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2010年3月26日
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【古都散策方法 京都-その31】
御所尼寺に立ち寄る。

京都の尼寺を調べてみた。
 ひっそりと佇むお寺を知っている人が“京都通”だそうである。誰にも教えないと言いつつ、気に入った人を連れて行くところが面白い。今回は、そんな余り知られていないお寺を取り上げてみよう。

 と言っても、そんな隠れた場所を探し出せるほど京都を訪れたことはないから、他人にアドバイスできる立場にはない。もっとも、京都に住んでいる人にしても、いくら狭い都市といっても、全域を散歩する人は少ないだろうから、身近なところの気に入ったお寺はあるが、程度ではなかろうか。
 しかし、ダントツの物知りが少ない訳ではない。それは、お寺巡りに励む方々がいるからだ。小生は、巡礼をしたことがないので残念ながら知り合いはいないが、霊場巡礼は盛んだ。多分、知らないだけで、周囲にも結構巡礼者はいそうである。なにせ、小生でも、四国八十八ヶ所霊場札所・別格霊場、西国三十三ヶ所観音霊場、近畿三十六不動尊霊場が有名コースということ位は知っているのだから。なんとなく、西日本が盛んなような気はするが。
 そんなこともあり、一覧を見てみたら、様々なタイプがあるので驚いた。
  → 「全国各地の霊場巡礼札所一覧」 (C) “仏教”ウェブマガジン

 そのなかに、尼寺36札所という巡礼コースがある。
 これなら、“ひっそりと佇む”イメージのお寺の宝庫かという気もしたので、一寸調べてみた。京都府のお寺だけピックアップしたのが下の表。

〜 京都府の札所尼寺 〜  ご注意: 正確でないかも知れません.
-尼寺 [36番所]--御所--ご本尊--住所- [略称は区名]
大聖寺 [1]門跡御寺御所釈迦上・烏丸通今出川上ル
光照院 [2]門跡常盤御所釈迦上・新町通上立売上ル
引接寺 [26]
千本ゑんま堂
閻魔上・千本鞍馬口下ル
曇華院 [5]門跡竹の御所十一面観音右・嵯峨北堀町
行願寺 [9]
西国19番革堂
十一面千手観音中・寺町通竹屋町上ル
寂光院 [7]御閑居御所地蔵左・大原草生町
得浄明院 [10]
善光寺京都別院
阿弥陀東・林下町
香雪院 [11]
東山聖天
聖天東・渋谷通上馬町
岩屋寺 [12]
大石寺
不動明王科・西野山桜ノ馬場町
隆彦院 [31]
“梅辻昭音”
東・渋谷通東大路東入ル
換骨堂 [−]
元真如堂
阿弥陀左・浄土寺真如町
霊鑑寺 [−]門跡谷の御所如意輪観音左・鹿ガ谷御所
blog仏教と仏教美術の日
 [2010-03-17] http://d.hatena.ne.jp/ragaraja/20100317/1268790695
 [2010-03-12] http://d.hatena.ne.jp/ragaraja/20100312/1268421618
坂口くんの高岡大仏寺ホームページ
 「尼寺霊場(尼寺めぐり)[2009年3月現在のリスト]」
 http://www1.tcnet.ne.jp/sakaguti/hitori63.htm
宝慈院門跡千代野御所阿弥陀上・衣棚町通寺ノ内上ル
慈受院門跡薄雲御所釈迦上・寺之内堀川東入ル
三時知恩寺門跡入江御所阿弥陀上・新町上立売下ル
宝鏡寺門跡百々御所聖観音上・寺の内通堀川東入ル
林丘寺門跡音羽御所聖観音左・修学院離宮
 札所とされているから、お寺は確定しているかと思ったら、表の元リストを作成した方によれば、発祥も定かではなそうだし、廃止や入れ替えが行われているようなものだとか。尼寺には色々と事情がありそうである。
 どもあれ、この巡礼コースは“玄人向け”とコメントがついていた。
 ふ〜む。

 確かに物理的に回り切るのは大変そうである。
  ・余りに広範囲に分散している。。
  ・交通が不便そうな場所がある。
  ・辺鄙な所は地理不案内だ。
  ・狭い山道しかないものも。

 しかし、だからこその巡礼と見なされ流行ってもよさそうな気がしないでもないが、実情を考えるとそうはならないか。

 それよりなにより、尼寺は入りにくいということが一番のバリアという指摘には、成る程感あり。
 女性ならまだしも、“にーちゃんが一人であえて尼寺巡りをする理由”をきかれたりすると往生するのはよくわかる。
 オジサンも、一応は男性だから、同じか。

