■■■　「古事記」叙事的訓読 　■■■
㊥⓯品陀和氣命⓺大山守命猶欲獲天下
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2 故かれ(○○○)
7 天皇すめらみこと＿の
5 　　　崩　かむあが-り
3 　　　　　之し後のち(○○)
5 大雀おほさざき＿(の)
4 　　命みこと者は(○)
7 　　　從→➰天皇すめらみこと之の
6 　　　　　　　　命　おほせこと＿に(○)
5 　　　　　　　　　←　したが-ひ＿て
3 　　以もちて(○○)
5 　　　天下あめのした
5 　　　讓→➰宇遅能和紀うぢのわき
5 　　　　　　　　　郎子いらつこ＿に
7 　　　　　　　　　　　　←ゆづ-り＿き　於是ここに
7 大山守おほやまもり＿の
4 　　命みこと者は(○)
7 　　　違→➰天皇すめらみこと之の
6 　　　　　　　　命　おほせこと＿を
5 　　　　　　　　　　←たが-へ　猶なほ
6 　　欲獲→1→2➰天下あめのした＿を(○)
7 　　　　　　2←と-らむ＿と1←ほ-し＿き
7 　　有→*➰{殺→➰其そ＿の弟皇子おと・みこ＿を
5 　　　　　　　　　　　←　ころ-さむ之の
6 　　　　　　　　　　　　情こころ}*←あ-り＿て(○)
4 　　　竊ひそ-か＿に(○)
5 　　　　設→➰兵　つはもの＿を
4 　　　　　　　　　←まう-け＿て(○)
6 　　　　　　　　　　　将まさに攻せめ-む(○)
3 爾ここに(○○)
5 大雀おほさざき＿(の)
7 　　命みこと　聞→*➰其そ＿の兄　　あに[or かみ]
5 　　　　　　　備→➰兵つはもの＿を
7 　　　　　　　　　　←そな-ふ＿と*←き-き＿て
7 卽　すなはち　遣→➰使者つかい＿(を)
5 　　　　　　　←　つかはし＿て
5 　　　　令告→1→2➰宇遅能和紀うぢのわき
5 　　　　　　　　　　　郎子いらつこ＿に
5 　　　　　　　　　　　　　　2←つ-げ1←し-め＿き

2 故かれ(○○○)
7 聞き-き＿て驚おどろ-き
7 　　　以→兵　つはもの＿(を)←もちて
7 　　　　　　伏→➰河邊かはへ＿に←ふ-す
2 亦また(○○○)
7 其そ＿の山やま之の上(う)へ＿に
7 　　　　張→➰絁垣きぬかき＿を←は-り
7 　　　　　　　　立→➰帷とばり＿と幕まく＿を
7 　　　　　　　　　　　　　←た-て＿(て)詐あざむ-き＿て
7 　　以→舍人とねり＿を←もちて
5 　　　　　爲→➰王みこ＿と←し＿て
4 　　　　　　　露あらは＿に(○)
5 　　　　　　　　坐→➰吳床くれとこ＿に
4 　　　　　　　　　　　　←ましま-せ(○)
6 百もも＿の官つかさ(○)
5 　　恭敬うやま-ひ＿て
6 　　　　往來ゆ-き・く-る之ー狀さま(○)
3 　既すでに(○○)
7 　　如→王子みこ之の坐ましま-す
7 　　　　　　　所ところ＿の←ごとし　而ー

3 更さらに(○○)
7 　爲→*➰{其そ＿の兄王あにみこ＿の
7 　　　　　渡→➰河かは＿(を)←わた-り之し時とき
4 　　　　　　具　そな-ふる(○)
6 　　　　　　　餝船かざりふね＿の(○)
5 　　　　　　　　檝者かぢとり＿と}
3 　　　　　　　　　　*←な-り＿て(○○)
6 舂→➰さな佐那葛かづら之の(○)
5 　　　　　　　根ね＿を←つ-き＿て
5 　取→➰其そ＿の汁しる＿の
5 　　　　　　　滑なめ＿(を)←と-り＿て　而ー
7 　　塗→➰其そ＿の船中ふななか之の
7 　　　　　　　簀椅すばし＿に←ぬ-り＿て
3 設→蹈ふ-ま←ば⇔(○○)
7 　　應→仆たふる←べ-く＿⇔せ＿て 　而ー
5 其そ＿の王みこ者は
7 　服→➰布ぬの＿の衣ころも＿と
5 　　　　　　　褌はかま＿を←き
3 　　　既すでに(○○)
7 　　　　爲→➰賤いやし-き人ひと之の
7 　　　　　　　　　形かたち＿と←な-り＿て
5 　執→➰檝かぢ＿を←と-り
5 　立→➰船ふね＿に←た-つ

