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2000.7.22
 
 


シンガポールはIT先進国(続)…

  シンガポールが世界に先駆けて打ち出した、IT2000構想は、「ワン・ネットワーク・フォー・エブリワン」というスローガンで語り尽くされよう。これからの国家のインフラとして最重要と考えられるネットワーク体制を一早く整備し、世界の先頭に立とうと言う戦略だ。

 具体的には、ウエブの内容を見ると一目瞭然である。公的な機関によるポータルサイトが完備しているといえよう。
・サービスを利用しようと考えるなら、http://www.sg/を訪問すればよい。全体のマップが存在しているホームページだ。(電子検索ライブラリーは、図書館が担当:http://vistaweb.nlb.gov.sg/)
 メデイアは直接的な国家機関ではないが、政府と同一歩調をとりながらポータル化を進めているように見える。
・通信を中心とするメディアについては、http://s-one.net.sg/がカバーする。
・新聞といえば、http://www.asia1.com.sg/だろう。

 こうした動きを進めるために、5つの政府機関で主導していく体制を敷き、
  ・コンピュータ分野:NCB
  ・通信分野:TAS
  ・放送分野:SBA
  ・科学技術分野:NSTB
  ・経済開発分野:EDB
 4つの対象分野毎にプロジェクトを進めている。
  ・行政サービス
  ・ビジネス
  ・教育
  ・ホーム

 政府省庁、教育・研究機関、企業が参加したサービス提供型の動きである。上記の分野毎の代表的なものは、各々、電子行政サービス、ショッピング・モール、遠隔教育、インターネット・プロバイダーといったものである。

 こうした動きをおこすために、政府がおこなった施策としては、まずは規制撤廃による競争原理の導入があげられる。通信と放送の民営化と通信・放送の融合化を進めた。といっても、統制国家であるから、文字通りに受けとる訳にはいえないだろうが。
 さらに、光ケーブルの敷設を徹底的に進めた。ビジネス街の高層ビルは100%接続、勤労者住宅団地のほとんどに引き込むという、極めて積極的な設備投資を行った。(90年代中にほぼ実現)

 こうした動きは、シンガポールのみならず、21世紀に飛躍しようと考える国にとっては、不可欠だろう。
 さて、日本は---

 これだけの仕組みが出来上がってしまうと、アジアのインターネットベースの通信・放送メディアの拠点はシンガポール以外にはありえないといえよう。しかも、民族・文化が複雑な国であるから、多言語化でも優位といえる。実際、国立シンガポール大学の図書館検索を見ると、英語、中国語、日本語が並んでいる。(日本の統治下時代の蔵書があるため)

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