トップ頁へ>>> YOKOSO! JAPAN

2010年3月19日
「観光業を考える」の目次へ>>>
 


【古都散策方法 京都-その30】
京都の臍を触る。

ビル街の池坊を訪れる。
 「ふらっと、おいでやす。六角さん。」といったコピーが通用しそうなお寺がある。
  → 「六角堂ホームページ」

 これだけ聞くと、下町的な場所かと思ってしまうかも知れぬが、オフィスビルが立ち並ぶ一角と言うか、ビルに囲まれた場所に文字通りポツリと存在しているお寺なのである。
 東京だと、こういうお寺だと、境内にオフィスビルを建て、残りの部分は駐車場。その上に本堂と庫裏を置き、参拝者は階段で登る構造にするのが普通。これが経営基盤安定化の常道と言われているが、流石に京都。境内は保たれている。
 そのため、ビルの間に古い門となる。そして柳の木がビル風にたなびくといった風情が味わえる。京都らしいとは言い難いが、いとおかしと言えるかも。

 ここはご存知、池坊。
 いけばな発祥の地だから、烏丸通側には池坊会館[3F: いけばな資料館(無料, 要予約)]がある。立ち寄るのもよかろう。おっと、「華道家元」と書かれている六角堂の方から入るべきものかな。もともとは、このお寺(紫雲山頂法寺)の住持が考えた供花流儀訳だし。
  →  「六角堂と池坊」 (C) 池坊

 ただ、一般には華道のお寺ということではなく、聖徳太子創建の“京都の臍”と紹介されるようだ。ご本尊は秘仏だが、小さな仏様らしいから、現代で言えば、聖徳太子のお守りだったということ。池で太子が沐浴したとされるが、四天王寺用の建築材のために多量に木を切り倒すための一種の儀式が行われたということか。その後、小野妹子がここの管理を引き継いで、池に坊を建てたとされているから、重要な拠点だったようである。それが六角形の臍石に繋がる理由は定かではないが。
 ともあれ、一番の特徴は、建物が六角形である点。

 上空からの本堂の写真を見ると確かに正六角形だ。そんなことを言うと、写真ではつまらぬとなるが、実は、お隣のビル“WEST18”(西國札所十八番)にお邪魔すると屋根が見えるのである。もちろん、展望エレベータがあるからだ。
 この地域開発構想は秀逸。おっと、エレベータの話と思わないで欲しい。
 ビルの下部がガラスなので、コンクリート構造物に囲まれて冷たく暗くなりがちな境内が、光線の反射でカバーされるることを言いたいのだ。
 もちろん、お茶所もあり、お薄と“へそ石餅”セットがいただける。

建築家の仕事も一見の価値あり。
〜 六角堂の位置 〜
南北道→
 
↓東西道



御池
姉小路
三条
六角
蛸薬師
錦小路
四条
 六角堂の境内には他にも様々なものがあり、なんとなく都会的なセンスを感じさせる。池坊が生まれた土壌を彷彿させられるものがある。
 そんな気分にさらに浸りたいなら、この辺りで過ごすのも手。
 現代的なのは烏丸通を北にいったイエモンサロン。(HP>>>)どうみても、カフェ運営の気鋭のプロの手によるもの。これを京都らしいと見るかは人による。

 それも良いが、ビル街だから、建物拝見はどうだろう。
 先ずは、新風館。(HP>>>)
 かつての京都中央電話局である。正直、余り面白くない形だが、電話局だから当然か。命名でお分かりの通り、ココを流行の発信地にするとの意気込みで作られた訳だ。そういえば、ということで運営の話を思い出す方も多かろう。
 小生としては、中京郵便局をお勧めしたい。外壁が結構美しい。再生工事が成功したということか、などといった素人話より、解説をお読みになった方がよいか。このサイトには京都の他の建築物も掲載されているから、ご興味のある方はじっくり見て、どう散策するか企画されたらよいと思う。
  → Mitsuo.K: “Nakagyo Post Office” ARCHITECTURAL MAP (C) FORES MUNDI

 Mitsuo.K氏が指摘する通りで、“この建物がある三条通りは一方通行の狭い道でかつ、縦横無尽に電線も張り巡らされ、なんともせせこましい”。しかし、“京都文化博物館別館、日本生命京都三条ビル、SACRA、京都ダマシンカンパニー、そして旧毎日新聞社京都支局と近代建築のオンパレード”。

 ついでながら、烏丸通を歩く途中で大垣書店によって京都の本に目を通すのもお勧め。もちろん対象は、京都の出版社の本である。例えば、・・・。
  → 「光村推古書院ホームページ」

<<< 前回  次回 >>>


 「観光業を考える」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2010 RandDManagement.com