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■■■ ジャータカを知る [2019.5.1] ■■■
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🕊鳩は家禽。

その祖先は乾燥地域に多い河原鳩Rock dove(分子生物学で確認されている。)但し、何時何処でか迄はわからない。
1万年前に始まったとの説もあるが、突拍子もない推定とも思えない。帰巣能力抜群だし、餌は自ら探す上に、群れ生活好きとくれば、これほど簡単な家畜化可能な動物はないのだから。

鳩は猛禽類の餌食になるいかにも弱そうな鳥。雉鳩は例外だが、縄張り意識もないし、防衛の武器となりそうなものも見つからないから、聖書の民によって平和共存の象徴とされたのだろうか。
実は、鳩同士の諍いは結構もの凄いものがある。なにが原因なのかは知らぬが、結構暴力的な体質の鳥なのは間違いない。

"シビ王と鳩と鷹"の話はジャータカには収録されていない点についてはすでに書いたが、[→鷲鷹・隼]そんな特徴をを知っていたからかも。

ジャータカでの鳩譚は面白い。重複が激しいが、釈尊の説法で、烏との対比話が心に響くものに仕上がっていると見た可能性が高い。
解る気がする。鳩の天敵は猛禽類や猫だが、インドで飼われていると後者の可能性は低いし、前者も比較的少ないと思われる。しかし、天敵はもう一つ存在している。それが烏。気がむけば鳩を襲うのである。

[#42]鳩譚
調理場の魚に目をつけ、貪欲な烏が住みついた。料理には手をつけない鳩は説諭。しかし烏は聞き入れず。結局、怒った料理人に殺されてしまう。

[#274]貪欲譚
貪欲な烏は豪商の調理場に並ぶ魚に魅了された。そこに鳩が住んでいるので、だしに使ってやろうと、一緒に食餌にいったりして懇意に。しかし、騙して魚を食べることに失敗し捕まる。
[#275]無題
烏と鳩とは、結局のところ、食うと喰われるの関係。

[#375]鳩譚
豪商の調理場の鳩のケージに魚と肉に目がない烏が友人となって同居。沢山の御馳走を見て、烏は食べようと言うが、鳩は消化できないと行ってしまう。独り占めで大喜びしたが、料理人に見つかり、羽を引き抜かれ、生姜と白辛子を加えた熟れたデーツを塗られてしまった。

[#395]烏譚
商家の台所の籠に鳩と、親密になった烏が住んでいた。料理人は烏の羽を引っ張り出し、小麦粉を振り掛け、糸を通した宝貝をかけてという姿。そして冗談半分にいうには、宝石で飾るこの楽しさよ、と。

[#277]羽毛譚
余りと遠くない場所に禁欲主義の行者が住んでいたので鳩達はたびたび訪問していた。そのうち行者は偽物に。ある日、村人が鳩肉料理を提供し、美味かったので、やってくる鳩を食べようと準備。それに気付いて、群れは近寄らず、脅して住むことができぬようにした。

[#490]"五者布薩會譚"はすでに取り上げた。[→熊]

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