↑ トップ頁へ |
2010.6.1 |
|
|
雑感: iPadを眺めて…〜 小生は“iPad”は買わないことにした。 〜“iPad”をじっくり眺めてみた。モバイルのWiFiルーターを持っているので、結構便利なものかと思ったから。 しかし、結局のところ、小生は、もったいないから購入しないことにした。 ソフトをのせて遊ぶ趣味はないし、動画を長時間見る気もなく、使うといえばウエブ閲覧とメール。それでも、“iPad”は魅力的。ただ、大きな欠陥がある。Adobe Flashソフトが見れない点である。理屈はどうあれ、そこらじゅうのサイトで使っている挿入動画が見れないとなると、一寸手を出せない。 逆に言えば、Adobe Flashソフトが見れれば、購入する気になったということ。お洒落だから欲しいというのではなく、ウエブ閲覧用ならこれで十分だからだ。と言うより、使い勝手が悪いパソコンなど使う気がしないと言う方が正確だろう。 類似品が廉価で登場したら即購入しようと決めた。まあ、それも、そう遠くはなかろうとふんでいるからだが。 期待している価格としては、3万円程度。Appleの使い勝手は無理でも、ハード的には新しいものでなくても作れるのだから、この程度でも売れる筈。ただ、日本のブランドメーカーはそんな商品は作る気がしないだろうから、なかなか店頭に登場しないかも知れぬが。 これとは別に、E-inkの書籍リーダータイプも是非とも2万円程度で欲しいところだ。華やかな液晶画面で長時間読むのはえらくつらいから、もう少し高くても購入するかも。こちらは、ディスプレー製造が独占状態だからどうなるかは不透明である。 言うまでもないが、両者ともにネットパソコンとは別モノ。書類を作るには、どうしてもオフィスソフトとキーボードが必要なので、持ち歩き用パソコンは購入せざるを得ない。重いのはたまらぬし、安価だからネットパソコンを選んできたが、今後はそうならない。 〜 “Atom”搭載パソコンもご遠慮させて頂く。 〜 ともあれ、“iPad”を触れば、ネットブックが売れなくなりそうと実感させられる。 小生の場合は、Windows XPパソコンとしてネットブック購入しただけということもあるが、まあ、ほとんど魅力を感じない代物になり下がったと言ってよいのでは。 要するに、“ネット”と名前がつくだけで、廉価な低機能小型パソコンにすぎないからである。(ASUS「Eee PC」,Acer「Aspire one」,Dell「Inspiron Mini」,lenovo「IdeaPad」といった名称で、CPUがIntel“Atom”で画面が10インチ未満のものを指す。) 魅力が薄い理由は自明。 ・一般パソコンと比較すれば、CPUのIntel“Atom”の力は相当落ちる。 -大きなソフトをストレスなしで使うことは結構難しい。 -高画質動画の閲覧は自由自在とは言いかねる。(小生は滅多に使わないから気にならぬが。) ・消費電力は結構大きい。 -長時間使うには重い大型電池を搭載するしかない。 -発熱するので対応が必要である。 ・大画面に慣れていると仕事用としてはかなりつらい。 -表を読むのには相当苦労する。 -資料を見ながら書く作業は実質的に無理だ。 -縦長書類はえらく読みにくい。 ・カメラがついているが、使うことは稀では。 そんなに魅力がないのなら、ネットブックを使わないかといえば、逆。実は、小生はえらく重宝してきた。 その理由も想像がつくだろう。 ・ウエブ情報源を即座に探して、軽く読む程度なら至極便利である。 -ニュースをざっと目を通すのには向いている。 -辞書/事典的にすぐに使えるのが有難い。 -部分的に欲しい情報が掲載されている書類を始終持ち歩ける。 ・内容がわかる程度で十分な画像なら、気楽に見れる。 -気になる報道があれば、動画映像でざっと眺めることができる。 -小画面でも、地図や画像情報を眺める上ではたいした問題はない。 ・どこででも、気楽に文章を書ける。 -手軽にどこでも稼働できる。 -パソコンでテキストを作る習慣が身についているので違和感が無い。 -キーボードのサイズが手に合えば入力は割りと楽。 -携帯電話のボタンやBlackBerry風の超小型キー入力は正直ご勘弁。 -タッチパネルでの長時間のタイプ作業は苦痛である。 -単純書き込み機器より多少高価というだけ。 → “「ポメラ」論議が騒がしいらしいが” (2009年9月7日) ・持ち運びは格段に楽である。 -重さは1Kg程度なので運搬は苦にならない。 -ただ、手で持った状態で使うには重すぎる。 ・USBメノリを用いて、その場で、すぐにファイルの受け渡しができる。 このように整理すれば、ほとんどの用途なら、Windows XPのような重いOSなど不適なことは歴然。ただ、テキスト入力専用機である「ポメラ」は安いものではないし、オフィスソフトが必要だったりして、他に適当な機器がないから購入するだけのこと。 