→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2021.12.12] ■■■ [345]津の意味は多義化していそう と言うことで、この地にある"津"としては以下が該当すると考えた。 ⚓青雲之白肩津 ⚓楯津 ⚓日下之蓼津 ■日下之高津池 ⚓難波津 ⚓墨江之津 ⚓御津 難波は知られた地にもかかわらず、登場している名称は僅少。 (難波之)高津(宮) (墨江之)中津(王) 湊は全国津々浦々あり、ほとんどの経済実態は漁業ではないもののの、集約化や方向転換は政治的に無理な国だから、古代の"津"に係わる名称がもっと多くてしかるべきと思うが、難波以外の津についても厳選記載。・・・ ⚓相津 ⚓(尾張之)相津 ⚓燒津…@駿河ではない。 ⚓尾津…⛩尾津神社@桑名多度小山 (山代之)荏名津(比賣)…山代に該当地無し。 (丹波之)遠津(臣) 御井津(比賣) (忍坂之)大中津(比賣命)…忍坂からは宇陀へと繋がる。 小津石代之別…"尾津"の当て字か。 上記から見ると、どうも、遠津とか中津という地名用語は一般名詞で、状況によってどの地であるかがわかることになっていそう。・・・ 遠津待根(神) 遠津山岬多良斯(神) 遠津年魚目目微(比賣) たた、"津"が単なる音の"ツ"である可能性もあり、素人には判断がつきにくい。"日子"の場合はなおさらであり、単なる格助詞"の"古代用法のようにも思える。吉備は瀬戸海拠点だから湊の意味も有り得るが、師木(磯城)も川に湊はあろうが純全たる内陸でもともと山麓型文化の地であるし。・・・ 槁根津(日子)@速吸門 師木津(日子玉手見命) 師木津(日子命) 常根津(日子伊呂泥命) 御眞津(日子訶惠志泥命) 御眞津(比賣命) 大吉備津(日子命) 若建吉備津(日子命) 大中津(日子命) 帶中津(日子命) 奧津(日子神) 奧津(比賣命) ただ、つらつら思うに、上記でも格助詞"の"は"之"を使っており、若干概念が違いそうではあるものの、よさそうに思う。わざわざ"津"を使う必然性を欠いているようにも思える。 そういう観点では、"の"でしかありえそうにない場合でも、そこに"湊"イメージが数されているのではないかという気にもなる。高天原の津ということで。・・・ 天津(日子根命) 天津麻羅 天津國玉(神) --- 天津(日繼) 天津(日高) 天津日高日子番能邇邇藝(命) 天津日高日子穗穗手見(命) 天津日高日子波限建鵜葺草葺不合(命) --- 天津久米(命) --- 虚空津(日高) 虚空津(比賣命) --- 活津(日子根命) 非高天原表現も同じことか。・・・ 黄泉津(大神)[=伊邪那美命] 御食津(大神) もともと、津々浦々の島であることは、国が生まれた際にはっきりしている。📖枕詞「蜻蛉島」考 天津から豊葦原之千秋長五百秋之水穂国の中核の嶋に降臨することになるのだから、読み替えが発生したということか。アマ⇒アキは余りに無理があるが、倭国伝統の寿ぎ的表現で通用するようになったか。 虚空ツ≒秋ツ≒蜻蛉 (大倭豐)秋津(嶋)/(天御虚空豐)秋津(根別) (萬幡)豐秋津師(比賣命) 速秋津((日子神) 速秋津(比賣神) (葛城室之)秋津嶋(宮) 何と言ってもはっきりしているのは、単純明快な地名が存在していること。 津(嶋) 国土の地勢表現語彙としての"津"ということで、現代用法からみても納得感があるのだが、これが神生みになると、"ツミ神"と云う不可解な用語になる。但し、"津見"という人名が登場するから、おかしなことではないのかも知れないが。 前津見@但馬…天之日矛の妃 この場合、"ツ"を助詞の"之"とすると、見神と云う語彙が存在することになり、"津"を支配する役割を示している位しか解釈しようがなかろう。・・・ 大【山津見】(神) 正鹿【山津見】(神) 淤縢【山津見】(神) 奧【山津見】(神) 闇【山津見】(神) 志藝【山津見】(神) 羽【山津見】(神) 原【山津見】(神) 戸【山津見】(神) 大【綿津見】(神) 底津【綿津見】(神) 中津【綿津見】(神) 上津【綿津見】(神) ただ、上記の海神の場合、航行/漁撈意識があることが、よくわかる。そうした表現は海では基本形なのだろう。・・・ 底津(石根) 奧津(那藝佐毘古)(那藝佐毘古)(神) 邊津(那藝佐毘古)(神) 邊津(甲斐辨羅)(神) (胸形之)奧津(宮) (胸形之)中津(宮) (胸形之)邊津(宮) (尾張連之祖)奧津(余曾) <玉津寶> <奧津鏡> <邊津鏡> 上記、胸形之辺津宮の女神 多岐都比売命には別名が記載されており、この宮は湊として機能していることを示しているかのよう。・・・ 田寸津(比賣命) もちろん、海には無関係そうで、"ツ"を助詞の"之"と考えるしかなさそうな表現もある。・・・ 八十禍津(日神) 八十禍津(日前) 大禍津(日神) 庭津(日神) 庭高津(日神) 夏高津(日神) <(八尺勾璁之)五百津(之美須麻流之珠)> <(天香山之)五百津(眞賢木)> 単なる音で、"齋つ"(≒清浄な)を意味すると考えるのが妥当そうな語彙もある。 湯津石村 ⇒斎つ磐群 <湯津津間櫛> <湯津爪櫛> <湯津楓><湯津香木> マ、想像がつかない表現もあり、どうにも解決できそうにない。・・・ 闇"御津羽"(神)…"ミツハ/弥都波[水早か]"との解説を見掛ける。 陶津耳(命)…"スエツ"は意富多々泥古の出自地名か? 風木津(別之忍男)(神)…"木津/もつ"と呼ぶのだろうか。 大氣津(比賣神)…五穀・養蚕の起源女神。 大宜都比売神[阿波国]や羽山戸神妻と同一ではなさそうだ。 【参考】津=水+聿/𦘔=𦪉:淮河駕舟@周代 (C) 2021 RandDManagement.com →HOME |