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■■■ 上野動物園大人向きコース ■■■
2014.3.31

マングースの猫的側面の観察

マングースは系譜から見ると、食肉族のネコに近く、イヌ・クマとは縁遠い。
しかし、上野動物園小獣館でミーアキャットコビトマングースを見ても、これらの動物がネコ系とは思えない。体つきが猫類とは随分と違うし、大勢で群れているからでもある。しかし、どこかにネコ的な体質が残っているのではなかろうか、という気にもなるので、しばらく眺めてみるのも乙なものでは。

ついでながら、そのマングース君達の近しい親戚、マダガスカルに棲むフォッサの番とも比較して、じっくり観察させていただくとよかろう。こちらは、どう見てもネコ族だが。
  → 「マダガスカル獣王とのご対面」(2014.3.11)

そんなヘンテコな企画を考えつくのは、上野動物園の場合、なんとなくこれらとウリといった感じの非ネコ族がいるからだ。両者を対比するのも一興ということ。
なかなか面白いと思うのだが、如何かナ。

マングース君達と比べるお相手は、ネズミ系の穴掘り族のプレーリードッグ集団。
ファッサ夫婦の対照先は、小獣館地下の小さな室内に入れられているアライグマ系のキンカジュウ達。
比較する視点は、容姿とか、食べ方という話ではなく、「お付き合いの仕方」。
小生は、この辺りがネコ族の一大特徴と見ているからだ。ただ、そんな見方はナンセンス極まると言われかねないからご注意のほど。

どうしてそんなことを考えるかは、単純である。「お付き合いの仕方」という観点での、飼い猫と飼い犬での違いは明白であり、動物園に住む犬猫の類にも同じことが言えそうと見るだけのこと。
猫系は懐くが、群れる行動をえらく嫌っていそう。要するに、勝手気侭な性格なのである。一方、犬類は周囲との関係ばかり気にしている。気配り命の性格といえよう。

そんな発想をするので、食肉系を以下のように分類したくなる訳である。
  「真性肉切歯野獣の分類」 (2013.11.30)
 ・遊び好きタイプ(お気楽気分で): 猫-豹-麝香猫
 ・ずる賢いタイプ(ひっかき回す): 犬-狼-狐-狸
 ・悪さ命タイプ(落ち着きなし): 熊-鼬
 ・「水棲」: 鰭脚

この見方のポイントは、猫族は単独生活がお好きという訳ではなく、互いに干渉し合わないとの価値観を共有しているという点。
大型猫のライオンや、中型のハイエナは、群れをつくるが、決して群れたい訳ではなく、餌を獲得するための協同作業は喜んでするが、それ以上の連帯行動は避けるのではなかろうか。狼とは体質が違う可能性があるのではないかと睨んでいるのだが。
それがネコ族としての衿持の筈と、勝手に解釈している訳。

そんな風に考えてしまうのは、動物園のネコ族は、野生では単独生活者とされる動物だらけだが、孤独性を好んでいるようには思えないからである。気分がのれば一緒に遊んだり、縄張り意識紛々の見回り行為をするものの、同居者が同一行為をしていたところで気にも留めなかったりする。このことは、もともと、排他的な縄張りという訳でもないということでは。直接かち合うことは面白くないとはいえ、犬や猿とは違ってカバー域が重なっていてもそれほど気に留めない可能性もあろう。
支配者然とした態度を見せたり、干渉してこない限りは、鷹揚な態度を示すのでは。

従って、動物園の猫族は、観客となるべく目を合わさないようにする。と言っても、好奇心が強い動物だから、目があってしまったりするもの。それは仕方ないのである。そこで、さらに興味を覚えれば、なんらかの動きをしてチョッカイをだそうとなろう。でも、そんな気分なのを知られるのは面白くない。