その状態で、Windows 7 starter搭載品が登場したのである。これはとても買う気にはなれない。と言うのは、“拡張デスクトップ”機能が使えない機器になっているからだ。これなら、多少高くても、5〜7万円で入手できるWindows 7 Home Premium搭載の低価格小型ノートパソコンを選ぶことになろう。 → “ダウンスペックパソコンは生き残れるのか” (2008年7月3日) 〜 廉価化必至なら、機器待ちも悪くなかろう。 〜 正直なところ、小生は、“iPad”に斬新さは感じなかった。インターフェースの仕様が洗練されているから素晴らしくみえるだけでは。日本企業が昔から作っている、業務用の液晶タブレットのスレートタイプを見慣れていたせいもあるが。 パソコンはマルチタスクが行き過ぎてしまい、巨大でどうにもならない状態。それをモバイル用に無理に小さな機器にしているだけ。 しかし、携帯電話は、一見、機能は満載だが、マルチタスクとは呼べそうにないほと簡素なもの。 両者の中間が求められているのはわかりきったこと。 要するに、Intel“Atom”では消費電力が大きすぎ、もっと低レベルのCPUで十分。OSも低機能でよいから、そんなものが求められていたのに対し、ようやく応えた製品が登場しただけだと思う。OSとCPUの新しいコンビという訳。 “iPad”はこのコンビとして、Apple純正の“iPhone”+“A4”とした。しかも、それを自社ハードに独占的に使用。こんな仕組みで覇者になれるか、ははなはだ疑問。ただ、そんな道を選ぶのは、自然なことではある。軽いOSと低機能のCPUということは、パソコンで言えば、超安価品を提供することと同義。両者ともに外部製品を使えば、機器メーカーはビジネス的には面白みがなくなる。競争激甚なら、利益が出ない可能性が高い。 HPがPALMを買収して、モバイルOSの“Palm webOS”を手中にしたのも、致し方なきといったところか。 こうなると、OSについては、携帯電話用を転用するのが一番の早道である。 → “iPadの競争相手とは” (2010年4月12日) そうなれば、CPUとしては、ARMベースが使い易い。ただ、Qualcomm、TI、Samsun等、様々なベンダーが工夫をこらして統合チップ化を図っているから、なかなか低コスト化は進まないかも。そうなると、NVIDIAやFreescaleといったベンダーが非携帯的な発想のチップを開発しての活躍もありそうだ。なにせ携帯電話的機能が必要な訳ではないのだから。 ともあれ、このコンビに、電池、ディスプレー、WiFi等のモジュールを筐体に組み込めさえすれば商品になるのだから、誰でもが簡単に機器を作れる。100ドル商品が登場してもおかしくあるまい。 逆に、これを高級品化するといっても、限度があろう。 〜 流れから見ると、OSはAndroidに収束していきそう。 〜 どうもCPUは、相当な速さで進化しているようだから、パソコンにおけるIntel寡占化と同じ流れが進むのかも。と言っても、主流がどうなるかは素人には見えにくいが、OSはAndroidに傾いているのは間違いなさそうである。 まあ、なんとなくわかる。古くからある携帯電話用OSはもともとマルチタスク的な考え方はないから、ウエブ対応を重視しているGoogleとは相当違う筈だからだ。携帯電話とは、少ないメモリ量と低能力CPUでこなす機器だから、バックグラウンドで自由に動くプログラムなど許せる筈もなく、プログラム稼働については厳格な制限がつけられているだろう。だが、ウエブ閲覧しながら、色々と付随機能をつけたいとなると、本来は能力上無理でも、擬似マルチタスク化したくなるのは道理。Androidは、そんな工夫には向いている可能性がありそうだ。 そして、なによりも重要なのは、このOS上で動くブラウザは携帯電話用の特殊なものでない点だ。WindowsとInternet Exploreのコンビと同じようなもの。これなら、OSの進化と連動できるから、長期的に見ても安心感がある。しかも、Googleの検索や地図を取り込んだ新しい機能を登場させやすそうだし。 ただ、Google王国が今後も万全で、今後もOSとブラウザ進化に注力し続けるとの大前提があることだけは注意した方がよい。収益に貢献しないのに、フリーランチを続けることは、営利企業にできることではないからだ。 パソコン同様に、ニーズに応じて、OSとCPUのコンビが進化していくことになるというアナロジーはここでも成り立つのかも。 ただ、この場合、パソコンでは時間がかかったが、最初から機器ベンダーは儲からない構造で出発することになるのかも。それを防ぐにはAppleの“iPad”路線しかないのかも。しかし、それを防ぎきれるものかは大いなる疑問。 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2010 RandDManagement.com |