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■■■ 「古事記」解釈 [2021.3.26] ■■■
[84]音韻を探ると古代の見方が分かるかも
「古事記」を叙事詩として見るべしという立場に立つと、音韻についてじっくりと見てみたいところだが、万葉仮名の分野は小生の能力では手が余る。

しかし、最古日本語の可能性が高いから、その記載を眺めれば、日本語のルーツを想像することができるかも知れないという期待がよぎるので、触れておきたくなる。
📖言葉発祥の違いの気付き

この場合も、「記紀」という見方は回避する必要がありそう。使われている漢字が違っている理由がわからないからだ。
 【e.g. "ぜ"】
  「万葉集」…是 瀬 湍
  「古事記」歌謡…是
  「日本書紀」歌謡…筮 噬

 →"試作 万葉仮名一覧"@万葉散歩フォトギャラリー(C)植芝宏 2011

万葉仮名とは、当て字/表音借文字でしかないが、単純な仮名文字表記とは違って、そこには様々な表記の工夫がみられ、標準化されていない。従って、様々な仮名変換訓読みが生まれてしまう。当然ながら、素人には評価のしようもなく、えらく敷居が高い。
しかし、考え方を変えれば、様々な書き方があるということは、太安万侶と稗田阿礼の推敲感覚が見えてくるということでもあろう。分からないなりの面白さもありそう。

それに、素人でも、音韻論に触れることができるようになったこともあるし。
  →橋本進吉:「古代国語の音韻に就いて」@青空文庫
  →橋本進吉:「国語音韻の変遷」@青空文庫

ここ迄は前置き。

要するに、姫・彦的用語がどうなっているか、この辺りの知識があると結構読み取れるのではないか、という目論見。📖毘古毘賣用語への拘り

素人が分析したところで、解明ができる訳はないと思うが、太安万侶と稗田阿礼のコンビで、何故に称号記載を色々と変えたのか、全体を眺めているとなにか気付くことができるかも。
と言うことで。・・・

「古事記」では、もっぱら、日子・日賣と毘古・毘賣が使われているが、称号的に"日"と"毘"が別途用いられている。これにどのような意味があるのだろうか。

特段、関心を寄せている訳ではなかったが、これらの読みは"ヒ"であり、その意味は霊であるとの解説だらけで、しかもたいていはスローガンを叫んでいるような調子なので、見ておく必要あると感じただけ。

小生の考える常識では、"霊"を"ヒ"とは読まないからである。
[霝+巫]⇒
 【呉音:リョウ】
 【唐音:レイ】
 【真訓:たま】
≒魂・魄
 【当て訓:ち】
 【当て訓:み】

 【"推定"当て訓:ヒ】
…「古事記」"産巣日"⇔「日本書紀」"産霊"
   (「萬葉集」「古事記」では"霊"の文字は不使用。
    従って、「紀」を踏襲する書が倣うことになろう。)


どうみても、「古事記」では、太陽を意味する"ひ"の日~と日別を最初に設定しているように思える。神命ありの場合は日命となり、男神女神の区別が必要な場合は日子日賣が使われているようだ。
始原は非太陽神であるが、太陽神2柱の力と合わせた造化三神が宇宙起源神ということのようだ。
非太陽神系は、基本称号は毘神であるが、男神女神の区別が必要になると毘古毘賣が用いられていそう。

《日》 …日子・日賣を除く📖毘古毘賣用語への拘り
【造化三神の2-3番目】
高御產巢日~ 神產巢日~
【国生み 筑紫島4面】
筑紫國日別 豊國日別
肥國建日向日豊久士比泥別 熊曾國日別
【伊耶那美神病臥の際に尿から生まれた2神の2番目】
和久產巢日~
【迦具土神斬頸刀の本に付いた血が走り着いて成った3神の2-3番目】
甕速日~ 樋速日~
【黄泉国に行った時の穢れから成った神々】
八十禍津日~ 大禍津日~
【大年神系譜中の神々】
(神活須毘神の娘の伊怒比売を娶って生んだ5神の4番目)
庭津日~ 庭高津日~(天知迦流美豆比売を娶って生んだ神々)
夏高津日~/夏之売神(羽山戸神が大気都比売神を娶って生んだ8神の5番目)
【邇々芸命降臨で武装先導(with 天津久米命)】
天忍日命
【他】
"邇藝速日命"
[27]廣國押建金日命/安閑天皇 [31]橘豐日命/用明天皇
【~倭伊波禮毘古命/神武天皇 東征敗退@白肩津】
  詔「吾者爲日~之御子・・・」

《毘字以音 …毘古・毘賣を除く📖毘古毘賣用語への拘り
神直毘神 大直毘~
熊野久須毘命
照額田毘道男伊許知邇神
神活須毘神

《氷》
氷命…妣国へ

《卑》
【天照大御神の珠の物実神@誓約】
天之菩

《火》
[火神]火之夜藝速男神/火之R毘古神/火之迦具土神
【天忍穂耳命・万幡豊秋津師比売命の御子】
天火明命
【火著其殿而產】
火照命 火須勢理命 火遠理命/天津日高日子穗穗手見命
【[28]建小廣國押楯命/宣化天皇・川内之若子比賣の御子】
火穂王

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[KEY] 甲乙…万葉仮名 ⍞…濁音併用説
【音:ヒ】
[_2]
[_3](土)(干)
[_4]甲⍞(引)
[_5]丕皮(必)甲⍞
[_6]妃(会)(合)
[_7]否妣甲⍞屁庇批(旱)
[_8]坡彼怫披枇泌沸狒肥乙⍞陂非
[_9]毘/毗甲⍞砒秕飛乙⍞(相)(負)
[10]俾匪疲祕秘紕被(息)(原)
[11]婢菲(埿)
[12]備悲扉斐琲痞脾腓費跛(斐)
[13]痹痺碑蓖裨辟(飯/飯)
[14]榧碑緋翡蜚鄙鞁(匱)(鳴)
[15]罷誹髴{瓦+缶}(賓)
[16]糒避
[17]嚊臂(嬪)(嚏)
[18]
[19]羆靡鞴鯡鵯
[20]
[21]
[22]
【訓:ひ】
[_4]甲⍞乙⍞
[_5]
[_6]
[_7]
[_8]
[11]乙⍞
[12]
[15]
[16]
[17]
[20]
【音:ビ】
[_5]
[_7]
[_8]味弥
[_9]弭毘眉美(怒)
[11]梶(婢)(悽)
[12]寐嵋琵
[13]
[14]
[15]
[16]糒薇
[17]彌濔糜縻麋
[19]靡鞴
[20]
[23]

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