■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[17c釋鳥]■■■
「古事記」は鳥だらけと言ってもよいと思うが、その様な見方はされていないようだ。全く鳥が登場しない天皇段が数的には少なくないからか。 📖天皇代での鳥のイメージ
評価のほどはどうあれ、大雀命との名称が通用する上に、"百礒城の 大宮人は 鶉鳥"という天語歌が収録されているのだから、鳥王朝的文化が綿々と続いているのは間違いない。
ここらは大陸の南部と共通。

「春秋左氏伝」巻第十昭公 十有七年[前525年]には、官の割り振りが記載されているが、いかにも感紛々といったところ。
我が高祖少r摯の立つや、鳳鳥適々至る。
故に鳥に紀し、鳥師と為りて鳥もて名づく。
  鳳鳥氏…歴正
  玄鳥氏…司分(春分 秋分)
  伯趙氏…司至(夏至 冬至)
  青鳥氏…司啓(立春 立夏)
  丹鳥氏…司閉(立秋 立冬)
  祝鳩氏…司徒(田土 財貨 教育)
  雎鳩氏…司馬(軍)
  鳲鳩氏…司空(土木 水事)
  鷞鳩氏…司寇(刑罰)
  鶻鳩氏…司事(農事 祭祀)
  五鳩は民を鳩むる者なり。
  五雉を五工正と為す。

このセンスで文字を眺めると例えばこうなる。・・・
    鵙(鵲鵙)/鶪…【伯勞】 [もず(百舌)]shrike
     鳴聲は嚇 嚇で、財(生贄)を貯めるのに大忙しの長官。

有名なのは、第4代(古)蜀王 望帝杜宇は死後怨魂が鵑鳥と化したという辺りの観念。もともと鳧氏だったのだから、突然に鳥と見なした訳でもない。
 舒鴈 鵝
 舒鳧 鶩
   鶩:舒鳧
   鶩:舒鳧
   鷖:鳧屬
   𪃈:𪃈𪇷 鳧屬
ただ、ここらの表記の見方は簡単ではない。鳴き声名称だったりすると、想定困難。📖霍公鳥登場せずの意味
    小杜鵑[ほととぎす(不如帰, 時鳥, etc. 霍公鳥@「萬葉集」)]cuckoo
    大杜鵑/郭公/布穀(穫穀)[かっこう(閑古鳥)]cuckoo
      郭:齊之郭氏虚
         善善不能進 惡惡不能退 是以亡國
    中杜鵑[つつどり]
    棕腹鵑[じゅういち]
    四声腹鵑
  ・・・鳲鳩 鴶鵴 桑鳩が該当するとされている。

姿が分かる文字表記なら想定は容易だが。
鵖鴔 戴鵀 [やつがしら(八頭/戴勝/鶝)] hoopoe𓅙

(参考)
  📖鳥旁漢字を眺めて
  📖羽 (色々)@「酉陽雑俎」の面白さ
  📖「萬葉集」鳥登場歌
  
     

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