↑ トップ頁へ

2009.7.14
 
 


蕨の話…


  ロシア産 蕨の味は ほろ苦き

   輸入してまで食べるようなものでもないと思うのだが、
   山に入って採り尽くす人が多いということか。

 ワラビは干して土色になったものを戻した煮物が定番だが、旬の時は、緑色の御浸しも結構食べられているのだそうだ。そういえば、緑色の御浸しを食べたことがある。
 取立を茹でたものとばかり思っていたら、そんなことで灰汁がとれる植物ではないそうだ。しかも、煮たりすればドロドロになりかねないという。灰をまぶし、熱湯をかけ、一晩放置が基本らしいが、茹でて食べる硬さがあるものもあるようだ。(1)

 ワラビは灰汁が強いから、健康志向のなかで人気が落ちるかと思えば、そうではないようだ。新庄市あたりでも、“国産ワラビの量確保が難しくなっ”(2)ているらしい。小生は一度もワラビ採りに行ったことはないが、車で山に入る人が採り尽したりするのかも。
 それにしても、東南アジアではなく、ロシアから輸入しているので驚いた。
 コゴミなら海外でも食べそうだが、流石に、ワラビは日本以外では食べないだろうから、世界中から日本向けに輸出するようになるのかも。
  →  「コゴミ[雁足]」  (2008.12.2)

 そういえば、最近スーパーで「わらび餅粉」が売られているのを見かける。内容物は他のデンプン(おそらくタピオカ)が主体だが、わらびも入っているとされる。
 人気がでているようだから、おそらく本ワラビ粉も売られているのだろうが、相当なお値段だろう。まあ、手作り和菓子なら、本くず粉で十分なのでは。
  →  「和菓子を作ってみよう」  (2008.5.28)

 高価なものになるのは、しかたがない。なにせ、ワラビの地下茎は細くてそれほどの長さでもないから。量を採るだけで大変だ。しかも、これを下ろし金ですったり、擂鉢でするのは大変な労力。“昔の人は,なぜこんなめんどくさいことをしたのだろう。”(3)と感じて当然。

 おそらく、昔は、春の山菜採りと、葉が枯れる晩秋の根堀は、普通に行われていたのだと思う。根は、大量に集められ、傘や提灯といった和紙用品の糊として使われた筈。糊を作るに当たっては、水で晒して精製することになる、それを何回も繰り返せば食用にもなるということ。当時からすれば、それほどの手間という訳ではない。

 この程度なら、大人なら想像がつくが、そうはいかないものもある。それこそ、“茶人は, なぜこんなものをつくらせたのだろう”と感じさせるものもある。
 言うまでもないが、露地用具の蕨箒である。飾りモノにすぎない、超高価。
 雑念を掃き捨てよという意味らしいが、どうして蕨なの。調べる元気が湧かなかった。

 --- 参照 ---
(1) 「庄内の山菜レシピ集 わらび」 JA全農山形
   http://www.shonaimai.or.jp/sansai/recipe_08.html
(2) 「ワラビ産地偽装で4人逮捕 詐欺容疑などで山形県警」 共同通信 [2009/07/02]
   http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009070201000302.html
(3) たくや&はるな&てっちゃん: 「本わらび粉作りに挑戦」高松市立安原小学校戸石分校
   http://www.niji.or.jp/home/toishi/warabi/warabiko.htm
(Pteridium aquilinumのイラスト) [Wikipedia] http://en.wikipedia.org/wiki/File:Pteridium_aquilinum_nf.jpg


 「食」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2009 RandDManagement.com