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2004.5.7



改良でもイノベーション可能…

 例外もあるが、多くの日本企業は、自社独自技術で市場を立ち上げるような、イノベーションを狙わなかった、と指摘した。
  → 「ライセンシーが儲かる?」 (2004年5月6日)

 しかし、イノベーションは画期的な独自技術が無ければできない訳ではない。

 ここが、日本企業の勝ち組みと負け組みの分水嶺である。
 勝ち組みは、知恵を生む構造を作りあげたが、負け組みは、頑張るだけの構造しか作れなかったのである。

 といっても、難しいことではない。社員の知恵を生かすことができるようなマネジメント教育を行い、実践すればよいだけの話しである。

 つまり、欧米企業キャッチアップの時代に勝負がついたのである。

 基本的な技術骨格はもの真似だが、改良点を探し、日本企業同士が競争していた頃、優れた企業は改良活動から、イノベーションを生む可能性にいち早く気付いたのである。
 そうした企業は、改良すべき対象を発見した時に、どう対処すべきか、徹底的に訓練した。

 言わずもがなだが、問題点の解決策にすぐに跳びつくな、という教育を行ってきたのである。
 そこには、もっと大きな課題が隠されているかもしれないから、徹底的に考えろ、という訳である。

 つまり、解決策を考える際に、微細な分析に陥るな、と諭すわけだ。
 分析からは得られない、新しい見方を要求しているのである。高い視点で課題を見直すと、全く新しい解決策が得られる可能性があるから、挑戦せよ、という訳だ。

 プロとして既存の知識で効率的に改良を進めるだけでは、満足できない企業は、このような挑戦を常に繰り返してきたのである。
 このような企業にとっては、改良対象を発見したら、それは宝の山なのである。問題が発生したら、それはイノベーション創出のチャンスと見るのだ。
 そのような発想ができる人材を育ててきた企業は、常に、組織的にイノベーションを狙うことになる。
  → 「トヨタの真似は避けるべし」 (2003年3月11日)

 残念ながら、このような企業は少数派である。
 大多数は、一生懸命問題潰しにかかりきりになる。挑戦とは言い難い業務が中心になる。なかには、問題発生を隠す企業さえある。宝を、自ら捨てる企業が飛躍できる筈があるまい。
 →(続きは未定)

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