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■■■ 人気動物考 ■■■
2015.3.21

猫族の時代

オーストラリアの西南突端にQuokkaと名付けられた、猫サイズのワラビーに人気が集まっているとか。いかにも仕掛けられた流行臭さ紛々。コアラ、カンガルー/ワラビー、ウォンバットといった有袋類を観光資源にしている国ならではの動きに映るからである。だが、写真を見れば可愛い!となることは間違いなさそう。
"Quokka Selfies"-Meet the World's happiest Animal on Instagram @WHUDAT

"National Geographic"のキャッチーなコピー[→]
に釣られて眺めた訳である。なかなかの文章である。・・・「大人気の自撮りアイドル、クアッカワラビーって?いたずらっ子のような笑顔がたまらない“世界一幸せな動物”」。
表現が秀逸。
  つぶらな瞳
  ネズミのような尾
  ぬいぐるみのような体
  にっこりと笑っているかのような顔
そんな動物に遊んでもらえればソリャ嬉しいだろう。

小生は思わず、多摩動物公園の故チューバッカ君を思いだした。(2014年11月8日尿毒症で死亡。享年30近くと例外的に長寿。) →2013.3.16]
実に、素敵なキャラだった。熱心な土堀り、抱き枕、等々、一人遊びがお好きだったことが大きい。もっとも、すぐに眠くなる体質だったが、それも又魅力の一つ。
多摩動物公園にはコアラを筆頭に有袋類が揃っていることがウリだった訳だが、オーストラリアにしか存在しないという点での珍しさに惹かれる時代は終わった感じがする。そんなこともあってか、オーストラリアの観光客の呼び込みは、動物との触れ合いをうたい文句にしていそう。しかし、野生動物をそのように扱い続けていれば、当然ながら批判を浴びかねないので、一緒に写真がとれるゾをキャッチフレーズにしていそう。でも、これもそうそう何時までも続ける訳にはいくまい。
触れ合いという観点なら、希少野生動物である必要など無い訳で、モルモットやウサギのような抱ける小動物や、家畜の子供で十分である。その方が長時間お付き合い頂けるから、そちらに流れていくのではなかろうか。

そんなことを考えると、現代の動物園の華は、遊び好きで気分屋の美しい動物とはいえまいか。そんな観点では、愛想気が無いライオンを除いた、猫族の時代に突入しているような気がする。日本だと、ユキヒョウ、トラ、チーターが三羽烏ではないか。
なにせ、今や、鳥羽水族館が魚食のスナドリネコを飼育したりする訳だし。
ただ、猫族は、ヒト慣れの個体差が大きいから厄介だ。観客を煩がる性格だと隠れてしまいかねない。
   「猫族にご挨拶 」[2013.4.16]

振り返ってみれば、日本での古典的な定番三羽烏は、大型動物の、象、獅子、麒麟。(関西だけはライオンではなく虎か。)今でも、それは成り立っていると言えなくもないが。
大型でも、カバやサイは見かけによらず繊細な神経の持ち主のようだから、人気がそちらに傾くことはなかろう。

それが成熟社会になると、好みが変わってくる。いかにも縫い包み的なジャイアントパンダ、コアラ、シロクマが話題の中心になってくる。パンダ以外の三大珍獣はさっぱり取り上げられないから、希少性に訴求性があるという訳でもないようだ。
   「三大珍獣の観客を眺めて」[2014.8.20]

その一方で、オトボケタイプ人気が急上昇。レッサーパンダ、カピバラ、ハシビロコウ。
これらは、子供が好きというより、親の影響が強そう。幼稚園児の団体を見ていると、ペンギン、ラッコ、ミーアキャットのような物おじしない動物の仕草を見るのが一番楽しそうだからだ。友達感覚で接して大いに興奮しているように見える。

推定でしかないが、大人が可愛いと感じるのは、真正面から見つめてくる顔の表情からでは。そうなると、タテゴトアザラシ、ラッコ、スローロリスが一番に該当するのではなかろうか。

もっとも、ヒトに余りに近そうな動物だと、どうしても客観的に眺めたりしがち。それに、ついついヒト類似仕草を見つけてしまうので、可愛いという感情から遠ざかってしまう。観察学習には向いている動物だが、そのような態度で接すれば人気は低迷せざるを得まい。

先進国では、イヌ・ネコによる癒し無しには社会が成り立たなくなっている訳で、そこからすると、動物園に会いに行きたくなる動物はやはり猫族に落ち着くのではなかろうか。

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