表紙 目次 | 2014.12.4 与党の圧倒的支持率の調査結果を見て…12月1日発表のNHK世論調査の数字は思った通り、与党圧勝必至な情勢。それに対する反応は静かなものだった。9月の定例調査の数字を踏まえ、野党は抜本的な手を打たなかったのだから、「なるべくして」か。 → 「政党支持率を眺めて」[2014.10.10] <与党> 自 民 党・・・41.7% 公 明 党・・・ 5.3% <野党> 民 主 党・・・ 9.6% 維新 の党・・・ 1.9% 次世代の党・・・ 0.2% 共 産 党・・・ 3.5% 生活 の党・・・ 0.6% 社 民 党・・・ 0.6% 与党は、なんと、野党第1党の4.9倍。 共産党は独自候補だから、もしも統一野党的な投票行動が生まれたとしても3.6倍にすぎない。ビジネスの領域では相対シェアが3を超えると勝負にならないと言う経験則があるが、政治でも同じではないか。 小選挙区制度でこの数字が意味する結果は言わずもがな。 ただ、「特に支持している政党はない」が29.6%ある。 この人達の票がどこに流れるかで、かなり変動することになるのは確か。 しかし、野党がわざわざ「大義なき」選挙と名付けたから、これがどう響くか。愛想尽かし気分になっているとしたら、棄権率が高まる可能性がありそう。そうだとすれば、決定的な用語ミスをしてしまったことになる。 一方で、「アベノミクスが争点」の選挙とされている。だが、昨今の状況から見て、国民投票的諾否をする余裕などなかろう。「否」とは、即、代替政策乗り換えでなければ。にもかかわらず、そんな受け皿はどこにもない。そうなれば、支持政党無し層のうち、経済に関心を持つ人達は棄権してもおかしくなかろう。選択肢無しなら、続行しか道はあるまいとなるからだ。 こうしたムードが蔓延しつつあるとすれば、上記の与野党差が縮まることはないかも。一般に、支持政党無しの人々は、一方的勝利状態防止の投票行動に動きがちだが、それも考えにくいからだ。 そう思ったのは、野党の主張の印象が、「政府による所得の再分配適正化」と「政府の無駄徹底排除」へと2分裂しているように見えたことも大きい。 野党の分裂を問題にしている訳ではない。両者ともに大衆的うけしそうな「既得権益けしからぬ」臭を振りまいていそうに映ったにすぎない。 小生は、そのようなキャンペーンが奏功する時代は終わったと見る。 その程度で、なんとかなる経済状況を通り越したと考える層が増えている印象が強いせいだ。 そうだとすれば、支持政党なし層の投票行動は今迄とは相当違うのではなかろうか。 まあ、地方の人々も、自分達の経済の実態がわかり始めたということでは。 → 「地方衰退路線追認選挙」[2014.11.21] 年金受給者とそれを当てにする産業、インフラを支えるサラリーマンだけで食べていくようになる将来像が脳裏に浮かぶようになったということ。 給与所得者が次々と年金生活者化し、新たに加わる若年労働力も年々減り続ける。企業の正社員はコア従業員だけとなり、一般従業員とは安価な臨時雇い扱いとなる。単純労働以外の就職先はどんどん減っていく。 どんな政党に政権をまかせたところで、これを止めるのは無理筋だろう。さすれば、家庭の消費が増える訳もなく、そんな地域に投資を敢行する動きが始まる筈もない。 そういうなかでの投票行動である。結果は、自明では。 (source) NHK世論調査 各党の支持率は 12月1日 19時52分 政治への発言の目次へ>>> 表紙へ>>> (C) 2014 RandDManagement.com | |