3 於是ここに(○○)
7 其そ＿の兄王あにみこ＿の
3 　　　隱かく-し(○○)
7 　　　　伏ふ-せし兵士つはもの
7 　　　　　　　衣ころも＿の中うち＿に
6 　　　　　　　　　服→➰鎧よろひ＿を←き-て(○)
7 　　　　　　　　　　　到→➰於→河邊かはへ←に←いた-る
3 　將まさに(○○)
7 　　乘船ふな・のらむ時とき
2 　　　　望→➰其そ＿の(○○○)
6 　　　　　　　　嚴いつ餝かざり之の(○)
7 　　　　　　　　　　　處ところ＿を←のぞ-み
5 以為おもへらく
4 　弟王おとみこ(○)
7 　　坐→➰其そ＿の吳床くれとこ＿に
5 　　　　　　　　←ましま-す＿と
3 　　　　　　　　　　＿おも-ひ(○○)
3 　都すべて(○○)
6 　不知→*➰{執→➰檝かぢ＿を←と-り＿て　而ー(○)
7 　　　　　立→➰船ふね＿に←た-てる＿を}
7 　　　　　　　　*←しら・ず　卽　すなはち
7 　　　　　　　　　　　其そ＿の執檝者かぢとり＿に
5 　　　　　　　　　　　　　　　問と-ひ曰まを-す
　「
5 　　傳　つた-へ聞き-く
5 　　茲この山やま＿に
4 　　　有→➰忿怒いか-れる之ー(○)
6 　　　　大おほ猪ゐ←あ-り＿と(○)
6 　　吾われ欲取→1→2➰其そ＿の猪ゐ＿を(○)
6 　　　　　2←とらむ＿と1←ほ-り(○)
7 　　若もしや獲→➰其そ＿の猪ゐ＿を
5 　　　　　←　とら-ふる乎や
　　　　　　　　　」
7 爾ここに　執檝者かぢとり
7 　　　　答こた-へ＿て曰まを-す
　「
4 　　不能あたは・ず　也ー(○)
　　　　　　　 」
5 亦また問と-ひ＿て
3 　　　曰まを-す(○○)
　「
7 　　何由いかなるゆゑそ
　　　　　　 」
7 答こた-へ＿て曰まを-す
　「
7 　　時とき＿は時とき　也なり
7 　　往ゆ-く＿は往ゆ-く　也なり
4 　　雖⇔爲→➰取と-らむ＿と
6 　　　　←す-れ⇔ども　而ー　不得え・ず
4 　　是こ＿を以もちて(○)
4 　　　　白→➰不能あたは・ず(○)
5 　　　　　　　　＿と白まを-し＿き　也ー
　　　　　　　　　　　　　　　」

5 渡到→➰河かは中なか＿を
5 　　　　←わたり之し時とき
5 　　　　　令傾→1→2➰其そ＿の船ふね＿を
7 　　　　　　　　　　　2←かたぶ-か1←し-め＿て
6 　　　墮入→・→➰水みづ＿の中なか＿に(○)
6 　　　　　　　　←・←おと-し・い-れ＿き(○)
7 爾ここに　乃　すなはち
5 浮う-き出い-で＿て
7 　　隨→➰水みづ＿の流なが-るる
7 　　　　　　←まにまに下くだ-る
4 卽　すなはち(○)
4 流　なが-れ＿て(○)
5 　　　歌うた＿(に)曰まを-す
　　知波夜夫流 宇遲能和多理邇 佐袁斗理邇 波夜祁牟比登斯 和賀毛古邇許牟　　📖

3 於是ここに(○○)
5 伏ふ-せ隱かく-る
4 　河邊かはへ之の(○)
4 　　兵つはもの(○)
4 　　　　彼廂此廂をちこち(○)
5 　　　　　　　一時ひととき＿に
7 　　　　　　　　　共とも＿に興おこ-り＿て
7 　　　　　　　　　　　矢や刺さ-し＿て　而ー　流なが-る
2 故かれ(○○○)
7 到→➰かわら訶和羅之の前さき＿に
4 　　　　　　　←いた-り＿て　而ー(○)
7 　　　　　　　　　沈しづ-み入い-る　故かれ
5 　以→鉤ち＿を←もちて
6 　　　探→➰其そ＿の沈しづ-み＿し(○)
4 　　　　　　　　　處ところ＿を(○)
6 　　　　　　　　　　←さぐ-る者もの＿は(○)
2 　繋→➰其そ＿の(○○○)
7 　　　衣ころも＿の中うち＿に
7 　　　　　　　甲よろひ＿(を)←つな-ぎ＿て　而ー
6 　　　　　　　　　　　かわら訶和羅＿と鳴な-る(○)
2 故かれ(○○○)
6 號→➰其そ＿の地ところ＿を(○)
4 　　　　　　←なづ-け＿て(○)
7 　　　　　　　謂→➰かわら訶和羅＿の前さき＿と
3 　　　　　　　　　　　　　　←い-ふ　也ー(○○)

3 爾ここに(○○)
5 掛出→・→➰其そ＿の骨ほね＿を
7 　　　　　　　←・←か-け・い-で之し時とき
4 弟王おとみこ(○)
5 　　歌うた＿(に)曰まを-す
　　知波夜比登 宇遲能和多理邇 和多理是邇 多弖流 阿豆佐由美麻由美
　　伊岐良牟登 許許呂波母閇杼 伊斗良牟登 許許呂波母閇杼
　　母登幣波 岐美袁淤母比傳 須惠幣波 伊毛袁淤母比傳
　　伊良那祁久 曾許爾淤母比傳 加那志祁久 許許爾淤母比傳
　　伊岐良受曾久流 阿豆佐由美麻由美　　📖

4 故かれ　其そ＿の(○)
7 　大山守おほやまもり＿の
7 　　　　　命みこと之の骨ほね者は
5 　　　　　　　葬→➰于→那良山ならやま←に
6 　　　　　　　　　　　　　←はぶ-り＿き　也ー　是こ＿の(○)
7 　大山守おほやまもり＿の
4 　　　　命みこと者は(○)
　　　　【土形君弊岐君榛原君等之祖】

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