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■■■ 「古事記」解釈 [2021.1.7] ■■■
[6a] 「日本書紀」の国生みは単純
「古事記」の国生みの構造を、違和感なきような構成になるように解釈してみた。但し、分析に基づく論証を目指している訳ではないから、誤解なきよう。📖「大八島國」の成立史

あくまでも、太安万侶史観を読み取ろうという試みに過ぎない。できる限り分析思考から離れようとの立場。

と言うことで、官僚の叡智を集めた成った公的な史書「日本書紀」の記載を眺めておきたい。

先ず、「古事記」。・・・
  ❶淡路(淡道之穂之狭別ノ嶋)
  ❷四国(伊予之二名ノ嶋)
  ❸隠岐(隠伎之三子ノ嶋)
  ❹九州(筑紫ノ嶋)
  ⓵壱岐(伊伎ノ嶋)
  ⓶対馬(津ノ嶋)
  ○隠岐
  ⓷佐渡(佐度ノ嶋)
  ❽本州(大倭豊秋津嶋)
     +
  🀄児島(半島)(吉備の児島)…古くは陸続きでなく島だった。
  🀀小豆島(小豆島)
  🀂屋代島/周防大島(大島)
  🀂姫島(女島)
  ①五島列島(知訶ノ島)
  ②男女列島男女島(両児ノ島)
     +
  🈚黒潮流域諸島

「日本書紀」ではこうなる。・・・
  淡路(淡路洲)…"胞"
  本州(大日本豐秋津洲)…長子である。
  四国(伊豫二名洲)
  九州(筑紫洲)
  隠岐(億岐洲)…佐渡との双子である。
  佐渡(佐度洲)
  __(越洲)
  屋代島/周防大島(大洲)
  児島(半島)(吉備子洲)
  対馬 & 壱岐
  🈚五島列島+男女列島

「古事記」の構造と比べると、いかにも、思想性なきというか、データを整理して並べた印象を与えるリストである。
しかも、淡路、対馬+壱岐をメインから外しているのが特徴的。さらに、国生みであるとはいえ、島とは呼びようがない越洲を組み入れており、いかにも、国内覇権確立上書かねばならぬ立場にあるので、島として並べたということなのだろう。
構造的にはこのようになっているように映る。・・・
  🈠淡路
  🈩本州⇒四国⇒九州
  🈔九州⇒隠岐&佐渡⇒越洲
  🈪屋代島/周防大島⇒児島(半島)@吉備
  [番外]対馬+壱岐
  🈚五島列島+男女列島

発想は単純であり、史観は無いと言ってよいだろう。しいて呼ぶなら、瀬戸海・日本海地理的史観とでもいうしかない。従って、以下のように整理したかったように思える。しかし、流石に、"🈠淡路"は外せなかったと見える。・・・
  🈩本州⇒四国⇒九州
  🈔日本海
    九州⇒(島根半島)⇒隠岐⇒(能登半島)⇒佐渡
  🈪瀬戸海
    淡路⇒小豆島⇒屋代島/周防大島
  吉備、越
  🈚対馬+壱岐、五島列島+男女列島

尚、沖縄、鹿児島、北海道所属の島を除いて、面積順に並べるとこんな風。・・・
  [1〜3]本州, 九州 & 四国
  [4]佐渡
  [5]対馬
  [6]淡路
  [_](天草下)
  [7,9]五島列島[福江島,中通島]
  [_](天草上)
  [8]隠岐[島後]
  [_]平戸
  [10]小豆島
  [11]壱岐
  [12]屋代島/周防大島
   →続く

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