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2009.8.4 |
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赤蕪の話…花とちる 身は西念が 衣着て 木曾の酢茎に 春もくれつゝ 芭蕉[上句] + 凡兆[下句] ---「猿蓑」(1) ←イラストby (C) 株式会社タカミコーポレーション 二十日大根(ラディッシュ)を赤くて小さな蕪と言いたくなるが、もちろんカブではない。ご存知かとは思うが、大根の花はたいていは白色。これに対して、蕪の方は、確か黄色で菜種に似ている。理屈では親戚関係にあるが、互いの交流は絶えている。 → 「二十日大根 」 (2009年6月16日) しかし、赤蕪という、独自のカブの種類がある訳ではないようだ。様々な地場野菜の一つにすぎないということ。 → 「蕪 」 (2007年7月3日) 昔作成したリストをみると、北海道の大野紅蕪、山形の温海蕪、飛騨の飛騨紅蕪、滋賀 安曇の万木蕪、福井 美山の河内赤蕪、米子の米子赤蕪、それに松山の伊予緋蕪といったところがよく知られているものらしい。 たいていは、漬け物に加工される。 おそらく、軽く塩漬けして水分を減らしてから、塩水分を切り、甘酢に漬けることが多い。甘酢にすれば、甘さ加減は別にすれば、味は大同小異になるのではないかと思うが、産地によって食感は相当違いそうだ。 などと考えていたら、酸味自体も相当違うようである。それに、甘酢だけでなく、塩漬けや、浅漬けも少なくないようだ。産地というより、商品毎に質はかなり違うもののようだ。(2) サラダ感覚で食べれる漬け物だから、もう少し人気が出てもよさそうなものだ。 ひょっとすると、着色料含有と思われているのかもとも思うが、そんなことはないか。野菜の生産量と価格がネックか。 そう想像するのは、野菜売り場で滅多に赤蕪を見かけないから。 甘酢漬けが有名ではあるが、赤蕪の凄さは、それではなく、塩を使わない漬け物が存在することだろう。 赤カブの葉を乳酸醗酵させただけと言葉で説明するのは簡単だが、乾燥させるにしても、よくそんなことができるものと感心する。 こんな真似できそうにない特徴があるのだから、ブランド品として広がってもよさそうな気がするが意外と目につかない。・・・そう、知る人ぞ知る、木曽御嶽山の山麓の伝統漬け物“すんき(酸茎)”である。(3) 火山灰の土地で、寒暖の差が激しい山国ならではの赤蕪だけが持つ秘密なのかも。 伝統産品が続いてくれればよいとは思うが、山がちの土地での厄介な赤蕪栽培や、労力がかかる面倒な加工がいつまで続けられるか気になるところである。 一消費者として支えることができればよいが、これもかなり難しい点がある。 美味しいが、香りに癖があると、日常食と合いづらいのである。ご飯を食べ続けているといっても、売られている食材は淡白なものばかりだし、洋風調味化が進んでいるからだ。漬け物の自己主張が強すぎるのである。 --- 参照 --- (1) http://www.j-texts.com/kinsei/sarumino.html (2) 「商品知識 ◆赤かぶ漬けの品質実態調査(2001年7月第58号)◆」 農林水産消費安全技術センター http://www.famic.go.jp/public_relations_magazine/kouhoushi/tokusyuukiji/products_knowledge/st58.html (3) 「すんき漬けの基礎知識」 http://www.pref.nagano.jp/xnousei/kisokai/etc/tsukekata.htm (かぶのイラスト) (C) 株式会社タカミコーポレーション フリーイラスト集 >>> 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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