表紙 目次 | 「我的漢語」 2015年12月12日 蜉蝣と私憂・鵲と鳩の巣作り詩經 國風を取り上げてしまい、周南と豳の冒頭詩をついついいい加減に試訳してしまった。素養を決定的に欠くというのに、どうも、はまってしまったようだ。もう2つ異風の冒頭詩を加えてみよう。 【周南風】 「關雎」・・・ミサゴの番鳴く[→] 【召南風】 「鵲巣」・・・鵲と鳩の巣作り 【齊風】 「雞鳴」・・・雞鳴暁を告げる[→] 【曹風】 「蜉蝣」・・・蜉蝣と私憂 【豳風】 「七月」・・・漢詩読解力レベルの検討[→] 先ず「鵲巣」だが、周南風の有名な「桃夭」[→大陸の桃信仰]と同じ句が使われている。歸[=帰]を「 =這個姑娘嫁過門阿 この子が嫁いで行く。 この句は有名なので、ここだけは「ぎ」の濁点だけとってそのまま使うとするか。 「鵲巣」 維鵲有巣,維鳩居之,之子于歸,百兩御之。 維鵲有巣,維鳩方之,之子于歸,百兩將之。 維鵲有巣,維鳩盈之,之子于歸,百兩成之。 此れ鵲の巣有り。鳩、是れに居住せり。 鳩のように、之の子于き歸きて、 百輌もて、之を御迎え。 此れ鵲の巣有り。鳩、是れの守護たり。 鳩のように、之の子于き歸きて、 百輌もて、之を来将す。 此れ鵲の巣有り。鳩、是れを満足せし。 鳩のように、之の子于き歸きて、 百輌もて、之の婚儀を成そう。 【私註】 維:コれ(此れ,是,之,惟) 居:居住状態 方:同居状態 盈:満杯状態 御:伺候 將:将来 成:成立 次は「 「蜉蝣」 蜉蝣之羽,衣裳楚楚。心之憂矣,於我歸處。 蜉蝣之翼,采采衣服。心之憂矣,於我歸息。 蜉蝣掘閲,麻衣如雪。心之憂矣,於我歸説。 蜉蝣の羽、その衣裳たるや"楚楚"そのもの。 心に憂えあり。我のもとに来たりて留まらん。 蜉蝣の翼、その衣服たるや"采采"そのもの。 心に憂えあり。我のもとに来たりて憩わん。 蜉蝣の脱皮、その麻衣たるや雪の如し。 心に憂えあり。我のもとに来たりて説かん。 【一般的註】 蜉蝣:かげろう 儚き命{朝誕生夕逝去] "楚楚":可憐な美しさ "采采":華飾な美しさ (C) 2015 RandDManagement.com |