表紙 目次 | ■■■ 分類の考え方 2014.9.9 ■■■ 化石祖魚を俯瞰すると 魚の祖先というか、脊椎動物の元祖と呼ぶべきなのかは、なんとも言い難いところだが、古代生物本を眺めていて色々と考えさせられた。 → 「魚の進化を考えさせられた」[2014.8.31] 良く知られているように、現生種では、鰻によく似てはいるが、よくよく見ると全然違う「魚」が一番原始的とされている。そのため、「無顎類」と記載してあることが多い。 顎無/jawlessの脊椎動物である点がメルクマールということ。 しかし、素人が見ても、それは、一般には有顎である脊椎動物に当てはまらない種という意味でしかなく、「その他」とたいして変わらない見方としか思えない。このような発想では「元祖」を探すなど無理なのは明らか。こういう分類はこまる。 と言っても、2種しかいないからどうでも良いのではあるが。 まあ、そんなこともあるのか、ないのか、浅学な身にはわからぬが、「円口類」となっていたりする。素人は、そうなると絶滅種には「角口類」もあるのだろうかとついつい思ってしまう。まあ、そういうことを言い出すような不遜な輩はそもそもこの分野に興味を持つなということではあろうが。 ただ、開いたままの丸い口があるという点は、水流呼吸という観点で、重要な意味はありそうだ。しかし、脊椎動物分類という観点では、脊椎動物特有の、堅くてその形がIDになりそうな「歯」に着目するというのも手のような気がする。哺乳類で言えば、牙(犬歯)族とか、臼歯族とか呼ぶのもよさげと思う訳である。下らんことを言うなと叱責間違いなしだが。 と言うことで、現生種の特徴をまとめておこう。 【八(石)目鰻/lamprey eels】 [→2006年9月22日] ・[体型]鰻型 ・[棲息地]淡水寒冷水域(降海型,残留型) ・[食]寄生し体液吸引が典型---吸盤型口 ・[外皮]無鱗 ・[鰭]無対鰭(背,尾だけ) 遠泳能力弱,瞬発的遊泳能力強 ・[骨格]軟骨性 脊索類似(脊椎骨僅少) 皮頭蓋欠落 ・[目]1対の大型眼(水晶体と筋) ・[鼻]1鼻孔(頭頂部) ・[耳]内耳にはニ半規管 ・[呼吸]口[入水]→7対側鰓孔[出水] ・血液に免疫グロブリン欠落 【沼田鰻/盲鰻/hagfishes】 [→2007年2月9日] ・[体型]鰻型 ・[棲息地]大陸棚落ち込み〜深海が典型 ・[食]腐肉が典型---3〜4対口髭 ・[外皮]粘液被覆皮膚 ・[鰭]無対鰭(尾だけ) ・[骨格]無脊椎骨 有頭蓋骨 ・[目]1対の退化状眼(皮膚に埋没,無水晶体) ・[鼻]1鼻孔 ・[耳]内耳には一半規管 ・[呼吸]口[入水]→1〜16対側鰓孔[出水] 素人的には、これらをざっと眺めながら、上記の本で得た「ヒント」をつてに、化石「魚」(魚と呼ぶ根拠は不明.)を分類してみるのが一番。それなりに堪能できるからだ。(但し、図鑑を眺めて、暗記するのが好きな人には向かない。) インターネット・リソーシスは読めば読むほど、正直のところより分からなくなる。しかも、部分的コピーでしかない記載だらけでイライラさせられる。と言って、専門的なものは自説展開に力が入っているのか、次々と違った分類名称が登場してくるから、頭が混乱してくるだけ。化石だから致し方ないとはいえ、網羅性担保の考え方もさっぱりわからないし。そもそも、素養がないと、記載名称のレベルが様々で、なにがないやらになるのがおち。 と言うことで、イラストあるいは、姿がわかる化石の写真を眺め、勝手に分類してみようとなるのだが、これが結構厄介なのである。 Wikiの日本語は、化石級生物についてはえらく冷淡だからだ。従って、英語で見ることにならざるを得ない。ところが、素人だから、注目されている種とそうでない種を見分ける力がない。なかには、イラスト類無しもあるから、えらく面倒。そんなこともあり、雑にしか検討できないのだが、それなりにイラストは揃っているから、なんとなくわかってくる。(勘違いや、はなはだしい間違いもあるだろうが。 結果は、以下のようなもの。整理するだけで、なんとはなしに、シナリオが浮かんでくる。魚に関する歴史観ということになろうか。 これは素人分類なので、そのおつもりで。尚、ここで、()はWikiにはイラストがないが、眺めた古代生物本には掲載されており、是非とも並べたかった種ということ。[日本の本に掲載されているからといって、国際的にも有名な種という訳ではなさそうだ。名前が複数あるのか、はたまた注目されていないのか、浅学のため判断はつかぬ。] ────○脊索系 ┼┼┼┼┼<前脊索類[頭索]> ┼┼┼┼┼ -現生種[ナメクジウオ] ┼┼┼┼┼<澄江発掘生物群>カンブリア紀 ┼┼┼┼┼ -Myllokunmingia,Haikouichthys「親指大」 ←非脊椎動物 ┬───○有顎脊椎動物──・・・・・──○ヒト │↓非有顎脊椎動物 │ │┌──○ ││┼┼┼<hagfishes> ││┼┼┼ -現生種[ヌタウナギ] ││┼┼┼<Conodonta> ││┼┼┼<Heterostraci系>背腹2枚盾非遊泳 ││┼┼┼ -Astraspis ││┼┼┼ -Arandaspisオルドビス紀 ││┼┼┼ 「最初の鱗型」「側に鰓板群」「無胸鰭」 ││┼┼┼ 〜Sacabambaspisオルドビス紀代表的 ││┼┼┼ 「背腹異形尾鰭」 ││┼┼┼ -Doryaspis ││┼┼┼ -Drepanaspis ││┼┼┼ -(Errivaspis) ││┼┼┼ -Lepidaspis ││┼┼┼ -(Tolypelepis)シリル紀 └┤ ┼│┼┌○ ┼│┼│┼<lamprey eels> ┼│┼│┼ -現生種[ヤツメウナギ] ┼│┼│┼ -Priscomyzon ┼│┼│┼<Anaspida系>鎖帷子着用短距離遊泳型 ┼│┼│┼ -Pharyngolepis ┼│┼│┼ -Rhyncholepis ┼│┼│┼ -Birkenia ┼│┼│┼<Thelodonti系>鮫肌型 ┼│┼│┼ -(Phlebolepis) ┼└─┤ ┼┼┼└○ ┼┼┼┼┼<Galeaspida> ┼┼┼┼┼<Pituriaspida> ┼┼┼┼┼<Osteostraci系>丸兜海底潜型 ┼┼┼┼┼ -Hemicyclaspis ┼┼┼┼┼ -Cephalaspisat代表的 ┼┼┼┼┼ -Boreaspis ┼┼┼┼┼ -Thyestes ┼┼┼┼┼ -(Tremataspis)シリル紀台頭 (C) 2014 RandDManagement.com |