そんなことを考えながら、ミーアキャット達の動きを見ていると、色々と見えてくる。

観客のなかに、見た瞬間大喜びする幼児が含まれていることがある。嬉しくて、体が自然に動いてしまい、一人で大騒ぎするのだ。不思議なのは、それを見て逃げると思いきや、嬉しがって寄ってくるミーアキャット君がいること。互いに顔を見合わせて大喜びの図である。気分が乗るのだろう。
かなり騒がしいのだが、そんなことは俺は知らんという顔つきでゴロゴロしているのもいる。集団でどうのこうのというルールがあるとは思えない。俺には俺の世界があるといった調子なのだ。・・・でも、互いに知らん顔をしている訳ではなく、腹を出してのんびりしているところを、横を通るかのようにしながらわざわざ寄ってきて足を踏んだりして。
思うに、群れているのは、危険を避けるためとなっているが、それは結果であって、互いに遊べる距離にいたいということではないか。実によく動くが、それぞれ関心の対象は違うようだが、いずれも周りの観客に興味津々なのは間違いなさそう。
コビトマングースは、固まって寝ていることもあるが、若い連中が多いということでもあろう。互いの体温と、クッション性がある体つきから、気持ち良いのは間違いないのだから。でも、時々、薄目をあけて観客を見たりするもの。興味が湧けばじっと見ていて、そのうちなんらかの行動に移る。仲間と一緒になにかしようという感覚は全く無い。隣に寝ていた方は無関心を決めこんだまま。

これに対してプレーリードッグ集団は、好奇心から観客を見ているようには思えないのだが、どうかな。

さて、お次はフォッサのご夫婦。両者ともに、動き回っていることがあるが、それぞれ無関心を装っており、接触しないように注意を払っている。特段のことが無い限り、干渉せずという姿勢を貫いているかの如し。さらに、よくよく見ていると、時々、木の上で寝ながら、相手の動きをそれとなく見ていたりすることがわかる。知らん顔で、通り道の側に寝ながら、気付かれないように目をあけて後姿を眺めたりもする。互いに触れ合いたい気持ちがありそうな感じを受けるが、それを避けていそう。干渉しないのが原則なのだろう。
野生だと、夫婦一緒の生活ではないのかも。そして、雌が、雄の「動きを眺め、一番好みを選ぶ仕組みということかネ。

これに対して、キンカジュウは部屋が狭いこともあるが、動き回りの最中の、何の気なしの互いの触れ合いがかなり多い。夜行性だから、群れて行動することを避けるのではないかと思うが、そうだとすれば、このような行為は少ない筈である。
餌採りは単独行動でも、群れていたいという気分なのではなかろうか。

まあ、以上、いい加減な観察でしかない。
深く考えないこと。動物園での気晴らしお散歩なのだから。

  ─・─・─分類─・─・─
  → 「ネコの系譜」(2013.12.24)
  → 「雪豹君達の祖先について」(2013.11.21)
┌────(木登麝香猫/African palm civet)
├──----------[絶滅]
┌----------[絶滅]
┌┤┌┤<大小 猫主流>
│││└──猫/豹類
│││
│└┤┌<麝香猫系>
││├palm civet系
│││  ・白鼻芯/Masked palm civet@アジア(含む日本)
││├genet系
││
└┤
<中小 猫反主流>
│┌─ハイエナ
└┤┌マングース
││    @南ア乾燥地帯
││  ・ミーアキャット/Meerkat or Suricate
││    @エチオピア〜南アフリカ
└┤  ・コビトマングース/Dwarf mongoose
[特殊]マダガスカルマングース
    @マダガスカル
  ・フォッサ/Fossa

│┌<犬-狼-狐-狸 系>
└┤
<熊 系>
├───【大型獣】熊類
├───【水棲大型】アザラシ/アシカ/セイウチ
【中小獣】
│┌──レッサーパンダ
││  ・レッサーパンダ
└┤┌─スカンク
└┤┌アライグマ類
││  ・洗熊/Common racoon @アメリカ&移住定着者
└┤  ・金華獣(発音当て字) @南米
└イタチ→(2013.5.1)
  ・鼬
  ・日本穴熊(多摩丘陵自然児の"熊之助"君)
  【水棲】
  ・小爪川獺 @東南アジア →(2013.4.5)
===
─齧歯類─栗鼠の仲間─マーモット
  ・プレーリードッグ/Prairie dog @北米草原地帯


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