 ということで、一応、ひっそりと佇む京都の尼寺のリストができたわけである。寂光院は別格だが、今まで取り上げた“千本ゑんま堂”(第7回)や“革堂”(第27回)以外は初耳。しかも、それが門跡寺院だったりして、候補としてはこの辺りはよいかも知れぬという気になった。
 その一方、不満も。“百々御所”(第7回)は必ず入っていると見ていたのだが、抜けているからだ。人形寺として有名だし、なんとも不思議。それなら、他にもあるかもと思い、素人がわかる範囲で“御所”尼寺を付け加えてみた。

尼五山はどうなったのだろう。
 門跡尼寺を検索していてふと気になった。
             京都五山という名称は誰でも知っている。どの禅寺が五山かとか、どんな序列かといった点になると記憶が定かでない人も少なくないかも知れぬが、どのお寺も圧倒的な存在感を保ち続けているから、言われれば、あ〜そうかとなる。  ところが、京都尼五山と言われると、ほとんど知られていないのが実情。ウエブを見てもこの用語だけは至るところで引用されているが、言葉の説明以上の内容はみかけ無い。興味を持つ人は少ないということのようだ。
 臨済の尼寺、景愛寺・通玄寺・檀林寺・護念寺・恵林寺ということだが、どうなったのだろうか。

 細かく調べるほど興味をもっていないので正確性は保証できないが、景愛寺は大聖寺が引き継いでいるようだ。ただ、ご本尊は宝慈院かも。通玄寺は曇華院と慈受院(総持院併合)。両寺は存続しているということのようだ。他はよくわからないから、廃寺、非尼寺化、改宗といった道を選んだ可能性が高い。尼寺は存続が難しいということかも。

 ここまで眺めると、大聖寺とはどんなお寺なのか気になってくる。なにせ、通称が凄い。“御寺御所”なのだから。

 足利義満開基で、場所も“花の御所”跡と聞けば納得できるが。尚、現代の地名では“御所八幡町”。(京都市情報館の頁>>>)地図を見ると、敷地は結構広いが、玄関前の広場しか見れないらしいから、どのような作りになっているかは定かではない。
 御所風の手入れが行き届いた庭園がありそうなので、俄然興味が湧くが、お気軽に拝観できそうなお寺ではない。まあ、そっとしておくべきお寺だろう。といっても、“GeoEye 2010”という空からの写真で全体配置は公開されてしまったが。
 ちなみに、札所となっているが、受付らしきものはなさそうで、いかにも敷居が高い。
 面白いのは、北側の塀を隔てたお隣が同志社大学寒梅館。広い烏丸通の向かいは同志社中の体育館で、同志社コンプレックスと相国寺の地域。そうそう、今出川通には、超有名な冷泉邸もある。(京都市情報館の頁>>>)

お勧めは日光椿のお寺か。
 “御寺御所”以外では、“竹の御所”と“谷の御所”という名前に惹かれる。

 曇華院は、嵯峨の竹林にあったということだろうが、山麓の嵯峨ではない。見ものは、“高生垣のように育つ大樹”である日光椿とか。(京都市観光文化情報システムの頁>>>)
おしむらくは、非公開。

 一方、霊鑑寺は哲学の道近く観光客には便利。 “格調高い池泉観賞式庭園があり、後水尾天皇遺愛の日光椿をはじめ、椿の名木が広い庭を埋めている。”
 こちらは、春の特別公開がある。(京都市観光文化情報システムの頁>>>)
 椿は花が首からボトッと落ちるので嫌がる武士もいたようだが、蕾が次第に開いて一輪の花になり、消えていくことこそが美。しかも葉の光が独特。
 そのなかで、日光椿[じっこう]は稀種。椿園でないとなかなか見れない古典系統に属している。植物学的に面白いかどうかは知らないが、“唐子”(カラコ)という手のものだと思う。獅子咲なのだ。従って、日本画にしたためたい人も少なくないだろう。こんな言葉ではわかりにくいが、要は全面赤の花ということ。黄色のオシベによる色彩散逸がないのだ。
 椿は凄まじい種類の園芸品種があるが、この椿を愛し続ける人は多分貴人。
  → “ツバキの画像索引: 紅色系 唐子咲き” (C) ななみ 「和みの庭」
 霊鑑寺の月光椿もこのサイトの写真で初めて見たが、対の名称だから、中の花弁が白色の唐子ということだが、オシベ形状が残り、半唐子といった感じ。

 まあ、一般のオジサンにとっては、機会があれば見にいくかというところか。

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