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■■■ 「古事記」叙事的訓読 ■■■ 上中巻の繋 中巻冒頭の初代天皇章の段建で触れたが📖、鈴木三重吉:「古事記物語」1920年は、太安万侶が苦闘の上に編み出した叙事としての神統譜/皇統譜の意義を恣意的に無視しているので注意した方がよい。
太安万侶の章建はあくまでも神統譜/皇統譜で、上巻もその構成📖。天照大御~のお話に合わせて流れが創られている訳ではない。<天の岩屋>譚は、須佐之男命のダイナミックな動きの一部であり、数々の暴虐行為の結果であって、そこにハイライトを当てるために縷々記載されているのではなく、すべてが、須佐之男命の性情を描くために不可欠な話というに過ぎまい。「古事記」は政治的思惑から編纂された書ではないからだ。・・・ ㊤ 🈜 ❶高天原之~ ❷伊邪那岐命・伊邪那美命 🈭 ❸速須佐之男命 ❹大國主~ 🈝 ❺天照大御~・太子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命 ❻天邇岐志國邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命 ❼火照命 ❽天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命 ㊥ 🈜 ❶~倭伊波禮毘古命 ㊀高千穗宮 ⥥ ㊉㊃御陵 🈭 ❷~沼河耳命
しかも、この神統譜は単純に血統的正統性を示すだけのものではなく、章と章の連続性が、その物語の内容的な繋がりで示されているところに一大特徴がある。上記の章建はその観点で極めて重要と言えよう。 お気に入りの神話譚でそれをブツブツと切ってしまうのは、それこそ、口誦叙事の魂を切り捨てていると言っても過言ではなかろう。高天原之~々(事績非記載)⇒伊邪那岐命・伊邪那美命⇒速須佐之男命⇒天孫⇒初代天皇⇒皇継八代(事績非記載)という大きな流れを消してしまうことになるからだ。
≪女神の死≫ …まず天と地とができあがり ⇒・・・⇒貴い女神がお生まれに ≪天の岩屋≫ …須佐之男命だけは、おとうさまのお言いつけをお聞きにならない ⇒・・・⇒下界へおりておいでに ≪八俣の大蛇≫ …鳥髪というところへおくだりに ⇒・・・⇒大穴牟遅神とおっしゃるりっぱな神さまがお生まれに ≪むかでの室、へびの室≫ …八十神たちははるばる因幡へ出かけて行きました ⇒・・・⇒大国主神は大年神と二人でまただんだんに国を広げておゆきになりました ≪きじのお使い≫ ≪笠沙のお宮≫ ≪満潮の玉、干潮の玉≫ ≪八咫烏≫ 一 鵜茅草葺不合命は、 ご成人の後、玉依媛を改めてお妃にお立てになって、四人の男のお子をおもうけになりました。 ・・・//・・・五瀬命が、・・・とうとうそれなりおかくれになりました。 二 神倭伊波礼毘古命は、 そこからぐるりとおまわりになり、同じ紀伊の熊野という村にお着きになりました。 ・・・//・・・それでいよいよ大和の橿原宮で、 われわれの一番最初の天皇のお位におつきになりました。 神武天皇とはすなわち、この貴い伊波礼毘古命のことを申しあげるのです。 三 天皇は、 はじめ日向においでになりますときに、阿比良媛という方をお妃に召して、 ・・・//・・・天皇はご短命で、おん年四十五でお隠れになりました ≪赤い盾、黒い盾≫
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