸上植物 【8】 「ハイコウイクチス」(Haikouichthys)-・・・脊索動物 しかし、生物の系譜を追うなら、落としてはいけないのは「海綿」だろう。現生動物としては4類に分けられており、ほとんどが"普通"タイプだが、古代型も生き延びているから、たいして注目されないだけのこと。 ・石灰系/Calcarea …炭酸カルシウム骨格 ・硝子 or 六放系/Hexactinellida …珪酸質骨片 深海系 ・普通系/Demospongiae …繊維マトリックス(無骨) ・硬骨系/Sclerospongiae …炭酸カルシウム骨格+[周囲]ケイ酸質骨片/繊維マトリックス しかも、動物族の基底に位置する一群であるのは間違いない。 その発祥時期は未だ定かではないとはいえ、いかにも古そう。・・・ C30ステロールの残渣から、<635Mya>にはすでに存在していたとも推定される訳で。 (「化石ステロイドに記録されたクリオジェニア紀の普通海綿類の出現」Nature 457 2009年) ところが、<760Mya>の地層から発見された化石が海綿と見なされたのである。(数字の信頼性は不明)たまたま、1つというのではなく、砂粒の如くに存在しているという。(個虫のサイズは5mm) ○オタビアOtabia@ナミビア ("Oldest Animal Discovered-Earliest Ancestor of Us All?" By Ker Than National Geographic News FEBRUARY 9, 2012) このことは、大氷河期を生き延びて来たことになる。 スターディアン氷期<730-700Mya> マリアノン氷期<650-635Mya> 多細胞藻類発生 ガスキース氷期<580Mya> エディアカラ生物発生 カンブリア大爆発<541Mya> アンデスーサハラ氷期<430Mya> 完璧な海綿化石にしても、その形態は多伎に渡る。環境適応で領域拡大に努めで大いに繁栄した生物だったと見てもよいので。 ┌─────襟鞭毛虫/Choanozoa or Choanoflagellata ┤通称"動物"/Animalia │┌────[化石]海綿動物 ││┼┼┼┼○オタビアOtabia【ナミビア】<760Mya> ││┼┼┼┼○小塊腸状Allantospongia【澄】 ││┼┼┼┼○チョイア田鬥蓬Choia【バ】【澄】【シ】 ││┼┼┼┼○コイアエラ輻射小鬥蓬Choiaella【澄】 ││┼┼┼┼○クルミロスポンギア Crumillospongia【バ】【澄】 ││┼┼┼┼○ハリコンドリテス軟骨Halichondrites【バ】【澄】 ││┼┼┼┼○ハゼリア海紮Hazelia【バ】【澄】 ││┼┼┼┼○レプトミテラ錐形小細絲Leptomitella【澄】 ││┼┼┼┼○レプトミトゥス次圓柱形細絲Leptomitus【バ】【澄】【シ】 ││┼┼┼┼○パラレプトミテラ擬小細絲Paraleptomitella【澄】 ││┼┼┼┼○ピラニアPirania【バ】 ││┼┼┼┼○クードロラミニエラ四層Quadrolaminiella【澄】 ││┼┼┼┼○密集鬃毛Saetaspongia【澄】 ││┼┼┼┼○タカッカヴィア瓦Takakkawia【バ】 ││┼┼┼┼○斜針麦粒Triticispongia【澄】 ││┼┼┼┼○バベリクシアVaveliksia【ウクライナ】 ││┼┼┼┼○ヴァウヒアVauxia【バ】 │├────海綿動物/Porifera └┤(狭義"動物")高次運動生物[メタゾア]/Metazoa ┼│┌───[化石]有櫛動物 ┼││┼┼┼-Burgess ┼││┼┼┼○テノラブドトゥスCtenorhabdotus【バージェス】 ┼││┼┼┼○Fasciculus【バージェス】 ┼││┼┼┼○Xanioascus【バージェス】 ┼││┼┼┼-Maotianshan…兜水母的 ┼││┼┼┼○Maotianoascus【澄江】 ┼││┼┼┼○Sinoascuc【澄江】 ┼││┼┼┼○Stromatoveris…刺胞 海鰓似 ┼│├───有櫛動物/Ctenophora(櫛水母/Comb jelly) ┼└┤真正後生動物/Eumetazoa ┼┼│┌──平板動物/Placozoa=繊毛平虫/Trichoplax adhaerens ┼┼└┤ParaHoxozoa ┼┼┼├──[化石]古杯動物(海綿的珊瑚)Archaeocyatha (Ancient cup) ┼┼┼│┼┼○メタルデテスMetaldetes【バージェス】【シリウスパセット】 ┼┼┼│┌─[化石]刺胞動物 ┼┼┼││┼○カルニオディスクスCharniodiscus ┼┼┼││┼┼…海鰓(刺胞動物)的 体長1m。 ┼┼┼││┼○タウマプティロンThaumaptilon【バージェス】 ┼┼┼││┼┼…海海鰓 ┼┼┼││┼○ネミアナNemiana ┼┼┼││┼┼…六放珊瑚 ┼┼┼││┼○マッケンジアMackenzia【バージェス】 ┼┼┼││┼○シャンガンギアXianguangia【澄江】 ┼┼┼││┼○トリブラキディウムTribrachidium ┼┼┼││┼┼…放射相称的 ┼┼┼││┼○ロタディスクスRotadiscus ┼┼┼││┼┼…ヒドロ虫 ┼┼┼│├─刺胞動物/Cnidaria ┼┼┼││┼┼[含む] ミクソゾア/Myxozoa旧所属:原生動物 ┼┼┼└┤Planulozoa ┼┼┼┼│┌[化石]Proarticulata[→「ディキンソニア」] ┼┼┼┼│├─珍無腸動物 ┼┼┼┼└┤左右相称 ┼┼┼┼┼├─後口動物群 ┼┼┼┼┼└─前口動物群 → 「進化と分岐の考え方[続 附録]」(2017.11.24) 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |