→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2023.8.6] ■■■ [767] 太安万侶:「漢倭辞典」呉漢音 [呉音]ゴク [漢音]キョク [当て訓]はて [訓]きは-める/きは-まる/きはみ 濁音である呉音が、帝国公式の漢音では清音化するという典型例。この辺りはもう少し見ておく必要がありそう。 と云うのは、現代日本語を見ると、両者の読みの峻別自体に意味を与えていそうだから。・・・ [呉音] [漢音]フツトウ [呉音]ジンドウ [訓_]ほとけのみち [訓_]かみのみち いわば、「 [呉音]イチ ニイ サン シイ ゴウ ロク シチ ハチ ク__ ジュウ ヒャク セン マン [漢音]イツ ジ_ サン シ_ ゴ_ リク シツ ハツ キュウ シュウ ハキ_ セン バン ともあれ、フツーに考えれば、呉音⇒漢音で音韻的変化がないのなら、ほぼ自動的に「古事記」仮名の最有力候補になるだろう。・・・ ---「古事記」仮名=呉音=漢音--- ところが、呉音と漢音が一致していながら、異なる音を用いている文字がある。決して例外的という訳ではないから、この音とは一体ナンナンダと言うことになる。但し、全く無縁な音ではないから、その様な発音が大陸でなされていたことになり、トレースできない以上、呉音以前の発音と考えるしかなさそう。(この推定はおかしなことではない。・・・もともと、<呉>が、古代国家名の上に、現代の地域言語を指す語彙であることもあって、いかにも江南土着的なイメージを与えるが、大陸は移住と渡来者による土着民差配あるいは消滅化だらけであるから、呉音の素性もはっきりしている訳では無い。少なくとも、外部侵略から逃れるべき北方勢力が南方に入って支配したという経緯がある以上、呉音自体が北の音韻を組み入れたいるに違いない訳で。) ---「古事記」仮名≠呉音=漢音--- 従って、「古事記」仮名、呉音、漢音がバラバラということも起こる。略訓使用の可能性は無いとは言い切れないが、帝国官僚によって非公認化された音と考えるのが自然だろう。(漢語での読み音併存は僅少な例外しかあり得ない。) ---「古事記」仮名≠呉音≠漢音--- 太安万侶の姿勢からすれば、使いたくない呉音・漢音を仮名として登用することは無いと思われるし。 ---「古事記」訓 呉音=漢音--- 実際、"てにをは"文字に< ---「古事記」訓≠呉音≠漢音--- ---「古事記」訓のみ--- (C) 2023 RandDManagement.com →HOME |