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■■■ 「古事記」解釈 [2023.7.29] ■■■
[759] 太安万侶:「漢倭辞典」
もの>を📖<者>文字用法助詞<は>とするのは当たり前と見ていたので、太安万侶方針の秀逸さに気付くのが、今頃になってしまった。

<者>は、部首には該当していないが、類縁文字は多く、基本的文字構成体であるから、まさに助詞用文字には最適ということでもないが。・・・
者/者603
232
_25
_22
_22
_22
_11(10)
__8
__3
__1
渚 賭 嗜 暑 屠 堵 偖 闍 非使用

この助詞<は>は現代迄使われ続けており、用法は幅広いがほぼ捨象して、主格を示す詞として扱われている。そうなるのは、もちろん、その用法が圧倒的に目立つからだが、それ以上に、同様な格助詞<が>あり、どう違うのか誰でもが気にかけているせいも大きかろう。📖「象の鼻は長い」
・・・よくよく考えると、この比較に無理があることが、ここ迄来て、初めてわかった。両者は実はorange appleでは。

漢語では、<者>は"別事詞"[「説文解字」]とされているが、漢籍から、実態的には以下の用法が見て取れる。・・・
①代詞
 動詞/形容詞/名詞後置…人/物
 数字後置…事物
 時間後置…〜候
 否定詞後置…〜的話
②語気詞
 主語後置@判断句
  〃 @原因/解釈
③≒著(:處於) e.g. 大國者下流[「道コ經」]

見ればすぐわかるが、主格語彙に後置している場合、語気詞。しかも判断句としての性情を持つ。
これは、おそらく、漢語としては古層の表現。そうなると、倭語の<は>も同様に古層である可能性があろう。と云うのは、判断句というわかりにくい書き方を止め通俗的に言えば疑問感情表白を意味するからだ。
要するに、<>は、主格に付く詞であるが、格を示すための語彙ではないことになる。

漢文は構造文であるが、疑問文は英語の様に構造化されておらず、もっぱら語気で示すことになっている。倭語など、その最たるもので、文の最後の語気表現の一音で疑問文になってしまう。これは、両者の祖語が持っていた表現ルールが極めて似ていることを意味しよう。

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